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2023.07.31

「一蓮托生」とは? 意味や使い方、類語表現などをわかりやすく紹介

「一蓮托生」とは、「物事の良いことや悪いことを仲間とともに乗り越えていくこと」という意味の四字熟語です。もとは仏教用語で「良い行いをした者は極楽浄土に往生し、蓮の花の上に身を託して生まれ変わること」をさしていました。本記事では、「一蓮托生」の意味や使い方、類語表現を紹介します。

「一蓮托生」とは?

「一蓮托生」という言葉を、皆さん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 四字熟語のなかでは、「一期一会」と同じくらい有名かもしれません。とはいえ、意味を説明しようとするとなかなか難しいのが四字熟語。なんとなくのニュアンスで使っていらっしゃる方もいるのでは?

そこで、本記事では、「一蓮托生」の意味や使い方、類語表現などをわかりやすく紹介します!

「一蓮托生」の意味

それでは早速、「一蓮托生」の意味から押さえておきましょう。「一蓮托生」とは、「物事の良いことや悪いことを仲間とともに乗り越えていくこと」という意味です。ちなみに、読み方は「いちれんたくしょう」。

「運命をともにする」という意味から、「仲間を見捨てず、絆を大切にする」という意味で座右の銘とする方もいるようです。日本語は、漢字の意味から言葉のニュアンスを推測することができますが、「一蓮托生」から、このような意味を見出すのはすこし難しいかもしれませんね。

なぜ、「一蓮托生」がこのような意味を持っているのでしょうか? 次は、その理由について紹介します。

自撮りをする女性たち
(c)Shutterstock.com

「一蓮托生」は仏教用語

実はもともと仏教用語だったのです。「蓮」でピンときた方もいらっしゃるかもしれませんね。「良い行いをした者は極楽浄土に往生し、蓮の花の上に身を託して生まれ変わること」という意味の言葉でした。「一蓮托生」の「托」は「託」と書く場合もあり、「よりどころとする」というニュアンスを含んでいます。

「一蓮托生」の使い方を紹介

「一蓮托生」の意味をおさらいしたところで、続いては具体的な使い方について紹介しますね。語彙を増やすためには、実際に使っていくことが一番効果的です。ぜひ、例文を参考にして実生活でも応用してみてください。

1:「別れたり復縁したりを繰り返してようやく結ばれたふたりは、今では一蓮托生の生活を送っている」

一蓮托生には、「運命や行動をともにする」というニュアンスがありますが、それは良いことも悪いことも含まれます。かつては別れを経験したふたりでも、乗り越えてともにいることを選んだ、そんな人たちのことこそ「一蓮托生のふたりだ」と言えるのではないでしょうか?

2:「日頃からコミュニケーションの取りやすい環境づくりに励んでいるおかげで、このチームは一蓮托生のムードができあがっている」

一蓮托生はふたりだけの関係に限りません。酸いも甘いも共有できる間柄のグループに対して使うこともできます。しかし、一蓮托生の間柄になることは簡単なことではないのです。とくにビジネスシーンにおいては、若い世代も活発に意見が言えるような環境をつくることや、福利厚生をしっかり整えるなど、普段から環境づくりに努めることが大切。

ともに働くスタッフの心をひとつにするだけでなく、モチベーション維持にもつながります。

3:「買いつけ先と一蓮托生の関係を結んでいるため、安心安全の食材を提供することができる」

一蓮托生になるためには、信頼関係を築くことが必要不可欠です。なぜなら、行動や運命をともにする相手だから。信頼関係に基づいて一蓮托生となっているからこそ、そのつながりから卸される商品や食材の安全性が確保できます。

4:「幼馴染の私たちは、いつの間にか一蓮托生となりどんな困難も乗り越えてきた」

長い付き合いをしていれば、その間にさまざまな経験をするでしょう。楽しいことだけでなく、苦労や辛いこともあったはず。そのような経験を経て相手を信頼する感情が芽生え、自分の身を預けられるような一蓮托生の関係に慣れるのです。

女性3人でソファに座ってテレビをみる
(c)Shutterstock.com

「一蓮托生」の類語表現とはどのようなものがある?

「一蓮托生」の類語表現も紹介します。ぜひ語彙を増やす機会にしてください。

1:運命共同体

「運命共同体」とは、「栄えるときも衰えるときもその結果を共有する組織や団体」のことをさします。一般的には一蓮托生よりも広い範囲で使われることが多いですが、「私たちは運命共同体だよね」など、ふたりの間柄でも使うことが可能。

会議をする人たち
(c)Shutterstock.com

2:因縁

「前世から定まっている運命や宿命」「以前からの関係」「物事の由来」「いいがかり」などの意味を持つ「因縁」という言葉もあります。「いんねん」と読み、仏教用語として使われることも。「因」には「物事が生じる直接の力」、「縁」には、「因を助ける間接の条件」という意味があり、すべての物事はこのふたつによって起こるという考え方が仏教にはあります。

一蓮托生はどちらかというとポジティブな繫がりをさすことが多いです。一方、因縁はネガティブなつながりをさすこともあります。「因縁の相手に決着をつけに行く」というような使い方が可能です。

3:死なばもろとも

なんだか脅し文句のようで怖い表現ですが、「ともに死ぬ覚悟で物事を行おう」という誓いの言葉です。「死なば諸共」と書くこともあります。「命を落とすような結果でも運命をともにしよう」という非常に強い結びつきを感じる言葉です。道連れにするといったニュアンスもあります。

最後に

一蓮托生は、相手や仲間との絆を表します。何か目標を立てて達成しようとするときのスローガンにするのも良いですね。

本記事では、一蓮托生のもともとの意味や使い方、類語表現をわかりやすく紹介しました。ぜひ日常生活でも使ってみてください。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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