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2026.08.26

合わない上司とうまく付き合う方法とは? ストレス解消法もあわせて紹介【社労士監修】

上司に苦手意識があると、仕事に行くことがつらくなったり、話しかけることに緊張したりすることもありますよね。考え方や仕事の進め方が合わず、どのように接すればよいのか悩んでいる人もいるかもしれません。今回は、上司を苦手だと感じる理由や、関係に悩んだときの対処法を紹介します。

この記事のサマリー

・上司と合わないと感じても、一概に自分だけに原因があるとはいえないでしょう。
・無理に親しくなろうとせず、業務に必要なコミュニケーションを保ちながら、適度な距離を取ることも大切です。
・ハラスメントが疑われる場合は一人で抱え込まず、上司の上司や人事部、外部の相談窓口を頼る方法もありますよ。

仕事をしていると、気の合わない人が上司になることもあります。上司との関係がうまくいかないと、自分を責めてしまうこともあるでしょう。

しかし、我慢を重ねるとストレスが大きくなることがあります。仕事のパフォーマンスに影響する場合も少なくありません。中には、心身の不調から休職や退職を選ぶ人も。

人間同士である以上、どうしても相性の合わない相手はいますよね。上司に合わせようとしすぎず、自分を責めすぎないことも大切です。それは、自分の心の健康を守ることにもつながります。

ここからは、合わない上司との付き合い方や対処法を紹介します。

合わないと感じる上司とはどんな人?

どのような上司に対して「合わない」と感じやすいのでしょうか? ここでは、その要因になりやすい例を5つ紹介します。

自分中心

部下や周囲のことなんておかまいなし。自己中心的な行動をする上司は、多くの人に苦手意識を持たれます。一般に上司には、部下の能力や業務量を考慮して仕事を割り振り、必要な指導や支援を行う役割がありますよね。

しかし、自分中心の上司は、自分のペースだけで物事を考え、部下や周囲の都合や考えを聞き入れようとしません。その結果、周囲が疲弊してしまうというケースはよく耳にします。

ハラスメント行為がある

「上司と合わない」という悩みでも、詳しく話を聞くと、パワハラやセクハラが疑われるケースは労務相談の場でも意外とあります。ハラスメント行為がある場合は、単なる相性の問題にとどまらない可能性があります。

また、上司の言動がはたしてパワハラやセクハラに当たるのかわからないと、悩む人もいらっしゃるのではないでしょうか? まずは、パワハラとセクハラの要件をおさえておくことがおすすめです。

厚生労働省では、職場のパワハラを3つの要素で定義しています。「優越的な関係を背景とした言動」であること。「業務上必要かつ相当な範囲を超えている」こと。そして、「労働者の就業環境が害される」ことです。これらをすべて満たすものが、パワハラに該当するとされています。

職場のセクハラとは、「労働者の意に反する性的な言動により、労働条件上の不利益を受けたり、就業環境が害されたりすること」です。たとえば、性的な冗談や質問、食事やデートにしつこく誘うことなどもセクハラになる可能性がありますよ。

ハラスメントは、仕事だけでなく心身にも影響を及ぼす可能性があります。気になる言動がある場合は、一人で抱え込まず、相談窓口などを利用することも視野に入れてみてくださいね。

参考:厚生労働省あかるい職場応援団「相談窓口のご案内」

マネジメント能力が不足している

一般的なマネジメント理論では、個人で成果を上げる力と、チームを動かす力は別の能力と考えられています。

そのため、担当者として優秀な成績を収めていた人でも、管理職になった途端、うまくいかなくなることも。管理職には、目標設定や役割分担、進捗管理などの能力が必要だからです。部下の育成や、適切なフィードバックも求められますよね。

こうした能力が不足していると、指示が曖昧になったり、方針が頻繁に変わったりすることがあります。その結果、部下が振り回され、上司との関係にストレスを感じることもあるでしょう。

デスクで両眼を押さえている女性
(c)Shutterstock.com

横取りする・押し付ける

良い結果を自分の手柄にする一方で、都合が悪くなると部下を責める。こうした上司に関する悩みは、労務相談の場でもよく耳にします。

仕事の成果が適切に評価されないことは、モチベーションが低下する原因としてよく挙げられます。自分の成果を上司の手柄にされれば、不満を感じるのは自然なことですよね。

また、失敗やトラブルの責任を一方的に押し付けられ、上司への信頼が揺らぐというケースも。こうした対応が続けば、上司に苦手意識を持つのは無理もないでしょう。

価値観の相違

明らかな問題がなくとも、「合わないなあ…」と感じる人がいるものです。上司になった人に、そのように感じても不思議ではありません。

たとえば、その人が周囲からは「いい人」だと言われていたりすると、「自分がおかしいのかな」と自分を責めてしまう人もいるでしょう。しかし、人間同士の関わり合いには、どうしても「合う」「合わない」があるもの。割り切ることも大切です。

合わない上司の対処法とは?

上司と「合わないなあ」と感じたとき、どう対処すればいいのでしょうか。3つ紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

適度な距離を取る

上司と部下というのは、仕事上の人間関係です。上司だからといって、心から好きになる必要も、親しくなる必要もありません。

業務に必要な情報共有や受け答えができれば、仕事上の関係は保てます。「仕事は仕事」と捉え、無理のない距離を取るのも一つの方法です。

ただし、距離を取ることと、相手を冷たく扱うことは異なります。苦手だからといって、感情的に接することは避けたいところ。相手の立場にかかわらず、基本的な礼節やマナーは大切にしたいですね。

たとえば、挨拶をしない、返事をしない、露骨に目を合わせない。こうした態度は、職場の雰囲気を悪くする可能性があります。周囲の人に、対応を見られていることもあるでしょう。接し方によっては、周囲からの信頼や今後のキャリアに影響することも考えられます。

「合わない」と感じながらも、挨拶や丁寧な受け答えは心がける。そのうえで、必要以上に関わりすぎない距離を探してみましょう。

違う視点で見てみる

合わない上司にも、仕事に生かせる部分があるかもしれません。専門知識や経験、社内での調整力など、参考になる点だけを取り入れる方法もあります。

上司そのものを人として好きになる必要はありません。「この点は学べる」「ここは協力すると仕事が進む」と、仕事上の資源として捉えてみましょう。自分や組織の仕事を円滑にするという視点であれば、関係を少し客観的に見られるかもしれません。

また、現在の人間関係がずっと続くとは限りません。人事異動や組織変更、転職などにより、立場や関係性が変わることもあります。特に変化の激しい現代ですので、ずっと上司が同じ人ということの方が少ないかもしれません。

「今はこの上司と仕事をする時期」と、長い時間軸で考えてみるのも一つの方法です。一時的な関係だと捉えることで、心理的な負担が和らぐこともありますよ。

窓際の椅子で膝にパソコンを置いて作業する女性
(c)Shutterstock.com

一人で抱え込まず、相談してみる

パワハラやセクハラが疑われる場合や、あまりにストレスを感じている場合は、一人で抱え込まず、誰かに相談してみることも大切です。上司の上司や人事部、外部の総合労働相談コーナーなどへ相談を検討しても良いでしょう。

断ったり反論したりできないまま我慢していると、その言動を受け入れていると誤解されることがあります。例えば、断り切れずに上司からの食事の誘いに応じた結果、好意があると誤解されるケースなどはよく耳にします。また、強い叱責や暴言に耐え続けた結果、上司の言動が次第にエスカレートする場合も。

できれば、相談する際は、いつ、どこで、誰から、どのような言動を受けたのかを記録しておくといいでしょう。メールやチャットなども、可能な範囲で保存しておきます。

長期間一人で耐え続けることは、心身の健康にも影響を及ぼしかねません。「ハラスメントかもしれない」と感じる言動が続く場合は、早めに相談を検討しましょう。

また、ハラスメントかどうか判断できない段階でも、気になる言動を相談して構いません。「自分の考え過ぎかもしれませんが、こんな言動がありました」などと柔らかいニュアンスで、上司の上司などに情報を共有しておくのも手ですよ。

ストレスと上手に付き合う「コーピング」

苦手な上司との関係が続くと、ストレスを感じることもありますよね。そんなときに役立つのが「ストレスコーピング」です。コーピングとは、ストレスの原因や反応に対処することです。問題そのものへの対応だけでなく、気晴らしや休養も含まれますよ。

ここからは、ストレスコーピングのためにおさえておきたいポイントをかんたんに解説します。

自分なりのコーピングリストを作る

気分が切り替わる活動には、個人差があります。日頃から、自分に合う方法をリストにしておくのがおすすめです。例えば、散歩や軽い運動、料理、掃除などがあります。友人との会話や趣味への没頭も選択肢です。

一方、入浴や読書、音楽、ストレッチなど、静かに休める方法もあります。その日の気分や体調に合わせて選べるよう、複数用意しておくとよいでしょう。

活動と休養をバランスよく取り入れる

気分転換には、活動的な方法と休養中心の方法があります。元気がある日は、外出や軽い運動を楽しむ。疲れている日は、入浴や睡眠で体を休める。このように使い分けることも大切です。

厚生労働省の「こころの耳」でも、休養(Rest)、気晴らし(Recreation)・リラックス(Relax)という「3つのR」が紹介されています。ストレス対処を考える際に、この3つはおさえておきたいポイントですね。

参考:厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」

無理なくできる方法を選ぶ

気晴らしになることでも、やりすぎると負担になる場合があります。毎日の飲み会や激しい運動は、体力や健康に影響することもあるでしょう。ストレス発散のつもりが、かえって疲れる結果になんてこともありえますよね。

一つの方法だけに頼らず、心身の状態に合わせて選ぶことがポイントです。自分を少し楽にしてくれる方法を、無理のない範囲で取り入れてみましょう。

携帯電話を持ちながらジョギングをする女性
(c)Shutterstock.com

「合わない上司」に関するFAQ

上司との接し方や相談のタイミングなど、判断に迷うこともありますよね。ここでは、合わない上司との関係で押さえておきたい3つの疑問をまとめました。

Q1.上司と合わないのは、自分に原因があるのでしょうか?

A.一概に自分のせいとはいえないでしょう。人によって考え方や仕事の進め方は異なるため、どうしても相性が合わないことがあります。無理に合わせようとせず、自分を責めすぎないことも大切です。

Q2.合わない上司とは、どのように接すればよいですか?

A.業務に必要な情報共有や丁寧な受け答えを保ちつつ、適度な距離を取るのも一つの方法ですよ。上司を好きになる必要はありませんが、挨拶や基本的な礼節は意識したいですね。

Q3.上司の言動がハラスメントか判断できない場合でも、相談していいですか?

A.ハラスメントに該当するか判断できない段階でも、気になる言動について相談できます。上司の上司や人事部、社内外の相談窓口などを利用しましょう。相談に備え、日時や場所、具体的な言動を記録し、メールやチャットも可能な範囲で保存しておくと役立ちますよ。

最後に

この記事では、合わない上司のよくある特徴や対処法、ストレスコーピングなどについて解説しました。上司との関係がうまくいかず、仕事に行くことを毎日憂うつに感じることもありますよね。人間同士である以上、どうしても相性の合う・合わないはあるものです。今回紹介した対処法も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

TOP・アイキャッチ画像/(c)Shutterstock.com

塚原美彩(つかはらみさ)さん 開業社会保険労務士

2016年社会保険労務士資格を取得。趣味は日本酒酒蔵巡り。現在は独立開業し、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。

ライター所属:京都メディアライン

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