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2024.03.08

謝る時に使う適切な敬語とは? 使ってはいけない表現や丁寧な謝り方

ビジネスで謝る時に使う適切な敬語は、「失礼いたしました」「ご迷惑をおかけしました」「心よりお詫び申し上げます」「申し訳ございません」などが挙げられます。これらを相手や場面に合わせて使うのがベターな一方、「ごめんなさい」は適切ではありません。本記事では、謝る時に適切な敬語、英語表現について解説していきます。

謝る時に使う敬語とは?

謝っている女性のイラスト
(C)AdobeStock

ビジネスで相手に謝罪する必要がある場合、「ごめんなさい」と言ってしまう方は意外と多いのではないでしょうか? しかし、「ごめんなさい」は敬語表現ではないため、目上の人に対して使うのは適切ではありません。この記事では、謝る時に使う敬語として、適切な表現を紹介します。

まずは、「ごめんなさい」が敬語として妥当ではない理由について説明していきましょう。

そもそも「ごめんなさい」とは

まず「ごめんなさい」の「ごめん」ですが、これは漢字に書き直すと「御免」。「免許、容赦、赦免」という意味の「免」に、尊敬表現の「御」がくっついた形となっています。免許や赦免することを、その動作主を敬っていう言葉でした。

◆御免の意味

(1)正式に免許・認可することを、その決定を下す者を敬っていう語。「名字帯刀が―になる」「天下―」
(2)役職などを解かれることを、その決定を下す者を敬っていう語。「お役が―になる」
(3)嫌で拒否する気持ちを表す語。もうたくさん。「戦争は二度と―だ」
(4)過失などをわびるときや許しを乞(こ)うときに言う語。「遅くなって―」
(5)他家を訪問したり辞去したりするときに言うあいさつの語。「―、お邪魔するよ」「では、―」
(小学館 デジタル大辞泉より)

その後、「御免」に命令文が続いて、「ごめんあれ」「ごめんなされ」といった形が発生。詫びなどの「許してほしい」という意味が生じるようになりました。「ごめんなさい」もこれらの一つです。そして、近世中期頃からは省略形としての「ごめん」も用いられるようになりました。

つまり、「ごめんなさい」とは「御免(認める・許す)」に「なさい(命令形)」がつながった表現で、丁寧語ではありません。強い言葉で表すと、「私を許せ」という意味になるので、「謝る時の表現としては不適切なのでは?」と思う人もいるかもしれません。

いずれにせよ、語誌を踏まえると命令形の表現が含まれているので、上司など目上の人に使うのは、避けたほうがいいでしょう。「ごめんなさい」は基本的に、社内の同輩や目下の人に使う表現になります。

また、文章やメールなどで「ごめんなさい」は基本的に使いません。どちらかと言えば、口語の表現として用いるものです。この点も、使用にあたっては注意しましょう。

丁寧な謝り方の表現と例文を紹介

女性に頭を下げて謝る女性
(c)Shutterstock.com

「ごめんなさい」は命令形としての性質を含むので、ビジネスシーンで目上の人などに謝罪する時には不適切です。相手に対して、嫌な思いをさせてしまうことは避けたいもの。

では、どのような謝罪の言葉が適切なのでしょう。例文を交えて見ていきましょう。謝罪メールの作成や謝罪文の締めを考える時の参考にしてください。

失礼いたしました

「失礼」は礼儀を欠くこと、不作法なことを意味します。礼儀に反する振る舞い・非常識な行為をした時に、そのことで謝罪するために使う表現です。礼儀に反する・非常識な振る舞いとしては、メールの返信が遅れた・連絡を忘れた・真夜中に電話をかけてしまったといったケースがあります。

無礼に対する謝罪なので、あらゆる謝罪のケースで使えるとは限りません。例えば、他人の所有物を破損させてしまい、そのことで謝ることになったとします。この場合、「失礼いたしました」よりも「申し訳ございません」と伝えたほうがいいでしょう。

例文:
「このような時間帯に電話をかけてしまい、大変失礼いたしました」
「返信が遅れてしまい、誠に失礼いたしました」

ご迷惑をおかけしました

「迷惑」には、ある行為によって他の人が不利益を受けたり、不快になることやその様子を意味します。自分の行いによって、相手側に不快感を与えてしまったことを認めるということです。そして、そこから自分の過失について、「謝罪する」というニュアンスが読み取れます。

例文:
「この度は混乱を招いてしまい、ご迷惑をおかけしました」
「関係者の皆様に、多大なるご心配とご迷惑をおかけしました」

心よりお詫び申し上げます

「心より」とは、「心の底から、本心から」という意味。自分の気持ちに偽りがなく、ストレートに気持ちを伝えたいというニュアンスが読み取れます。

したがって、心の底から嘘偽りなく、相手に対して謝罪したいという気持ちを伝えることができる表現です。これによって、深い謝罪の気持ちを表現しています。大きなミスを犯して、多大な迷惑をかけた時などに使います。

例文:
「取り返しのつかない事態を招いてしまい、心よりお詫び申し上げます」
「投稿内容に一部、不適切な表現があったことについて、心よりお詫び申し上げます」

申し訳ございません

ビジネスシーンなどでよく使われる謝罪表現と言えるでしょう。「申し訳ありません」を、さらに丁寧にした言い方です。似た言い回しに「申し訳なく存じます」があります。

例文:
「ご不便おかけしまして、在学生の皆様には申し訳ございません」
「その商品はあいにく切らしております。大変申し訳ございません」

謝る時に使う英語表現について

謝る時に使う英語表現には、「Excuse me」と「I’m sorry」が代表格として挙げられます。

まず「Excuse me」ですが、直訳すると「許してください」。レストランで店員に注文のために声をかける、すれ違いざまに肩がぶつかったことを謝る時などに使われます。日本語の「失礼しました」「すみません(声をかける時)」に該当する表現です。

一方、「I’m sorry」ですが、直訳すると「私は残念です」。自分に非があるのを認める時に使います。「sorry」には、遺憾や後悔、気の毒といった意味があり、日本語での「申し訳ありません」に該当する表現です。

「I’m sorry」の方が「Excuse me」よりも謝罪のニュアンスが強くなっています。

海外のお店で品物について聞くため、店員に声をかける際、「I’m sorry」を使うと「申し訳ございません」と言っているのと同等です。このケースでは、「Excuse me」を使いましょう。

ビジネスシーンのようなオフィシャルな場で謝罪する時は、丁寧な表現の「apologize」を使うといいでしょう。英語で記述すると「I apologize」。心から謝罪していることを伝えたいならば「deeply(深く)」という副詞も追加して「I deeply apologize」と伝えます。

謝罪の表現としては他に、親しい友人間などで使う「My bad(ごめんなさい)」や、より丁寧な表現の「My fault(私のせいです、私の過失です)」などがあります。

相手や内容に合わせた謝罪表現を

謝罪する時に「ごめんなさい」はよく使う表現ですが、「なさい」からわかるように命令文の性質を持っています。使うならば、同輩や親しい友人にとどめましょう。

一方、上司や社外の人など目上の人に対しては、「申し訳ございません」「心よりお詫び申し上げます」といった丁寧な表現を使います。

相手や謝罪内容によって、謝るための表現は異なります。相手に不愉快を与えないようにするためにも、謝罪表現はいくつも知っておきたいものですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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