「感傷的」とはどんな意味?

長い人生、楽しいこともあれば、悲しいことや苦しいこと、たくさんのことを経験します。頑張りすぎて辛くなったり、不安になって泣いてしまったり、感傷的になってしまうこともあるでしょう。
そもそも「感傷的(かんしょうてき)」というのは、どのような意味なのでしょうか。
【感傷的(かんしょうてき)】
[形動]感情を動かされやすく、何かにつけて涙もろくなっているさま。センチメンタル。「―な歌詞」
<小学館「デジタル大辞泉」より>
悲哀の感情に揺さぶられ、何かにつけて涙もろくなる状態のこと。センチメンタルになることと同義です。
例えば、失恋をして寂しいときや、仕事で大きな失敗をしてしまって悲しいとき、ひとりぼっちで辛いときなどが「感傷的」な状態といえるでしょう。
「感傷的」というと、ネガティブな印象を受ける人も多いかもしれませんが、自分や他人の感情に敏感で、繊細な面があるとも言えます。
感傷的の正しい使い方は? 例文をご紹介

ここでは、知っているようで知らない「感傷的」の使い方を例文と一緒にご紹介します。
「あの曲を聴くと、決まって感傷的になる」
何かあったわけではないのに、決まった曲を聴くとなんだか寂しい気持ちになって泣いてしまう。一人になると、必ずあの曲が聴きたくなる。というのは、よくある感傷的なシチュエーション。そんな思い出の曲や、お気に入りの曲がある人も珍しくないかもしれません。
「感傷的になっていても、何も解決しないよ」
「傷つくことを言われた」、「友だちとケンカした」、「職場で怒られた」など、感傷的になってしまうような場面では、一度客観的に状況を見てみましょう。何事も落ち着いて考えることが大切。悲しんでいるだけでは、状況はよくなりません。自分の気持ちと向き合って、物事を前向きに捉え直してみましょう。
「昨日観た映画は、とても感傷的だった」
「感傷的」は、感傷的な気持ちにさせる物事の形容詞としても使うことができます。例文のように、悲しくて切ない気持ちになるような映画、また小説や音楽などを表現する際にも使われます。
感傷的の類語とは?

続いて、類語についても見ていきましょう。
「悲哀」
悲哀とは、悲しくあわれなこと。双方ともに悲しみに満ちあふれた状態を意味しますが、ややニュアンスが異なります。
「センチメンタル」
センチメンタルとは英語の「sentimental」をカタカナ語にしたもの。「感じやすく涙もろいさま」を意味します。精神的に弱く、感情に影響されやすい状態のことを指す言葉です。
「多感」
多感とは、「ちょっとしたことにも感情を動かされること」「感じやすいこと」「感じやすいさま」を指します。思春期の不安定な心情を表す言葉として、「多感な時期」などというように表現されます。悲しい感情だけではなく、色々な感情に簡単に左右されてしまう状態を意味しています。
感傷的な人の特徴と正しい対処法

なぜ人は感傷的になってしまうのでしょうか。感情だけが先走り、悲しみが爆発してしまう。日々の生活の中で、誰でも感傷的になってしまうときはあるものです。
そんなとき、どのように自分の感情をコントロールすればよいのでしょうか。急に涙を流して周囲を驚かせないためにも、対処法を知っておきましょう。
◆感傷的な人の特徴
感受性が強い
感受性が強い人は、自分に関係のない事でも悲しくなったり、寂しくなったりします。つまり、周りにいる人が悲しい気分であれば、自分も一緒に悲しい気持ちになってしまうのです。周りの人や環境に対して、とても敏感で影響を受けやすいのが特徴です。
論理的に物事を考えるのが苦手
感傷的になりやすい人は頭で考えるよりも、「かわいそう」、「そんなの許せない」など、まず感情を優先してしまう傾向があります。そのため人と会話をするときも、つい感情的になってムキになってしまうことも少なくありません。
過去をよく振り返る
「あの頃に戻りたい」という戻りたくても戻れない虚しさや、「あのとき、もっと頑張っていればよかった」という後悔で感傷的になってしまう人も多いです。
もちろん、誰でも過去を思い出して悲しくなったり、寂しくなったりすることはありますが、感傷的な人は頻繁に過去の自分と今の自分を比較してしまいがちです。
◆感傷的になったときの対処法

感傷的になったときは、一度深呼吸してみましょう。まずは、感傷的になっている自分を落ち着かせることが重要です。「悲しい」「辛い」「苦しい」などのネガティブな気持ちよりも、なぜそのような状況や気持ちになったのかを考えてみてください。
落ち着いて自分の感情と向き合い、気持ちを整理することで、前向きになれるはずです。また、気持ちを切り替えて、運動をしたり、ショッピングに出掛けたり、友だちと話すのも効果的です。
感傷的な気持ちを抱えたまま一人で鬱々としていると、さらに悲しい気持ちになったり、辛くなったり、悪循環を生んでしまうこともあります。辛いときこそ「笑顔」を忘れずに、ピンチをチャンスに変えられる強さを身につけましょう。
最後に
「感傷的」の正しい意味や使い方、また、感傷的な人の特徴、感傷的になったときの対処法についてもご紹介しました。
忙しい日々を過ごしていると、リラックスする時間が持てず、心に余裕がなくなりがちです。そんなとき、人は感傷的になりやすく、不安を感じたり、泣きたくなったりすることもあります。
日頃から、自分の気持ちと向き合い、心のケアをしてあげましょう。今日1日を振り返り、気持ちの整理をすることも大切なセルフケアのひとつです。どんな状況でも自分の感情をコントロールできるように普段から意識しましょう。
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