ビジネスメールのマナーをおさらい
ビジネスメールはプライベートメールよりも、マナーに気を付けなくてはなりません。そのため、新卒や若手社会人の方などは、ビジネスメールに苦手意識を持っていたりします。普段からメールを使ってビジネス上のやり取りをされているベテランの方も、シチュエーション別にきちんと使い分けができていないことも多いのです。
本記事では、ビジネスメール全般のルールや書き出しのマナーについて、シチュエーション別の例文を用いて解説を行います。あらためて、おさらいをしてみてはいかがでしょうか。
ビジネスメールには、ある程度決まったルールやパターンがあります。まずはその基本ルールについて紹介しますね。
1:宛先・宛名を入れ忘れない
2:挨拶と名乗りが基本マナー
3:要点・結論から伝え、何を伝えたいのか明確にする
以上の点を踏まえ、次に作成時の注意点を紹介します。ビジネスメールを作成する時には、基本ルールを守りつつ、以下のポイントを押さえておきましょう。
1:正しい敬語を使う
2:口語を使用しない
3:クッション言葉をいれる
4:ネガティブワードは使用しない
5:返信が欲しい時は事前に期限を伝える
6:結びの挨拶を忘れずに書く
これらの点に注意して、実際にメールを送信する前には一度読み返しをして確認します。
次に、ビジネス「メールの書き出し」について、いくつか紹介しましょう。送付する相手やシチュエーションによって使い分けていく臨機応変さが必要です。まずは「相手別」に例文で確認してみましょう。
相手別の書き出しを例文でチェック!
書き出しはメールを送る相手によって異なるため、気を付けなければなりません。そこで、基本的な「初めての人」「取引先」「上司」の3つのパターンについて確認しています。
1:初めてメールを送る人への書き出し
○○株式会社
営業部 部長 鈴木様
初めまして。お世話になります。山田商事株式会社の山田と申します。
貴社の製品に興味があり、連絡させていただきました。
初めての人、またはお会いしたことがない人にメールを送る場合は、どのような意図でメールを送っているのかをはっきりと明記するようにしましょう。「お世話になっております」は挨拶の言葉として慣例的に用いられていますが、初めての人に対して「お世話になっております」は適切ではありません。
初めてなので「お世話になります」が文法的には正しく「今後お世話になります」という意味で使います。
また、自分が連絡するのが初めてでも、他のスタッフが面識ある場合には、「初めまして。山田商事株式会社の山田と申します。平素より田中が大変お世話になっております」という形で使えば不自然ではありません。
2:取引先へメールを送る際の書き出し
・いつも(大変)お世話になっております。
・いつもご配慮いただきまして、ありがとうございます。
・このたびは貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
・平素は格別のご高配を賜り、心よりお礼申し上げます。
「大変」は、より丁寧な印象にしたい場合に添えるようにし、通常はなくても問題ありません。取引先にメールする際の書き出しは、「いつもお世話になっております」という一般的な挨拶文以外にも、感謝の言葉が多い傾向です。
関係性の浅い取引先などは、「平素は」「平素より」を添えて、より丁寧な表現にしましょう。
3:上司へメールを送る際の書き出し
・お疲れ様です。
・おはようございます。
・お忙しいところ失礼いたします。
上司にメールする際には、社内の方なのでかしこまった挨拶は不要です。状況や時間帯によってそれぞれを使い分けるようにしましょう。また、書き出しに「ご苦労様です」を使わないように。
「ご苦労様です」は、目上の人から目下の人にかける言葉のため、上司に使用すると大変失礼にあたります。
シチュエーション別の書き出しを例文でチェック!
次に、シチュエーション別に詳しく紹介しましょう。「お礼を伝える場合」「依頼がある際」「お詫びをする際」の3つのパターンについて紹介します。
1:お礼を伝える場合の書き出し
「先日は大阪本社までご足労いただき、ありがとうございました。鈴木様のご提案内容を踏まえ、前向きに検討させていただきます」
書き出しに感謝の言葉を述べる場合、メールの相手との出来事に触れるようにするのがおすすめです。
2:依頼がある際の書き出し
・先日のミーティングではお世話になりました。会議の内容を踏まえ、提案資料を2月1日までに作成していただきたく存じます。
・先日の○○の件でご相談させていただきたく、ご連絡いたしました。
・本日は○○の件を確認させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
ビジネスメールでは、依頼する内容をはじめに明示することがマナーです。そのため、書き出しでは大まかな概要を伝えるようにしましょう。
3:お詫びをする際の書き出し
「10月11日に送信したメールにおいて、金額に一部誤りがございました。正しい金額は本日送信するメールをご参考にしていただけますと幸いです。こちらの不手際でご迷惑をおかけし、申し訳ございません」
お詫びをする際の書き出しは、まずお詫びの内容をはっきりと明記すること。そして対応する内容を提示するようにしましょう。先に理由や経緯を述べてしまうと言い訳のように見えてしまいますので、最初に謝罪するのがポイントです。
海外の取引先にメールを送る場合
海外へ送る場合について、代表して英語表現にて3つのシチュエーション別に紹介します。
1:Thank you very much for visiting our office yesterday.
この書き出しは、最近お会いしたことへのお礼から始まる文です。日本語に訳しますと「先日はご足労いただきありがとうございます」という意味。for以下を変えることで、他のお礼を述べる文にすることができます。
2:The purpose of this e-mail is to ask some questions about your current product.
この書き出しは、今回どのような目的でメールを送っているかを伝える際によく使われる表現です。日本語に訳しますと「現在の商品について質問させてください」という意味になります。this e-mail is to以下を変えることで、他のパターンに応用することができますよ。
3:Sorry for my late reply as I have been away on business.
この書き出しは、出張などでメールの返信が遅くなってしまった場合使うことができる表現です。日本語に訳しますと「出張していたため、返信が遅くなり申し訳ありません」という意味になります。
最後に
近年、リモートワークをされる方が以前よりも増え、今まで以上にメールにおけるコミュニケーションは重要となっています。
対面の場合は、表情や、声、話し方などから得られる情報でニュアンスは伝わりやすいです。しかし、ビジネスメールでは文字情報のみとなり、伝える側も読み取る側も気を遣うことが多々あるでしょう。それゆえに、相手の状況を気遣うこと・わかりやすく伝える工夫が必要となります。
ビジネスメールの書き出しは、今回紹介したようにある程度パターンが決まっているため、あまり難しく考えないでください。ビジネスメールのやりとりにおいては常に相手の立場に立って、心遣いや気遣いを忘れないよう心がけていきましょう。
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