ブラック企業とは?
面接を受けた企業から内定通知をもらい、就職活動や転職活動が終わって一安心する人は多いことでしょう。そして、気分を高揚させながら入った会社が、実は社内環境がひどい会社だった… なんてケースも。もしかしたら、その会社はブラック企業だったのかもしれませんよ。
この記事では、ブラック企業の特徴や見分け方、ホワイト企業の見分け方について解説していきます。
さて、「ブラック企業」とは、社会一般的なコンプライアンス意識が極めて低く、離職率が高い、社員が不当に扱われているといったことが疑われる企業のこと。具体的には、残業代・給料の不払い、過剰なノルマや極端な長時間労働、社員へのハラスメント行為などが横行していると、その企業はブラック企業であると判断されます。一部の大企業も、ブラック企業の条件に該当しているようです。
過去には、ブラック企業としての体質が最もはなはだしいと見なされた会社を、ノミネートするイベントも開催されましたね。ブラック企業は社会全体にとって大きな問題になっています。
ブラック企業の特徴
そんなブラック企業ですが、ブラック企業にはどのような特徴があるのでしょうか? ブラック企業の見分け方の参考にしてみてくださいね。
1:長時間労働・過重労働を課される
ブラック企業の大きな特徴として、長い労働時間や過剰な労働量が挙げられます。労働時間を基準として、ブラック企業であるかどうかを判断されることがありますね。
過労死ラインを超えるような残業時間である、または定時までには到底終わりそうにない労働を課せられていることが日常茶飯事であるならば、ブラック企業の可能性が高いでしょう。
過労死ラインは、月80時間の残業が目安とされています。これを大きく超えて、月の残業時間が100時間であるなら、ブラック企業かもしれません。
2:有休を取得できない・休日が少ない
ブラック企業の特徴の一つに、休日が少ないことも挙げられます。連勤が数週間続き、まったく休めない。そして、休みの日は一日中、家の中で寝ているだけだった… なんてことも。
カレンダー通りの休みがあったとすると、1年間に120日前後の休日があります。会社の定める休日が原則、土日だけだとすると、これだけで年間休日数の最低ラインとされる105日に届いてしまいます。つまり、夏季休暇やゴールデンウイークの期間であっても、出勤しなければならない事態になりかねません。
ましてや、年間休日が80日を下回るようであれば、休日数の観点からはブラック企業の可能性が高いでしょう。年間休日が80日の場合、月に6日ほど、1週間のうち1~1.5日しか休めていないということになります。
3:給料が安い
給料の低さも、ブラック企業の特徴です。働きと報酬が比例していないケースがあります。月給から通勤手当や時間外手当などを差し引き、残った金額を時間額に換算して、住んでいる自治体の最低賃金額を下回っているかどうか、確認してみましょう。
もし最低賃金を下回っていれば、違法になります。
4:社員の入れ替わりが激しく、離職率が高い
劣悪な労働環境では、自然と多くの社員は離れていくものです。なぜなら、厳しい環境についていける人は限られるから。ブラック企業では人材が常に不足している状況であるので、頻繁に募集をかけします。誰かが入社したかと思えば、別の誰かが辞めていく… そんな状態です。
5:精神論をたびたび持ち出す
ブラック企業でよく出てくるのが、精神論です。「がんばれ」「やればできる」「根性」「気合」といった言葉がよく使われ、長時間労働や過重労働を正当化してしまう雰囲気が社内にあります。
ブラック企業の見分け方
では、どうやってブラック企業を避ければいいのでしょうか? 会社の面接を受けるにあたって、まず調べるのは求人票ですよね。そこで、求人票でのブラック企業の見分け方について説明していきましょう。
1:労働時間に注目する
ブラック企業の多くは長時間労働・過重労働です。しかし、それを推測できるような情報は、求人票には記載されないもの。
元社員だった人に聞いてみる、会社の様子を見に行くなどして、実際の勤務状況を調べるといいでしょう。夜遅い時間まで社員が会社に残っている・土日も社員が出勤しているようなことがあれば、長時間労働が日常茶飯事かもしれません。
2:給与形態はどうなっているか
ブラック企業によっては、給与体系を複雑にして、どれほどの給料が支払われるのかを、わかりにくくしているケースがあります。しっかりと内容を確認しておきましょう。経験の浅い社員を名ばかりの管理職にして、残業代を出さないようにしている可能性もあるからです。
3:会社が使う言葉に着目する
ブラック企業は、「アットホーム」「やりがい」「仲がいい」などの抽象的な言葉をよく使う傾向があります。その理由は、会社としてアピールできることが少ないからです。
また、事業内容や仕事内容を見ても、長い横文字で表記され、具体的に中身をイメージできない場合があります。入社してみると、自分が想像していたのとは随分と違う仕事内容だった、ということも。どのような内容なのか、詳しく面接官に質問しましょう。
4:会社・社員の様子を観察する
例えば、社員に元気がない、異様に熱気が高い、デスクが整理されていないといった特徴が見られるならば、そこはブラック企業かもしれません。実際に会社・社員を観察することで、求人票からは見えてこない事実を知ることができます。
もし違和感を感じるのであれば、自分の直感を無視せず、その会社に入社するかは十分検討してからにしましょう。
ホワイト企業の特徴・見分け方
ブラック企業については見てきましたが、反対にホワイト企業とはどのような会社なのでしょうか? ホワイト企業の見分け方を紹介しますので、参考にしてみてください。主な特徴として、以下が挙げられます。
・離職率が低い
・コンプライアンスがしっかりしている
・社員の働く意欲が高い
・社員を大切にしている
ただ、いくらホワイト企業であっても、その会社で求められる能力のレベルが、自分の能力を超えることもあります。その場合、求められる能力を満たさない人にとっては、その会社での勤務はハードに感じられるかもしれません。
ホワイト企業だからといって、仕事が楽であるとは限らないのです。この点にも、注意したいですね。
最後に
以上、ブラック企業の見分け方について見てきました。ブラック企業に入社すると、残業時間が長い・給料が安い・有休を取得できないといったことが起こります。いったん会社に入ってしまうと、日ごろの業務がハードであるので、転職するのは容易なことではありません。会社に入社する時は、雇用条件などをよくよく調べてからにしましょう。
TOP画像/(c)Shutterstock.com