【目次】
・【生理が来ない】腹痛やオリモノだけがあるときはどうしたらいい?
・【生理が来ない】1か月ない…! 病院に行くべき?
・【生理が来ない】婦人科に行くのは怖い…。でも行くなら準備しておいた方がいいことは?
・40代はオリモノが増える世代
・婦人科検診はすべての世代にとって重要!
・生理はずっと続くもの。婦人科の通院は途中でやめないで
【生理が来ない】腹痛やオリモノだけがあるときはどうしたらいい?
子宮は25〜38日を1サイクルとし、そのサイクルの中の中で、月経期(生理期間)、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの周期を繰り返しています。この周期にはエストロゲンとプロゲストロンという2つのホルモンが大きく影響しています。
月経期の生理が終わると、卵巣の中の卵子の元が育ち、そこからエストロゲンが多く分泌されて、子宮の内膜が厚くなり妊娠の準備を始めます。そして十分に育った卵子が排出されます。
これが排卵です。
排卵するとプロゲストロンが多く分泌され、黄体期に入ります。すると子宮内膜はもっと厚くなり、妊娠の準備が整います。その後妊娠しないと、両方のホルモンの分泌が少なくなります。そうすると子宮内膜が剥がれて、血とともに排出され、生理が始まります。
これが正しいサイクルなのですが、子宮内膜が育ち続けてしまい、生理が始まることができないという状態になることがあるのです。
子宮内膜が剥がれないので、腹痛のみがあり、出ても茶色いオリモノだけとなるのです。
【生理が来ない】1か月ない…! 病院に行くべき?
ホルモンバランスが崩れているだけなので、こうなっているときは病気の可能性はあまりありません。あるとすれば妊娠の可能性。ですが妊娠検査薬を使っても妊娠の反応がなく、この状態が生理予定日よりも2週間も長く続いているという場合は、診察を受けた方が良いです。
ホルモンの量は目には見えませんが、超音波検査を受ければ子宮内膜が厚くなっているので、その状態なのだとすぐわかります。
子宮の状態を見て、もうすぐ生理が来そうということがわかれば経過観察になりますし、ある程度年齢が上で、なかなか自力で生理が始められそうもなければ、薬でホルモンを足して生理を起こすこともできます。
ストレスや体調不良で一時的にこうなる場合もあるけれど、40代くらいになると自然に元どおりになるのが難しかったり、頻繁に起こるようになる場合もあるので、大人の女性は早めの受診が安心です。
【生理が来ない】婦人科に行くのは怖い…。でも行くなら準備しておいた方がいいことは?
病院に行くのはあまり気が進まないし、会社を休むのもできれば避けたい。けれど婦人科の病気は放っておいて良くなることは少ないので、具合が悪いと思ったら、きちんと受診しましょう。
婦人科に行く時に役に立つのは、健康診断で受けた婦人科検診の結果や基礎体温の記録です。実は、せっかく婦人科検診を受けたのに、自分がどんな検査をしたのか、わかっていない人も増えています。「子宮頸癌」の検査をしたのか、「超音波の検査」は受けたのかなど、検査の内容はきちんと把握しておきましょう。受診の時にとても役立ちます。
ちなみに20代〜40代、どの年代でも子宮頸がんと超音波検査はしておくと安心な検査です。
また最終生理日を覚えていない人も意外に多いので、毎回きちんと記録をつける習慣を。また不正出血や痛みがあった時、風邪をひいていた時もメモしておくと、不調の原因がより早く見つけられることが多いです。
40代はオリモノが増える世代
オリモノは、ストレスだけでなく年齢的な変化も関係しています。40代になると、特に病気ではなくても、茶色いオリモノが出る場合があります。
また子宮体がんは50代に多い病気ですが、40代で生理時以外に茶色いオリモノが長く続く、不正出血があるという人は、子宮体がんの検査もしておくことをおすすめします。
子宮体がんの検査は子宮内の組織をとるので、ちょっと痛い検査です。なので、健康診断で必須項目ではありません。それよりも、超音波の検査であれば子宮内膜の状態や卵巣の状態がわかるので、オプションで受けられる場合には、ぜひ超音波検査を受けてください。
婦人科検診はすべての世代にとって重要!
若いから病気をしないと決めつけずに、きちんと婦人科検診は受けましょう。妊娠して来院し、がん検査をしたら子宮頸癌が判明。まだ若くて、第一子を授かったところなのに、子宮を摘出しなければならない患者さんもいます。
子宮がんは、婦人科検診を受けていれば発見できる病気です。どの年代の人も、1年か2年に一度は子宮頸癌と超音波の検査は受けましょう。また健康診断で、恥ずかしいからと内診をパスする人もいますが「あのときに内診を受けていれば…」と後悔するのはとても悔しいこと。恥ずかしがらずに受けておきましょう。
生理はずっと続くもの。婦人科の通院は途中でやめないで
異常を感じで受診して、原因がわかり、治療を続けていると、まだ完治していないのに「そろそろいいかなあ」と自己判断で治療をやめてしまう人もいます。
例えば卵巣のがんは、自覚症状が出にくいだけでなく、もともと良性だったものを放置しておくことで悪性のものになることもある病気です。
子宮内膜症も放っておくとがんになることがあります。異常がある場合は、半年から4か月ごとの検査をお願いしていますが、何回か検査して大丈夫だとやめてしまう人がいるのです。そういう人に数年後にがんが見つかったというケースも。
卵巣は特に症状が出にくい臓器です。10センチ以上腫れていても痛みがなかったりする。生理痛がひどくて来院し、そこで卵巣の異常がわかって治療ができたという人もいます。
生理がこない、腹痛がある、オリモノが多いと言うような、いつもと違う症状がずっと続く場合は、自己判断せずにきちんと病院に行きましょう。
初出:しごとなでしこ
教えて下さったのは…三浦彩子先生
聖マリアンナ医科大学大学院卒業後、産婦人科専門医、婦人科腫瘍専門医取得。現在は聖マリアンナ医科大学病院と、「優ウィメンズクリニック」に勤務。わかりやすい説明と丁寧な診察で、不安になりがちな婦人科も安心して受診できるドクターです。優ウィメンズクリニックは、スタッフは全員女性、おしゃれなインテリアと最新設備が整った女性専用クリニック。しごとなでしこ世代の患者さんも数多く来院しています。