「空虚感」の意味や読み方とは?
「空虚感」という言葉を耳にしたことはありませんか? 何をしてもやる気が出ない、ぼんやりしてしまう… そんな感情を抱いてしまうのは何故なのでしょうか? 今回は「空虚感」に注目して、その意味や言葉の使い方、「空虚感」の対処法などを紹介していきます。
意味と読み方
【空虚(くうきょ)】
(1)内部に何もないこと。また、そのさま。から。「―なる嚢袋(ふくろ)は直上に立つこと能わず」〈中村訳・西国立志編〉
(2)実質的な内容や価値がないこと。むなしいこと。また、そのさま。「―な論」「―な生活」
<「小学館 デジタル大辞泉」より>
「空虚感」は、<くうきょかん>と読み、「むなしい心持ちや、うつろな感じ」を意味する言葉です。「何もなく、むなしいさま」を指す「空虚」という言葉と、「感覚」を表す「感」の字が組み合わさっています。
「空虚感」は欲望や行動に影響を与えます。例えば、無気力状態が長く続いたり、1日中ぼんやり過ごしたり…。また、人と交流しても心が弾まず、周りの人々や物事に無関心になってしまいます。「空虚感」を抱き続けると、日常生活に支障をきたす危険もあります。
「空虚感」と「虚無感」との違い
「空虚感」と似ている、「虚無感」という言葉があります。「虚無感」は、「むなしく感じること、すべてのものに価値や意味を感じない感覚」という意味。両者はほぼ同じ意味で使われますが、「虚無感」には、「価値のある本質的なものがない」といったニュアンスがあり、意味を見出せない物事に使われる傾向があります。
使い⽅を例⽂でチェック
「空虚感」の使い方を、例文とともに確認していきましょう。
「夢に破れ、空虚感を抱く」
「空虚感を抱く」という言い回しを使った文になります。「空虚感」は、「感」に「感じる」という意味が含まれているので、「空虚感を感じる」という使い方は、二重表現で誤りだという考え方があります。文法上、正しいかそうでないかは意見が分かれますが、「空虚感」に続く動詞は、「空虚感がある」「空虚感を抱く」などになります。
「恋人と別れ、空虚感に苛まれている」
「苛まれる(さいなまれる)」とは、「苦しめられる」という意味です。つまり「虚無感に苛まれる」とは、「空虚感に苦しめられる」という状態を表しています。
「酒を飲んで空虚感を埋めようとする」
「空虚感を埋める」という表現は、「心に空いた穴を埋めるように、空虚感を解消する」という意味になります。「空虚」には「空っぽで何もない」という意味があるため、中身をいっぱいにするという比喩表現として、「埋める」という動詞が使われています。
「空虚感」の原因は?
人が「空虚感」を抱く原因は何なのでしょうか。様々な理由が考えられますが、その内の3つを紹介していきます。
大切なものを失うこと
大切なものを失うことは、「空虚感」を抱く原因の一つです。人や物だけではなく、生き甲斐や自信といった精神的な「大切なもの」が欠けてしまうと、心にぽっかりと穴が開いてしまいます。それまで大切にしてきた分、なくなってしまうと虚しさが増すのです。
強いストレスを感じていること
仕事や恋愛などで強いストレスを感じていることは、「空虚感」の大きな原因です。ストレスによって感情がうまく機能しなくなり、無気力になってしまいます。気持ちのコントロールが上手くいかずに自己嫌悪に陥ると、「何もかもが嫌だ、何もしたくない」という気持ちになりやすいのです。そのため、ストレスが「空虚感」を生み出してしまいます。
遠距離恋愛をしていること
遠距離恋愛が原因となり、「空虚感」に襲われるなんてことも。お互いのタイミングが悪く連絡が取り合えない日が続いたり、会えない日が長く続いてしまったりすると、徐々に、「何の為に付き合ってるんだっけ…」と頑張りに疑問を持つようになってしまいます。そのエネルギーが大きいほど、上手くいかなかったときの反動が大きく、「空虚感」を抱いてしまいます。
「空虚感」の対処法は?
では、「空虚感」に苦しんでいる時には、どんな対処をすれば良いのでしょうか? おすすめの対処法を3つ紹介します。
新しいことを始める
「空虚感」の原因が失恋などの恋愛問題や、家族との死別など取り戻せないものである場合、新しいことを始めることで「空虚感」から抜け出せることもあります。新しい趣味や運動で気持ちを切り替えれば、心が豊かになります。
夢中になれる趣味があればストレス解消になり、虚しさを埋めてくれます。生き甲斐や自信を失った時には、新しいことに挑戦していきましょう。
凝り固まった考えを捨てる
固まった考え方は、時にネガティブな感情を生じさせ、自分をさらに苦しめてしまうものです。「仕事には常にベストを尽くさないと…」「相手との関係が壊れるから頼みごとは断れない」など、マイナス方向に凝り固まった考え方は捨ててしまいましょう。こうした考え方がストレスの原因になり、「空虚感」を増大させてしまうからです。
なるべく、「~しない自分なんてダメだ」「~するなんて許されない」といった凝り固まった考えは捨て、物事や人のポジティブな面に注目していきましょう。柔軟な思考が、心の虚しさを解消してくれるはずです。
大きな声で笑ってみる
大きな声で笑ってみることも、シンプルながら「空虚感」を和らげてくれます。「空虚感」に悩んでいると、思いっきり笑うという機会も減っていきます。笑顔には、気持ちを前向きにする強いパワーがあると言われています。思いっきり笑えるような、バラエティー番組や映画などを見てみるのも良いかもしれません。「わはは」と笑って、虚しい気持ちを吹き飛ばしてしまいましょう。
「空虚感」に苛まれたら、自分に合ったケアで心身を健康に保って
今回は「空虚感」の意味や原因、その対処法などを紹介していきました。何事にも意欲を持ちづらく、苦しい状態である「空虚感」。こんな気持ちに苛まれると、心と身体どちらの健康も損なってしまいます。今回紹介した内容を参考に、原因を分析して自分に合ったケアをしてみてください。
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