ぶっちゃけとは? いつから使われている言葉?
ぶっちゃけという表現は日常的にもよく使いますよね。意味は知っていても、語源や使われ始めた時期までは知らないという人が多いのではないでしょうか。まずはぶっちゃけとは何かについて解説していきます。
意味
ぶっちゃけとは、「本当のことを言うと」や「素直に言うと」というような意味です。「ぶっちゃけ、○○」と文の最初に置かれることが多いですが、「ぶっちゃけた話」などと形容詞的に使われることもよくあるでしょう。秘密を打ち明ける時や、普段話さないような本音を言い出す時に使います。
語源
一説によると「打ち明ける(ぶちあける)」と発音していたところを、強調して音が変化したものが「ぶっちゃける」になったとか。いつ頃から使われたのか明確には分かっていませんが、1981年に中島梓によって書かれた『にんげん動物園』には「ぶっちゃけてしまうと」という表現が確認されています。つまり、この時期から「ぶっちゃけ」という表現は使われていたのでしょう。しかし、今ほど流通した言葉ではなかったと考えられています。
この言葉が注目されるようになったのは2003年頃。この時期に放送されたテレビドラマ「GOOD LUCK!!」で、木村拓哉さんが演じる主人公が多用したことが「ぶっちゃけ」が流行するきっかけとなりました。その後、若者言葉や新語流行語として紹介され、今では誰もが聞いたことのある表現となりましたね。他の若者言葉に比べて「ぶっちゃけ」は、どの年齢層の人もよく使う言葉なのではないでしょうか。
ぶっちゃけの使い方を例文でチェック!
ぶっちゃけの意味や語源を確認したところで、次は例文を見ていきましょう。
1:バレンタインにチョコをもらったが、ぶっちゃけ僕は甘いものが苦手だ。
「本当のことを話すと」という意味を表すぶっちゃけ。起きている現象に対して反対のことを思っている時に使うことが多いでしょう。せっかく好意でチョコレートをくれているのに、受け取らないのも申し訳ないですよね。私たち日本人は建前と本音を使い分けてコミュニケーションを取ります。
甘いものが苦手だとしても相手の好意を尊重して建前を使い、本音は自分の中に留める。人と接していく上で、このような建前と本音の使い分けは重要になってくるでしょう。
2:本当は彼氏がいること、早めにぶっちゃけた方が気楽だよ。
「ぶっちゃける」というように動詞で使われることもよくあります。打ち明ける、カミングアウトするという意味に「勢いよく」というニュアンスを足したのが、「ぶっちゃける」だと考えると分かりやすいかもしれません。友人に何か秘密にしていることや、まだ伝えられていないことがあるとなんだか後ろめたい気持ちになりますよね。時間が経つにつれて言い出しづらくなることも…。
カミングアウトしたいことがある場合、早めにぶっちゃけた方が肩の荷もスルッと降りるでしょう。
3:昨日の部長の発言、ぶっちゃけどう思った?
「ぶっちゃけどう?」「ぶっちゃけどう思う?」というフレーズはよく使います。相手の本音を聞き出したい時の決まり文句みたいなものですね。普段の仕事上で表立っては言えないようなことを、同僚の間だけで話すのはあるあるかもしれません。その時に繰り広げられるぶっちゃけトークは同期の絆を深めるものとなるでしょう。
ぶっちゃけの類語や言い換え表現を紹介
目上の人と話す時、またはビジネスシーンで「ぶっちゃけ」を使うのは少しカジュアルすぎるかもしれません。失礼にあたる可能性も十分にあるでしょう。そこで、いくつか類語や言い換え表現を紹介しておきます。ビジネスでも使える言い換えを挙げていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:有り体に申しますと
言い換え表現の中で一番堅い表現です。「有り体(ありてい)」とは、ありのままで嘘偽りないこと。つまり、何も隠さず正直にもの申す時に使うセリフですね。会話で使うには少しフォーマルすぎるため、メールなどの文面で使うのが良いでしょう。
「有り体に申しますと、この企画を推進するのは難しいと存じます」というように使うことができます。
2:率直に申し上げると
これが一番無難な言い回しでしょう。「申す」に加えて「申し上げる」はさらに敬意を強めた言い方になります。ビジネスにおいて、会話でも書面でも使えるフレーズですね。「率直に申し上げると、私はこの計画には反対です」などという例文が挙げられるでしょう。
3:実際のところ
ここまでは、目上の人に向けて使えるビジネス的な言い回しを紹介してきました。一方「実際のところ」はプライベートでも使える言い換え表現です。「実際のところどう思ってるの?」というように、ぶっちゃけと同じく本音を聞き出す際に使えるフレーズでしょう。
ぶっちゃけを英語で表現すると…?
最後にぶっちゃけの英語表現を紹介しておきます。短いフレーズなので、よければこちらも覚えておきましょう。
1:to be honest(正直に言うと)
honestは「正直な」という意味を持ちます。また、honestlyと副詞の形にしても「正直なところ」と表現することができ、同じように使えるでしょう。比較的フォーマルな表現です。「I am still sleepy, to be honest.(ぶっちゃけ私はまだ眠たいです)」のように文末につけても良いですし、文頭につけても良いでしょう。
2:to tell the truth(本当のことを言うと)
to be honestよりかはカジュアルな表現でしょう。また、どちらかというとネガティブな内容を伝える時に使います。「To tell you the truth, I don’t like sweets(本当のことを言うと、私は甘いものが苦手です)」というような例文が挙げられるでしょう。これも文頭、文末どちらで使っても大丈夫です。
3:I’m not going to lie,(嘘偽りなく言うと)
ぶっちゃけるとは、嘘をつかずありのまま伝えるというニュアンスがありますよね。このフレーズも同じで、思ったことをそのまま素直に伝える時に使います。日常会話でもよく使われるカジュアルな表現でしょう。「I’m not going to lie, this is the best movie I’ve ever watched.(ぶっちゃけ、この映画が今まで見た中で1番良かった)」というように使います。
最後に
若者言葉、新語流行語として注目された「ぶっちゃけ」ですが、今では比較的幅広く使われていますよね。日本人のコミュニケーションには建前がつきものです。この特徴的なコミュニケーション術だからこそ、本音を聞き出す「ぶっちゃけ」という言葉が生まれたのかもしれませんね。
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