「オシャンティー」って何…?
オシャンティーの意味は?
「オシャンティー」という言葉を聞いたことがありますか? 主に東京の若者の間で使われ始めた言葉なので、聞いたことがない人や、テレビなどで聞いたことがあるけれど、意味自体はよく分からないという人が多いと思います。
「オシャンティー」とは「オシャレ」や「格好いい」、「オシャレな人」という意味を持つ若者由来の言葉。「オシャレ」という言葉からわかるように、主にファッションや若者向けの場所、物の話をする際に用いられることが多いです。
オシャンティーの語源について
それでは「オシャンティー」という言葉はいつ、どこから使われるようになったのでしょうか? 元々若者言葉には「〇〇ティー」とつく言葉のバリエーションがいくつかあります。
この「〇〇ティー」の語源は英語の形容詞「ビューティー(beauty)」や「セレブリティ(celebrity)」などに使われる「〇〇y」と、英語で「エンプロイー(employee)」など人を指すときに使われる「〇〇ee」の2つから来ていると言われています。
「オシャンティー」の場合は、「オシャレな」という形容詞を表すため「〇〇y」を表す「〇〇ティー」が用いられます。この「〇〇y」に「オシャレ」という言葉が組み合わさった「オシャレンティー」をより発音しやすく、若者がオシャレに感じる言い回しとして「オシャンティー」という言葉が生まれました。
この「オシャンティー」がいつ頃、誰が使いだしたのかははっきりとわかっていませんが、2011年の女子中高生ケータイ流行語大賞に「あげぽよ」や「てへぺろ」と共にランクインしていることから、この頃にはすでに流行していたころがわかります。
「オシャンティー」は、元AKB48の指原莉乃さんが自身のブログで使い始めたことをきっかけに流行したと言われています。同様に、この頃女子中高生に人気の高かった女性歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんがこの「オシャンティー」を使っていることもあり、よりこの言葉が当時の若者の間で浸透しました。
また「オシャンティー」など、この時期に造られた若者言葉は「ゆとり語」と呼ばれています。同様にバブル時代に生まれた言葉は「バブル語」など、若者言葉でもどの時期に造られたのかわかるように仕訳けられています。
「ゆとり語」は「ゆとり教育世代の若者が使う独特な言い回しや言葉」から来ており、「オシャンティー」などの造語以外にも、「ぅち」や「ぁたし」など言葉の一部を小文字に変換したものや、「ゆーて」などのように耳で聞いたまま表記したものがあります。
オシャンティーの正しい使い方・例文2つ
1:「このモデルが一番オシャンティーだと思うな」
人に対して「オシャレ」だと伝えたいときに「オシャンティー」を用います。また同時に「オシャレな人」という意味でも用いることができます。
2:「カフェで頼んだケーキ、すごいオシャンティーだったね」
人以外にも店や物などに対して「オシャレだね」と言いたいときにも用いることができます。この場合は対象がケーキになるため、「オシャレな食事」であることを指します。
またオシャンティーの前に「すごい」をつけることにより、よりそのケーキがオシャレであることを強調することができます。
オシャンティーの類義語はどのようなものがある?
意味や使われ方が似ている若者言葉を4つご紹介します。
オッシャー
「オシャンティー」と同じく「オシャレな」という意味です。驚きながら「オシャレ」だと伝えるときの「オッシャレー!」が略されて「オッシャー」という言葉になりました。
「オシャンティー」が主に東京の若者の間で流行しているのに対し、「オッシャー」は地方(東京近郊以外)の若者の間でよく使われている言葉であり、東京の若者からは「ださい」などと思われがちですので使用する際は注意しましょう。
シャレオツ
「オシャレ」の業界用語として用いられます。業界用語は六本木を意味する「ギロッポン」や寿司を意味する「シースー」のように言葉の順序を入れ替えるものが多く、「シャレオツ」も同様の成り立ちを持ちます。
言葉の順序を入れ替えた言葉は業界用語と言われてきましたが、今では業界人に留まらず一般の人でも使っている人が多いため、綿密には業界でのみ使われる言葉ではありません。
オサレ
こちらも「オシャンティー」と同じく「オシャレ」という意味を持ちます。しかしながら、この「オサレ」は「オシャンティー」や他の類義語と少々異なった意味も持ち合わせています。
「オサレ」は「オシャレ」という意味だけでなく、「オシャレ」と「ださい」を組み合わせた言葉としても用います。意味が相反しているように見えますが、「(他の人と)オシャレに思う要素が異なっているため、他から見るとダサい」という意味として用いられます。
こうした意味合いから自虐や遠回しな否定をする際に用いられることが多いです。そのため、「オサレ」を多用すると相手は「自分はダサいのだろうか」と傷ついてしまう可能性があり、あまりオススメできる言葉ではありません。
<番外編>メンディー
こちらは「オシャンティー」のように「〇〇ティー」をつけて造られた若者言葉の1つです。語源は女子中高生に人気のあるEXILEのメンバーである関口メンディーさんから来ています。
「面倒くさい」を言い換えた「めんどい」に若者言葉の「〇〇y」が組み合わさったところ、言葉が近く、人気もある彼の名前が用いられるようになりました。
今ではこの「ゴメンディー(ごめん+メンディー)」や「ダメンディー(ダメ+メンディー)」といったような「メンディー」という言葉をもじった「メンディー語」と呼ばれる新しい若者言葉も広がりつつあります。
最後に
「オシャンティー」について理解できましたか? オシャンティーは若者言葉の中でも元の言葉が想像しやすいので、わかりやすかったのではないでしょうか。
2011年頃にはかなり流行をしていた「オシャンティー」ですが、現在ではあまり使われなくなってきたので、むやみに多用をするのは控えておきましょう。まだ「オシャンティー」に代わる言葉は出てきていないので、定期的に新しい言葉ができているかチェックする必要がありますね。
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