紆余曲折とは
「人生は山あり谷あり」と言います。幸せを感じる瞬間もあれば、辛く苦しい時期もあるでしょう。一言では表せないこれまでの経験を「紆余曲折あってね」と表現することがあります。
本記事では、紆余曲折の意味や使い方、紆余曲折の言い換え表現、英語表現などについて一緒に見ていきましょう。
紆余曲折の意味
「紆余曲折」とは、「道が曲がりくねっていること」「ある事柄が順調に進まず、複雑な経過を辿ること」という意味の言葉です。ちなみに、「うよきょくせつ」と読みます。
道などが物理的に曲がりくねっていて複雑なことを表現するときにはもちろん使えますが、経験や人生など、目に見えない複雑な事柄を表すこともできる表現です。
紆余曲折の使い方を例文で紹介
紆余曲折の意味を押さえたところで、続いては具体的な使い方を紹介します。プライベートだけでなく、ビジネスシーンでも使える表現を紹介しますので、ぜひ実生活に応用してみてくださいね。
1:「完成に至るまで紆余曲折ございましたが、皆さまのご助力のおかげでなんとか形にすることができました」
ビジネスシーンでの例文を取りあげました。「紆余曲折ございましたが」という表現は、ビジネスシーンでも使える表現です。プロジェクトや製品を完成させるのは、一筋縄ではいきません。
トライアンドエラーを繰り返したり、予算を調整したり、周囲の人間関係の構築をしたりしなければならないため、長い道のりとなる場合が多いです。紆余曲折は、それらの苦労を一言で表すことができます。
2:「紆余曲折を経て、やっと結ばれた二人には幸せになってほしい。このカップルは同世代の人たちの憧れだ」
紆余曲折の後ろに、月日の経過を表す「経て」を付けて、「紆余曲折を経て」とセットで用いられることもあります。
「結ばれた二人には幸せになってほしい」と言うよりも、「紆余曲折を経て、結ばれた二人には幸せになってほしい」と言うことで、幸せに至るまでの苦労が読み取られ、二人の絆がより強固である印象になりますね。
3:「紆余曲折が激しいジェットコースターが、このテーマパークの目玉アトラクションだ」
道などが曲がりくねっていて複雑な様子にも紆余曲折という表現ができますよ。「紆余曲折した道」「紆余曲折のある地形」などと言います。
4:「人生に紆余曲折はつきものだよ。気落ちしすぎないようにね」
紆余曲折は、ビジネスシーンだけでなく、友人や家族、恋人へも使うことができる表現です。辛い経験やトラブルを抱えている相手を励ますときに使える例文になります。
紆余曲折の言い換え表現を紹介
紆余曲折と似たニュアンスを持つ言葉にはどのようなものがあるのでしょうか? この機会に押さえておきましょう。
1:試行錯誤
「試行錯誤」とは「さまざまな方法を何度も試し、失敗から学びながら解決方法を見出そうとすること」という意味の四字熟語です。
「試行錯誤のうえに、今回のプロジェクトの成功がある」「試行錯誤してもうまくいかず、何度も心が折られそうになった」のように用います。
2:悪戦苦闘
「困難な状況や事柄に対して、苦しみながらも努力をすること」「強敵に対し、非常に苦しい戦いをすること」を「悪戦苦闘」と言います。読み方は「あくせんくとう」です。
紆余曲折と同じように、物事が簡単に進まずに苦労するということを伝える表現です。
「英語で書かれた説明書が読めず、悪戦苦闘している」などと使うことができます。悪戦苦闘は、終わった出来事だけではなく、苦労をしている最中でも用いられる表現です。
3:一筋縄ではいかない
「一筋縄ではいかない」は、「普通のやり方ではうまくいかない」という意味を持つことわざです。紆余曲折の言い換え表現ではありませんが、困難な状況であるという類似のニュアンスを持っています。
例えば、「上司を説得させるのは一筋縄ではいきませんでした」「一筋縄ではいかないからこそ面白い」などと使うことができますよ。
そもそも「一筋縄」とは、一本の縄という意味が転じて「常套手段」「普通の方法」という意味の言葉です。うまく一本の縄にできないというところから「一筋縄ではいかない」という表現が生まれたのかもしれませんね。
古めかしい言い方ですが「一筋縄ではい(ゆ)かぬ」という言い方もあります。
4:二進も三進もいかない
「二進も三進もいかない」とは、「行き詰って身動きが取れないさま」のこと。「二進も三進も」は「にっちもさっちも」と読みます。もともとは、そろばんから生まれた言葉です。そろばんの割り算から生まれた言葉で、計算のやりくりに関することでした。
「二進も三進もいかない会議に、参加者全員が疲弊している」のように使います。紆余曲折の言い換え表現ではありませんが、困難にぶつかり、立ち行かないという状況を表す表現です。
紆余曲折の英語表現とは?
最後に紆余曲折の英語表現について紹介します。
道路などの曲がりくねりは、「a meandering road」や「a winding road」と表現します。「meandering」は「曲がりくねった」「蛇行している」「あてどもない」という意味です。「winding」も「巻きつくこと」「(行動などが)回りくどいこと」などと意味を持っています。
ある事柄が順調に進まず、複雑な経過を辿ること」という意味での紆余曲折には「twists and turns」という表現がありますよ。「He has ridden out many twists and turns in the project」で「彼はプロジェクトにおける紆余曲折を乗り越えた」という意味になります。
最後に
本記事では、紆余曲折の意味や使い方、言い換え表現や英語表現などを見てきました。さまざまなシーンで使うことができる便利な表現です。英語でもサッと言い換えられるとかっこいいですよね。ぜひこの機会に覚えてみてはいかがでしょうか?
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