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2023.01.24

「通年」とはどういうこと?「例年」との違いや「通年採用」なども解説

「通年」とは、「一年間を通してのこと」や「一年中行っていること」という意味です。類語表現には、「例年」「平年」などがあります。それぞれどう違うのでしょうか。本記事では、通年の意味や使い方、「例年」「平年」などの似た表現との違いなどを解説します。

「通年」とはどういうこと?

日常生活でも頻繁に耳にする「通年」という言葉。意味を正しく理解していますか? 普段何気なく接している言葉でも実は意味を勘違いしていた、なんてことは多いもの。

そこで本記事では、通年の意味をおさらいし、混同しやすい「平年」や「例年」との違いを解説します。また、例文を用いて通年の使い方も紹介するので、ぜひ実践してみてくださいね。ほか、通年という言葉が使われている単語も紹介します。

「通年」の意味

さっそく、通年の意味から解説します。「通年」とは、「一年間を通してのこと」や「一年中行っていること」という意味です。漢字では、「年を通す」と書くので何となくニュアンスが分かりますね。

「通年」と似た表現にはどんなものがある?

通年以外にも、「○年」という言葉はいくつかあります。それぞれどう違うのでしょうか。言葉が似ているぶん、混同しやすいためこの機会にしっかり押さえておきましょう。

1:例年

「例年」とは、「いつもの年」という意味です。例えば、ニュースで「今年は、例年通りの降雪が予想されています」などと使われることがありますね。この場合、「今年の雪の降る量は、いつもの年と同じくらいですよ」となるのです。

「例年以上」と言われれば、規模や量が普段の年より大きかったり多かったりするということになります。通年は対象とする年そのものをさしますが、例年は過去の年を基準とし、今年の年はどうであるかを判断する際に使われるのが違いだと言えるでしょう。

雪景色を上空からみる
(c)Shutterstock.com

2:平年

「平年」とは、「普通の状態にある年」のことをさします。例年と似た使い方ができ、「今年の夏は、平年並みの暑さだ」などと使われるようです。ただし、国語辞典などによると、平年という言葉が使えるのは「閏年(うるうどし)でない年」のみなのだとか。

3:毎年

「毎年」とは、「としごと」「としどし」を表します。英語で言うところの「every year」です。「まいとし」と読みますが、「まいねん」とも読むことができます。

例文を用いて「通年」の使い方を紹介

言葉は似ていますが、「例年」「平年」「毎年」と「通年」は意味が異なるので注意が必要です。さて、それでは通年の使い方について、例文を見ながら確認していきましょう。

1:「この美術館の通年の来場者数は、全国で一位なのだそうだ」

「通年の○○」という表現は、頻繁に用いられます。例えば、「通年の抱負」や「通年の外国人旅行客」など様々な場面で用いられるようです。

2:「通年メニューのケーキが、いつの間にかメニューからなくなってしまった!」

「通年メニュー」なんて使い方もできるでしょう。つまりハロウィンやクリスマスにちなんだ限定のメニューや、旬の食材を使った料理などではなく、一年間を通して味わうことのできるメニューということですね。レギュラーメニューとも言えます。

ケーキを持って自撮りする女性たち
(c)Shutterstock.com

3:「服を買う基準は、通年使えるかどうかです」

「季節を問わずいつでも」というニュアンスを伝えたい場合にも、通年という言葉を使うことができます。通年という表現を使うことで、「一年中」よりもかしこまった印象になりますね。

「通年」がつく言葉にはどんなものがある?

実は、「通年」は単体としてだけではなく、他の単語と合体して意味をなす言葉もあります。そこで、ここでは「通年」がつく言葉を具体的に紹介しましょう。

通年採用

「通年採用」という言葉を知っていますか? 近年では、採用の現場で用いられることが増えている採用の方法のようです。通年採用とは、言葉の通り「年間を通して採用活動を行うこと」をさします。つまり、従来のように、採用の時期を限定していないということですね。

そのため、企業側は一括採用では会えないような人材と出会うチャンスを得られたり、採用スケジュールに柔軟性が生まれて、丁寧に選考できるようになります。

一方、採用されたい側にもメリットがあるのもポイントです。一括採用の場合は、短い期間で応募の締め切り日が設定されるため、ひとつの選考にかけられる余裕がなくなってしまうことも。しかし、通年採用であれば、ゆとりをもって準備することができますね。

もちろん、そのぶん企業側の負担が増える可能性もあります。通年で採用の準備をしなければなりませんし、内定者のフォローや教育体制も常に整えておく必要があるでしょう。

通年性アレルギー性鼻炎

通年採用はビジネスに関連する言葉でしたが、医療の現場でも「通年」という言葉は用いられます。例えば、「通年性アレルギー性鼻炎」です。

通年性アレルギー性鼻炎とは、「年間を通して鼻炎の症状が現れるケース」のこと。症状としては、鼻水やくしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみなどがあるようです。アレルギー性鼻炎の代表的な原因は、特定の時期に出現する植物だとされ、いわゆる「花粉症」と呼ばれます。

しかし、年間を通して症状が出る通年性アレルギー性鼻炎は、ほこりやちりに代表されるハウスダストが主な原因なのだとか。そのため、季節に関係なくアレルギー症状が出てしまうそうです。

布団で鼻をかむ女性
(c)Shutterstock.com

通年雇用助成金

通年雇用助成金と呼ばれる制度も存在します。

厚生労働省のHPによると、通年雇用助成金とは、事業主のための雇用関係助成金のこと。「北海道、東北地方等の積雪または寒冷の度が高い地域の事業主が、冬期間に離職を余儀なくされる季節労働者を通年雇用した場合に助成」されるお金です。

通年雇用助成金を受給するためには、「季節労働者を冬期間も継続して同一の事業所で就業させた場合」など、いくつかの受給要件を満たす必要があります。気になった人は、ぜひ一度厚生労働省のHPで調べてみてください。

最後に

本記事では、通年の意味や使い方、似た表現との違いなどを解説しました。「例年」と「平年」は使い方が似ていますが、「通年」とは意味が異なるので注意しましょう。

また、「通年採用」や「通年性アレルギー性鼻炎」など、「通年」が含まれる単語もあわせて紹介しました。「通年」の意味が分かると、これらの言葉の意味も推測できますね。このように、一つの単語から他の単語の意味を推測できるように、気になった単語は調べる癖をつけるなど、日頃からアンテナを張ってみてはいかがでしょうか。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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