女性のプライドを傷つける言葉
まずは女性のプライドを傷つける言葉の性質について、チェックしていきましょう。言葉を発した本人に強い悪気がなかったとしても、言われた女性は深く傷つき何年にもわたってその言葉が頭に残ることもあります。
♦︎能力や努力を軽視する発言
努力して成し遂げた成果やスキルを軽んじたり侮ったりするような言葉を向けられれば、深く傷つきます。言われた側は自尊心や自己肯定感を大きく損ねる可能性もあり、繰り返し聞かされると無力感が増していく原因にもなりかねません。
たとえばどんな言葉?
「それって大したことないよね」
「あなたなら、これくらい簡単だったんでしょ?」
「本当に自分でやり遂げたの? 誰かに助けてもらったんじゃなくて?」
♦︎外見に対する否定的なコメント
外見について否定的な発言をされると、自分自身のアイデンティティや魅力を否定されたように感じ、自分を丸ごと否定されたような気持ちになる場合もあります。言葉を発した本人が冗談のつもりでも、言われた側には深い傷となって残るケースも少なくありません。
たとえばどんな言葉?
「最近太った?」
「その髪型、似合ってないよ」
「老けたね、どうしたの?」
♦︎感情を否定する言葉
感情を伝えたときに、それを否定する言葉を向けられると尊厳が傷つき心を閉ざしてしまうきっかけにも。自分の気持ちや考えが否定されたと感じて、他者から理解されない孤独感を抱くことによりプライドが傷つけられます。
たとえばどんな言葉?
「こんなことで泣くなんておかしい」
「女の人ってすぐにヒステリーになるよね」
「気分屋だね、困るよ」
♦︎性別を理由にした固定観念的な発言
性別に基づいた偏見や固定観念を含む言葉は、女性の行動を制限する場合があります。言われた側は自分の可能性や個性を否定する言葉としても受け止めやすいことから、深く傷つきます。
たとえばどんな言葉?
「女性はリーダーに向いてない」
「仕事なんてやめて、女性は家庭に収まるのが一番いいんだよ」
「女なんだから家事は得意でしょう?」
♦︎他人と比較をする言葉
他人と比較されることを通じて、自信を奪われてしまうと同時にプライドが深く傷つく女性も少なくありません。発した本人に深い意味はなくても、言われた側は自分の価値が低いと感じたり、不十分な部分を強調されたりしたように感じがちです。
たとえばどんな言葉?
「君よりも、○○さんの方が優秀だよね」
「あの人のほうが頑張っているんじゃない?」
「○○さんはそんなことは言わないよ」
女性のプライドを傷つける態度
言葉ではなく、他者の態度によっても女性のプライドが傷つけられることがあります。
♦︎侮辱や軽視をする態度
意図的ではなかったにしても、軽視しているように受け取られる言葉や態度によってプライドが傷つく女性も多いでしょう。
軽視をしているだけでなくさらに侮辱的なニュアンスを含む態度が加わると、女性の自己肯定感を奪う態度にもつながりがちです。
たとえばどんな態度?
・存在を軽視して、その場にいる女性に対して「あ、君もいたんだ?」などと発言する。
・女性が多い会場で「女性にはどうせ分からないと思うけど説明します」などと言う。
・会話中にずっとスマホをいじり、目の前の女性の顔を見ない。
♦︎意見を無視する態度
会話や議論のなかで明らかに女性の意見を聞かない態度は、女性にとっては非常に傷つくものです。
自分の考えや存在がその場で価値のないものとして扱われていると感じるほか「私は認められていない」と思う原因にもなりえます。
たとえばどんな態度?
・女性の話を遮って、自分の意見を押し通す。
・女性の発言に対して「それは重要じゃない」と一蹴する。
・女性が提案したアイデアは流すように扱うが、他の人(特に男性)が同じことを言うと肯定する。
♦︎過度な干渉やコントロールをする態度
女性の行動や選択を過剰にコントロールしようとする態度をとることは、女性の自由を否定し自尊心を損ねる原因にもなりかねません。
女性自身が主体性を否定されたように感じ自分の選択や価値観が軽視されているように思えば、自尊心を失いプライドも傷つきます。
たとえばどんな態度?
・キャリアやライフスタイルについて「それは女性には合わない」と性別を理由に制限を加える。
・「信用できないから」を理由に、行動を逐一確認しようとする。
♦︎冷たい態度や無関心
どんなに親しい関係性であっても、冷たく無関心な態度をとることは女性のプライドを大きく傷つける行為です。関心を向けられないということは、自分の存在が大切にされていないと感じる女性も少なくありません。
たとえばどんな態度?
・女性が話しかけても適当に返事をするだけで、目も合わせない。
・女性が相談したときに「勝手にすれば?」などと投げやりに答える。
♦︎上下関係を押し付ける態度
女性に対して、あからさまに「自分のほうが上だ」という態度をとることも、女性のプライドを傷つけます。本来は対等であるべき関係性なのに、性別を理由に対等な関係が築かれていないと感じると、女性の自己肯定感が低下して自信を失う原因にもなります。
たとえばどんな態度?
・会話中に女性の意見を小馬鹿にしたように笑ったり上から目線で相づちを打ったりする。
・女性が手伝おうとしたときに「これは男の方が得意だから、君は手を出さなくていい」などと言う。
・女性の行動や言動を細かく指摘して、指導をする。
♦︎不誠実な態度
嘘をつく、約束を守らないといった不誠実な態度は、女性に対する尊重の欠如として受け取られます。恋人関係にある間柄だけでなく友人関係や職場の人間関係でも同様で、不誠実な態度のせいで信頼関係が壊れ、女性は「私はあの人から大切にされていない」と感じがちです。
たとえばどんな態度?
・約束を何度も破る。
・過度な隠し事をする。
・自分の非を認めずに責任を女性に押し付けようとする。
自分が尊重されていないと感じるとプライドは傷つく
言葉にしても態度にしても「相手から、自分は尊重されていない」と感じると、女性のプライドは傷つきます。
つまり女性のプライドを傷つける要因は、目の前の女性に対する配慮や尊重を欠いた行動から生まれることも多い傾向にあります。
一方、男性からの言葉だけでなく同性の言葉によってプライドが傷つくケースも珍しくなく、マウントが激しくなった挙句に女性同士でプライドを傷つけ合う会話が繰り広げられる場合も…。
態度や言葉には、発した本人が思っている以上に力を持っている場合もあります。どんな場面においても自分の言動が相手に対してどのような影響を与えるかを考え、相手への思いやりを持つ心がけを忘れずにいたいものです。
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並木まき
ライター・時短美容家、メンタルヘルスカウンセラー。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。