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「お世話になっております」の意味や使える相手とは?
「お世話になっております」の意味、正しく説明できますか? 対面での打ち合わせや電話、Slack、メールなどで普段から当たり前のように使っている表現だからこそ、正しい意味を理解して使っていきたいですよね。
そこで「お世話になっております」の意味や注意点、例文・類語表現を改めて深掘りしていきましょう。
「お世話になっております」の意味や使える相手は誰なのでしょうか?
◆お世話になっておりますの意味
「お世話になっております」の「お世話」は、「面倒を見る」「関係を取り持つ」「希望に寄り添う」という意味があります。ビジネスシーンで頻繁に使用する「お世話になっております」という言葉は、「いつも(良好な)関係を取り持っていただき、ありがとうございます」という相手への感謝を伝える意味を持ちます。
何気なく挨拶代わりに使っていますが、相手に対して日頃の感謝や気持ちを表す言葉なので、意識して使うことで、より円滑な関係を保つことができるのかもしれません。
◆お世話になっておりますは敬語として正しい?
「お世話」は、漢字で表記すると「御世話」となり、「世話」の尊敬語、謙譲語。「お世話になる」は、尊敬語です。また、「おります」は「いる」の謙譲語に、丁寧な表現である「ます」が加えられた大変丁寧な表現であることが読み取れます。ですから、「いつもお世話になっております」という表現は丁寧な言い回しであるといえます。
◆お世話になっておりますを使える相手
基本的に、「お世話になっております」は社外に対して使う言葉のため、社内の人に対しては適していません。社内の人に対しては、丁寧すぎて逆に距離を感じてしまう表現になるため注意しましょう。
社内の人への電話やメールでは、「お疲れ様です」が一般的。また、社内ですれ違った際の挨拶の言葉として使われることもあります。
「お世話になっております」を使う時の注意点・初めての相手には使える?
「お世話になっております」を使う時の注意点はこの3つ。
◆会社間でのやりとりがあるかどうかで言い方を変える
担当者同士は初対面であっても会社としてすでに取引がある場合は、「お世話になります」という表現ができます。また、契約が結ばれ、これから取引が開始する場合も、「お世話になります」は問題なく使うことができます。実際に対面した場合に限らず、電話やメールなど、ほとんどのビジネスシーンで用いることのできる表現です。
◆やりとりの多さで言い方を変える
何度も「お世話になっております」と言葉が続くと言葉に感情が無く、機械的に感じてしまいますよね。そうならないためにも、シーンやその時の状況で表現を変えて、気持ちを伝えていきましょう。「ご無沙汰しております」は、面識はあるものの、久しぶりに連絡する場合に用いることができます。
また、連投での連絡の場合には「何度も申し訳ございません」が、返信してくれたことに関する感謝を伝える場合には「ご返信ありがとうございます」や「ご連絡ありがとうございます」などが使えます。覚えておくと便利ですよ!
◆「お世話様です」とは言わない
「お世話様です」は「ご苦労さまです」と同じ意味。元々この言葉の意味は、目上の人が目下の人に向かって労うための言葉です。社内の上司や社外の人に向かって言わないようにしましょう。
「お世話になっております」と「お世話になります」の違いは?
「お世話になっております」と似たような表現に、「お世話になります」という言葉があります。「お世話になっております」は面識のある相手に対して、日頃からの感謝を伝える言葉です。
一方、「お世話になります」は、まだ取引が始まっていない相手に対し、これからお世話になるだろうと予想される場合に使います。取引が始まる前には「(これから)お世話になります」、始まってからは「(いつも)お世話になっております」のように変化していきます。
「お世話になっております」の類語や言い換え表現
「お世話になっております」は形式的な挨拶。心がこもっていない機械的な表現になりがちです。次の例文のように、相手や状況により表現に変化を持たせましょう。
◆「いつもお世話になっております」
継続してお付き合いがある場合、「いつも」を頭に付け加えることで、常日頃から感謝の気持ちを持っているということを伝えることができます。継続して非常にお世話になっている場合は、「いつも大変お世話になっております」も使えます。
◆「平素より大変お世話になっております」
ビジネスシーンで、より丁寧にかしこまった表現として使えるのが、「平素より大変お世話になっております」です。メールの冒頭文として用いることができます。
◆「その節は大変お世話になりました」
過去お世話になった相手の場合、「その節は大変お世話になりました」ということができます。お世話になった過去のある事柄について、改めて感謝の気持ちを伝えるだけでなく、会話のきっかけにすることもできますよ。
最後に
挨拶は、対面・メール・文書を問わず、礼儀やコミュニケーションとして必須です。敬意や謝意を表す言葉でもあるため、ただの形式的な決まり文句になってしまうのは、残念ですよね。相手や状況に合わせて適切な表現で、気持ちが伝えられるようにしましょう。
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