年収1,500万円の手取りはいくら?
年収1,500万円というと、世間一般からは「勝ち組」「すごい人」と見なされます。ただ、まるまる1,500万円が自分の手元に残るわけではありません。なぜならば、税金や社会保険料によって差し引かれるからです。
この記事では、年収1,500万円の際の手取りや生活費の内訳などを中心に、見ていきましょう。
手取りですが、年収1,500万円の場合、手取り額は1,000万円程度です。差し引かれる分として、所得税(約210万円)・住民税(約110万円)・社会保険料(約160万円)などがあります。収入が多い分、各種税金や社会保険料も高くなるため、額面よりも500万円近く手取りが減ってしまうことに。40歳からは、介護保険料も支払う必要があるため、さらに手取り額が減ります。
年収1,500万円の人の割合はいくら?
政府の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者約5245万人のうち、年収が1,500万円~2,000万円以下の人の割合は、2020年時点で0.7%。かなりの少数派ですね。
また、平均年収が、男性で532万円・女性で293万円・全体で433万円ということを鑑みると、年収1,500万円というのは、相当な金額です。
年収1,500万円の人の職業には、医者・弁護士・外資系金融パーソン・大学教授・パイロットなどが挙げられます。サラリーマンであるかどうかは関係ないようです。
年収1,500万円の生活費の内訳は?
次に、年収1,500万円である人の毎月の生活費の内訳について、確認していきましょう。年収1,500万円ですと、月の手取りは80万円前後ほど。この記事では、独身者であるケースについてその目安を解説します。
1:住居費
家賃や住宅ローンといった住居費は、手取りの25%以内に収めるのが理想とされています。ですので、月の手取りを80万円ほどとすると、月に約20万円は住居費に充てることができるでしょう。
2:食費
食費は、手取りの15%前後が理想とされています。そのため、10万円程度は食費に費やせることでしょう。ただし、高いレストランで頻繁に食事をとったり、キャビアやフォアグラといった高級食材をよく購入したりするのであれば、その割合はさらに跳ね上がるかもしれません。
3:水道・光熱費
水道及び光熱費は、手取りの5%前後が理想とされています。そのため、4万円程度を水道や光熱費に当てることができる計算に。ただし、光熱費は、北海道や山間部など寒い地域では暖房費が他の地域よりもかかります。また、家が広ければ、その分光熱費は高くなるもの。このような場合、光熱費の割合は増加するでしょう。
4:通信費
電話・インターネットなどの通信費は、手取りの5%前後が理想とされています。そのため、4万円程度を当てることができますね。
上で列挙した以外に、交際費・被服費・保険医療費などのお金もかかってきます。とりわけ、交際費・被服費・食費・住居費は、どのような生活をするかによって大きく左右されるものです。
年収1,500万円となると、使えるお金もかなりの金額になります。そのために、高級車を購入する、頻繁に海外旅行に行くなどして、普段からお金を使いすぎてしまう人もいるでしょう。
しかし、いくら年収が高くても、支出も高ければ、お金は貯まりません。いわゆる「自転車操業」状態になるわけですね。その場合、何かの事情で収入が途絶えたときや緊急でお金が必要になった時など、貯蓄が少ないと生活が急に苦しくなる可能性があります。日頃から、定期的に生活費を見直しましょう。
手取りが増えると、生活レベルを上げたくなるかもしれませんが、見境のない支出の増加は家計にも響きます。それに、いったん生活水準を上げて、それに慣れてしまうと、なかなか以前の水準には戻れません。気をつけたいものですね。
所得を増やすための方法について
次は、年収1,500万円の人のように今の会社の収入を増やしていくのは難しくても、所得を増やすにはどうしていけばいいのかについて解説しましょう。
収入を増やす方法以外にも、節税・節約するという手もあります。地道にお金を貯めていくわけですね。宝くじのように一発逆転というわけではありませんが、確実な手段ではあります。
1:支出を記録する
いくらでもお金があるからと、日常から買い物をしすぎているのかも。そこで、家計簿などで日々の支出を可視化すれば、細かい支出も記録できます。最近は、便利な家計簿アプリも増えました。支出を記録する中で、「こんなに無駄遣いをしていたなんて…!」と驚くことがあるかもしれませんね。
お金を使うと、すぐに記録されるようにしてもいいでしょう。例えば、クレジットカードは、決済から口座引き落としまで時差が生じます。時間がたつにつれて、どれくらいのお金を使ったのかを忘れてしまうかも。
一方、デビットカードは決済後、すぐに口座から引き落とされ、支出記録がつきます。利用金額が口座の残高以上の場合、買い物ができないので、お金の使い過ぎを防止できますよ。
2:固定費の見直し
通信費・家賃・サブスクリプションサービスなど固定費は、必ず支払いが発生するものです。そして、これらは基本的に値段が変動することがありません。そのため、うまく見直せばかなり節約できるところです。
最後に
以上、年収1,500万円の人の手取りや生活費の内訳などを中心に見てきました。年収1,500万円のレベルにもなると、日本ではいわゆる「勝ち組」と見なされます。全人口に占める割合を見ても、ほんの一握りです。
ただ、使えるお金がたくさんあるので、日頃から支出が相当な金額になることがあります。その場合、「自転車操業」状態になり、意外とお金が貯まっていないこともよくある話です。
仮に、何らかのきっかけで仕事ができなくなり、収入が途絶えると、貯蓄がないため急速に生活水準が低下する可能性があります。
そうならないためにも、年収の高さに関係なく、日頃から決まった金額を積み立てながら、無駄な支出がないか・お金の使い方を意識してみましょう。
執筆/京都メディアライン
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監修/株式会社SMILELIFE project 池田啓子さん
生命保険や金融商品の販売をせずに、「フィーオンリー」のFPサービスを通じて、お客様の立場に立ったライフプランニング相談業務を行っています。