大豆で健康に! 大豆タンパク質の栄養パワー
以前、タンパク質の話をしたときに意外にも多かったのが、「えーっ、タンパク質とプロテインって同じなんですか!?」というご意見でした。あと、最強のタンパク質食材の「ささみ」はぱさぱさしていて苦手、とか、飽きるという意見も多かった。
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今日は、「少し、意外かもしれない」タンパク質のお話をしようと思う。タンパク質といえばお肉とかお魚を想像しませんか? 大豆(すなわち、ソイ)の栄養素の中心が、タンパク質っていわれると意外に思いますか?
お肉やお魚が「動物性タンパク質」の代表で、大豆は「植物性タンパク質」の代表。もっと言えば、大豆は植物性タンパク質の王者。豆腐、納豆、豆乳、枝豆、きなこ、味噌、醤油などなどあらゆるものが大豆から作られています。日本人の食生活には昔から馴染みの深い物ばかり。この大豆は、いま、健康の観点からも大注目されています。
ヨーグルトと豆乳で比較するのがわかりやすいかもしれません。ヨーグルトは動物性タンパク質、豆乳は植物性タンパク質。ヨーグルトの上に透明の水分がよく析出しているのご存じですか? あれは、動物性タンパク質たっぷりの汁(ホエイプロテイン)です。大豆であれに相当するのが豆乳(ソイプロテイン)ということになります。
◆豆乳の健康効果
この豆乳の健康効果。中性脂肪を下げるとか、脂肪肝の改善効果など。脂肪肝ってご存じですか? 中性脂肪が肝臓に溜まった状態で、よく、「フランス料理の高級食材のフォアグラ」に例えられますね。「飽食の時代の比較的新しい肝臓病」の概念で、「非アルコール性脂肪性肝疾患」という病気があります。要は、お酒をほとんど飲まない人たちに見られる、脂肪肝のこと。
この「脂肪肝」は放っておくと、一部のヒトで、肝硬変へすすみ、さらには肝がんを合併するといわれています。この脂肪肝、無症状の間に改善させておくことが重要と考えられていて、脂肪肝の改善に「大豆製品の積極的な摂取」がすすめられているんです。
前回コーヒー記事で紹介した「ポリフェノール」の一種であるイソフラボンが、大豆には豊富というのも重要。ポリフェノールは大いに注目されている物質で、アンチエイジングを始め、女性の興味のある健康関連情報にはどこにでも出てくる「万能薬」的なイメージ。
最近の健康の話題の観点でいえば、ソイラテは最強の飲み物に思う。コーヒーと大豆由来のタンパク質の黄金コンビで、アンチエイジング、美肌、ダイエット効果などなど、ソイラテは健康関連では最強だと感じています。
今回のソイの話からそれますが、前回の「コーヒー記事」に関して色んなご質問を頂いたので少し紹介します。
◆コーヒーに関するQ& A
Q. カフェインレスコーヒーは効果ないですか?
A. 大丈夫です。カフェインレスコーヒーもコーヒーです。
Q. インスタントコーヒーは効果ないですか?
A. 大丈夫です。インスタントコーヒーもコーヒーです。
Q. アイスコーヒーは効果ないですか?
A. 大丈夫です。アイスコーヒーもコーヒーです。
Q. コーヒーの香りは効果ないですか?
A. 別の効果はあるかもしれません。
Q. コーヒーにアイスクリーム入れたらどうですか?
A. 大変に美味しくなります。
Q. 今後はコーヒーをがぶ飲みします。
A. はい、わかりました。
Q. コーヒーの黒い色がいいんですか?
A. その可能性はあります。コーヒーの専門家ですか?
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ