目次Contents
「ご紹介にあずかりました」の本来の意味とは?
「ご紹介にあずかりました」は、“ただいまご紹介をいただいた者でございます” という意味。
会社説明会での登壇時や、社外の会合や式典で紹介されたときなどに使われる定番のフレーズです。
ところで「ご紹介にあずかりました」を「ご紹介に預かりました」と漢字で書いているケースも見受けられますが、これは間違い。
正しい漢字表記は「ご紹介に与りました」です。
スマホやパソコンの変換時には特にうっかりしがちなので、気をつけておきたいですよね。
実は誤用が多い? アラサーにもありがちな4つの間違い

丁寧なつもりで、逆に不自然な印象になればコミュニケーションは失敗です。
「ご紹介にあずかりました」はフォーマルな言い回しだけに、使いどころを誤ると浮いてしまいます。
ありがちな4つの間違いを解説します。
♦︎間違い1:自己紹介での初手に使うのはNG
紹介されていないのに「はじめまして、ご紹介にあずかりました○○です」と言ってしまうのは、NG。
「ご紹介にあずかりました」は、“紹介をされた場面”でのみ使えるフレーズです。
紹介を受けてもいないのに言ってしまうと「誰に何を紹介されたの?」と不自然になってしまうので、ビジネスシーンでの誤用に注意しましょう。
♦︎間違い2:軽い挨拶メールの書き出しではアンバランス
ビジネスメールでも使われるフレーズではあるものの、内容が軽い挨拶メールの冒頭で使うと、重く格式ばりすぎた印象を与えてアンバランスです。
あくまでもフォーマルで格式ばった場面で使える言い回しと心得て。
♦︎間違い3:社内の人物から紹介を受けたときには用いない
紹介をしてくれた相手が社内の同僚などの“身内”にあたるときには、「ご紹介にあずかりました」は用いません。
「ご紹介にあずかりました」は紹介をしてくれた相手を立てるフレーズですので、身内に使うと不自然な印象を与えます。
♦︎間違い4:オンライン会議での“自己紹介代わり”も違和感が大きい
オンライン会議で自己紹介をする際に「ご紹介にあずかりました」では、ややトゥーマッチな印象に。
「○○さん、お願いします」と軽い紹介を受けたうえでの「ご紹介にあずかりました」であっても、場面の空気感と言葉の重みが噛み合いません。
このようなシーンでは、素直に「○○と申します」でOKでしょう。
【アラサー女性のやらかしエピソード】「ご紹介にあずかりました」の注意点は?

「ご紹介にあずかりました」にまつわる失敗エピソードをピック!
筆者が実際に見聞きした事例から、アラサー世代が気をつけておきたい体験談を紹介します。
♦︎失敗談:メールで使って先輩からやんわり指摘された
Aさんは、社内での挨拶で「ご紹介にあずかりました」を使って、直属の先輩から指摘を受けたそう。
そのシチュエーションとは?
「異動の挨拶メールで『ご紹介に預かりました、新任の○○です』と書いたんです。
丁寧なほうが好印象かなって思って、あえて格式のありそうな表現にしたんですよね。
ところがそのメールを見た先輩から『誰かから紹介を受けた場面じゃないし、不自然だよ。“異動してまいりました”くらいで十分よ」と指摘をされてしまいました。
後から、なんだか堅苦しい人みたいに思われたかもしれないとも思って、わざわざそんな表現を選ばなければよかったなって冷や汗をかきました」(33歳女性)
♦︎失敗談:使いどころをミスって浮いてしまった
Bさんは、取引先とのオンライン会議で空気感をおかしくしてしまった経験があるそう。
その場面とは?
「アイデア共有が目的のオンライン会議です。
私はメンバーになって初めての会議だったので、ちゃんと挨拶をしなくちゃ! と気合が入っていたのですが…。司会者から軽く紹介をされたあとに「ただいまご紹介にあずかりました〜」と自己紹介を始めたら、急に空気がシーンとしてしまって。
思い返せば、他のみなさんは『こんにちは〜』『おつかれ〜』みたいな感じでカジュアルに挨拶をしていたから、私だけが急に格式ある言葉を使って驚かせてしまったみたい。
丁寧に挨拶をするのも大事だけれど、場の温度感も大事だなって反省しました」(30歳女性)
【シーン別】アラサーが使えるスマートな言い換え方

「ご紹介にあずかりました」は便利なようで、使える場面は意外と狭い表現です。
日常的なシーンでは柔らかく自然な表現に言い換えたほうが、好印象を持たれやすいでしょう。
シーン別に適している言い方を紹介します。
♦︎初対面の自己紹介なら
初対面の自己紹介では、シンプルこそ万能な言い換えです。
「○○と申します」
「はじめまして、○○です」
このくらい無駄のないフレーズのほうが、普段のビジネスシーンでは好まれやすい傾向も。
♦︎社外のフォーマルな場なら
社外でのフォーマルシーンであれば、紹介を受けた場面に限って次の言い方もできます。
「ご紹介を賜りました」
ただし、この表現は「ご紹介にあずかりました」よりもさらに格式のある言い回しです。
使える? 使えない?「ご紹介にあずかりました」を用いる判断基準

相手との距離感や場面の雰囲気、関係性によっても「ご紹介にあずかりました」が与える印象は異なります。
使えるか使えないのか迷ったときに、判断基準にできるポイントを解説します。
♦︎ポイント1:相手との距離感と場の温度感
距離感を無視したフォーマルすぎる言い回しは、ときに人間関係に壁をつくります。
敬語は「丁寧であるほどいい」という類のものではないため、相手との距離感や場の温度感に応じて使い分けましょう。
紹介をしてくれた相手との関係がフォーマルで、かつ場面もフォーマルであれば「ご紹介にあずかりました」を使っても自然です。
逆に、社内のゆるい打ち合わせや気軽な自己紹介、ラフなミーティングなどでは用いるべきではありません。
♦︎ポイント2:本当に“紹介”されたのか
「ご紹介にあずかりました」は、“ただいま○○さんに紹介していただいた者です”という意味が前提ですので、紹介された事実がなければ用いることができません。
具体的に、“誰かに名前を呼ばれて紹介を受けたあとにしか使えない”極めて限定的なフレーズです。
紹介があって、なおかつ場面が格式を必要とするフォーマルシーンであれば用いても自然でしょう。
♦︎ポイント3:言葉の“格”
「ご紹介にあずかりました」は、言葉の格としてはかなりフォーマル寄り。
そのため、場面のフォーマル度に応じても判断が変わります。
式典や社外セミナーの登壇、クライアントが多数集まっていて格式を重んじる会合やスピーチが必要なシーンであれば、言葉の“格”ともバランスが取れます。
一方で社外の人がいても少人数の雑談的な会合や、硬い雰囲気ではあるけれど社内メンバーだけが集まっている場であれば、別の表現を用いたほうが適切です。
「ご紹介にあずかりました」は無理に使わないのが正解
「ご紹介に預かりました」はフォーマルで格式ある表現。でも、アラサー世代の日常会話では“無理に使わないほうが自然”なケースのほうが多いものです。
どんな言葉なのかを理解したうえで、シーンごとに言い分けられると◎。
柔らかく丁寧で感じのいい雰囲気になるよう、TPOをふまえて上手に使っていきましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



