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2022.08.23

「日当」ってどんな意味? 使い方や日給・手当・給与との違いを解説

「日当(にっとう)」は「出張中に発生する食費や通信費などの諸経費に対して、一日あたりで支払われる手当」のこと。基本的に非課税で消費税も課されません。似た意味を持つ、日給・手当・給与との違いも解説します。

「日当」の意味や読み方

求人広告などで「日当○○円」という言葉を見かけたことがある人は多いのではないでしょうか。この「日当」に似た言葉に「日給」や「手当」といった単語もありますが、ニュアンスが異なります。「日当」という言葉の意味や読み方、そして「日給」や「手当」といった類似語との違いについて見ていきましょう。

プレゼンテーションを行う女性
(c)Shutterstock.com

そもそも「日当」とは?

「日当」は「にっとう」と呼びます。出張中に発生する食費などの諸雑費に対して、一日あたりで支給される手当(基本給以外の賃金)のこと。給料とは別の扱いになります。「出張手当」や「旅費手当」と呼ばれることもあります。

「日当」のそもそも意義は、出張によって生じた心身の疲れをねぎらったり、出張者が出張先で支出した経費を補填することにあります。そのため、労働の対価として支払われる「賃金」とは性質が異なります。また、「日当」を英語に訳すと「per diem(一日につき)」。賃金・給料は「wage」と訳されるため、意味合いの違いがうかがえます。

「日当」は実際の支出金額ではなく、一日あたり一律の金額を支払うことが主流です。一般的に旅費の申請は社員が立て替え、出張後に精算しますが、「日当」は現金で支払われることも。「日当」を一律で支給すれば、出張先で生じた各々の領収書に対する後日精算が必要なくなります。これによって、出張者・総務部双方の作業負担が減少するというメリットもあるのです。

「日当」の支給やその価格について、法律では特に定められていません。基本的に、会社側が就業規則に基づいて設定することになります。出張先までの距離、出張した期間、出張者の役職の高さなどによって「日当」の金額が決定されることが多いでしょう。

「日当」の使い方

では、「日当」という言葉をどのように使うのか、例文でチェックしていきましょう。

・大工の日当の相場は1万円前後だと聞いたことがある。
・次の出張の日当として2万円を会社から支給された。

例文のように一律の金額として支給されるのが、「日当」の特徴と言えるでしょう。

「日当」と税金の関係

「日当」も会社などから支給されるお金である以上、関連する税金のことは知っておきたいもの。「日当」と税金はどう関わっているのかを説明したいと思います。

夕暮れの女性
(c)Shutterstock.com

「日当」に消費税は加算される?

消費税とは、商品・製品の販売やサービスなどの消費に対して課税されるものです。一方、「日当」は何かを消費して発生しているものではないため、消費税が課されることはありません。

課税? 非課税?

では、「日当」に消費税が課されないからといって完全に非課税かと言えば必ずしもそうではありません。「日当」が高額で「日当の金額を大きく上げて収入を増やそうとしている」と税務署に判断された場合、課税対象になるケースもあります。ですから、「日当」の金額の上げ過ぎには注意が必要でしょう。

「日当」が適正な金額であるかどうかの判定には、次の2つの条件が想定されます。1つ目の条件は「役員・全社員の間で妥当なバランスが保たれている基準によって、支給額が計算されているかどうか」というもの。そして2つ目の条件は「同規模の同業他社と比較して適切な支給金額になっているかどうか」というものです。

また、給与明細に記載してしまうと所得税の課税対象となるため気をつけたいものです。そもそも、出張旅費に含まれる交通費や宿泊費は給与ではないので、非課税対象になります。課税対象にされたくなければ、給与明細に記載しない方がいいでしょう。

日給・手当・給与との違い

「日当」に似ている言葉に「日給」・「手当」・「給与」があります。それぞれが似たような印象を受ける単語ですが、各々が「日当」と比較してどのように異なるのかを見ていきたいと思います。

パソコンをする女性の後ろをお札が舞う
(c)Shutterstock.com

日給との違い

「日給(にっきゅう)」とは「一日を単位として支払われる賃金(給料)」を意味します。「日払いされる賃金」や「日雇い労働の一日ごとの賃金」と言えるでしょう。「日給」は出勤日数に応じて収入が増減するので、一ヶ月ごとに支払われる「月給」に比べて不安定になりやすい側面もあります。

「日給」は「一日を単位として支払われる賃金」を意味していますが、「日当」は「出張時などに支払われる一日あたりの手当」を意味するという違いがあります。「日給」はあくまで「給料」であり、「日当」は給料ではなく手当。「日当」と「日給」は単語の構成がかなり似ているので、混同しないように気をつけましょう。

手当との違い

「手当(てあて)」とは、「給与において基本の給料(基本給)以外の諸費用として支払われる賃金」を意味する言葉です。つまり、給与のうち給料とは異なるお金です。家族手当・住居手当・通勤手当・資格手当・役職手当・出張手当・地域手当など、実に様々な手当が存在します。

「日当」も「手当」も「基本給以外に諸費用として支給される賃金」を意味している点では共通しています。ただし、「日当」というのは「出張時にかかった諸経費に対する一日あたりの手当」のこと。すなわち、手当の一種に該当します。「手当の一種」であるという点が、「日当」が「手当」と異なる点と言えるでしょう。

給与との違い

「給与(きゅうよ)」とは、雇用主から労働者に与えられる給料・諸手当の総称を意味します。「会社などから支給される全てのお金」とシンプルに言い換えることもでき、基本給・賞与・手当・残業代が含まれます。「日当」は手当の一種ですので、給与の一部といえます。

最後に

「日当」という言葉は、多くの人にとっては使い慣れた言葉でしょう。しかし、よく似ている「日給」という言葉と同一視するなど、厳密な意味の違いを把握していなかった人もいるかもしれません。「日当」は賃金に関係する重要なワードです。これを機に、「日当」そのものや「給与」・「手当」といった関連がある単語を調べ直してみても、いいかもしれませんね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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