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自分勝手な人ってどんなタイプ?

まずは、自分勝手な人にありがちな傾向をタイプ別にチェック。
あなたの身近に、こんな人はいますか?
♦︎自分の都合を最優先する
他人の予定や気持ちを考えず、常に「自分の都合が一番大事」という態度をとります。
約束の時間を守らない、突然のドタキャンをするなども典型例です。
♦︎感謝や謝罪の言葉が少ない or ない
「ありがとう」や「ごめんなさい」がなかなか言えず、いつも自分の行動を正当化。
相手への配慮を、異常なほど軽視する傾向があります。
♦︎要求は多いのに、協力はしない
自分のお願いは強く主張する一方で、相手からの頼みごとは避けがちです。
人間関係におけるバランスが崩れているために、無用なトラブルも増えやすい傾向です。
♦︎共感力が低い
相手の気持ちや立場を想像するのが苦手。
その影響で周囲からは「冷たい人」や「思いやりがない人」と評価を受けがちです。
なぜ「自分勝手」に振る舞ってしまうの? 理由とは

自分勝手な行動をとる人の典型的な心理的背景を解説します。
♦︎そもそも価値観が自己中心的
そもそもの価値観として「自分が満たされることが最優先」という考えを持っている人が多く、本人に悪気がなくても、周囲から見ると自己中心的な行動が目立ちます。
本人は無意識だからこそ、自分の言動が問題視されているという自覚症状がありません。
♦︎承認欲求が強め
自分が注目を集めたい、評価をされたいという欲求が強いと、周りを犠牲にしてでも自分を優先する行動につながっていきます。
承認欲求を満たすためなら、他人の気持ちは後回しになってしまうのです。
♦︎幼少期の影響を受けている
わがままを許されて育っていたり、逆に欲求がまったくない満たされないまま大人になっていたりすると、社会人になってからも“自分を優先する行動”のパターンを持ちやすい傾向にあります。
本人は深く考えていない場合も少なくないために、性格を改善するきっかけを掴みにくいのも特徴です。
【上手な付き合い方】「自分勝手な人」との社交術〜傾向と対策〜

ここまでに見てきた自分勝手な人の特徴や心理的背景を理解できると、職場で生じやすい悩みへの解決策も導きやすくなります。
よくあるお悩みについて、メンタル心理カウンセラーの立場から解決策を提案します。
♦︎悩み:ひとりのせいでチームワークが乱れます!
実際に、筆者が受ける相談のありがちパターンをピックアップしてみましょう。
以下はいずれも、自分勝手な人と仕事を進めるうえでチームワークが乱れる点を問題視している事例です。
「周りと協力をせず自分の仕事だけを優先するので、プロジェクト全体の進行に支障が出て困っている」
「自己中さんの問題点について他メンバーがフォローに回るから、不満や疲弊感が溜まって雰囲気が悪くなる。業務効率も下がります」
チームワークが乱れないための解決策は?
個々の責任の範囲を、あらかじめ明確にしてしまいましょう。「ここまでは、この人の責任ですよ」と役割分担を明確にすると、自分勝手な行動を抑制する効果が見込めます。
また、チーム全体の目標を共有しておくことも大切。「個人」ではなく「チームの成果」に注目して業務を進める環境を整えましょう。
♦︎悩み:問題が起きると責任転嫁をされて不愉快です!
自分勝手な人は、責任を逃れるために周囲に責任を押し付けてしまうケースも見受けられます。
筆者が相談を受けた事例では、次のケースがありました。
「納期遅れになりそうになると『〇〇さんのせいだ』と、おとなしい同僚を名指しして文句を言う同僚がいて、不愉快です。本人が言い返せない性格なのを知っていて、責任をなすりつけているように見えます」
「お客様からクレームが入りそうになると『自分はちゃんと事前に言いました』などと言い訳をし始める同僚にウンザリ。お客様に寄り添うのではなく対立する姿勢だから、いつもトラブルが大きくなるだけ」
責任転嫁をする同僚への対策は?
失敗や問題が起きると人のせいにして自分は関与しない態度をとる人には、責任の所在や業務の範囲をあらかじめ明確にして、あいまいなルール設定は避けましょう。臨機応変な対応が必要なお客様対応についても「対立姿勢は絶対にとらないこと」と明文化しておくと◎。
また、必要に応じて議事録やビジネスチャットを活用し“本人が言ったこと”や“やったこと”を記録に残していきましょう。
♦︎悩み:周囲のモチベーションが下がるので困っています!
自分勝手な人が自由に振る舞ってしまうと、職場には不公平感が強まります。「なぜ自分だけが我慢しないといけないの?」と感じると、真面目に仕事をするのがバカバカしく感じられるきっかけにもなりえます。
頑張る人や真面目な人ほど消耗する空気感は、人材流出のリスクも高まるので危険です。
筆者が過去に相談を受けた事例では、次のような悩みがありました。
「自己中な部下がひとりいて、他の部下もその人に引っ張られてだらしなくなってきている。全体的に遅刻も増えていて、私がひとりでキリキリと指導をしているけれど空回りしている雰囲気でツライ」
「自己中なのに上司に取り入るのが上手い同僚が、私より先に出世した。努力をしても報われない職場だと感じるので仕事へのやる気が出ない」
周りのモチベーションを下げる人への対処法は?
自分勝手な人の言動は目立つのでつい目を向けてしまいがちですが、本来は地道に頑張っている人の努力に注目することのほうが大切。自己中心的な人のことは必要以上に意識しない空気を、みんなで作っていきましょう。
そのうえで並行して公平な評価制度を導入し、努力が報われる環境を整えると◎。人事など別の組織を巻き込むほどの大がかりな改革ではなく、部署やグループ単位での評価制度でも自己中心的な行動を控えてもらえる効果が見込めます。
自己中心的な人を変えるのは難しい
自己中心的な人が身近にいたとしても、相手に変わってもらうのは難しいこと。つまり自分勝手な人は、基本的には自分勝手な人のままです。
一方で、チームワークの乱れや責任転嫁の問題、モチベーションの低下などの悪影響が出ているときには、見て見ぬ振りをするのではなく仕組みづくりを見直していきましょう。
“個人を変える”のを目的とするのではなく、自分勝手な人がいても業務が円滑に進む環境を整えることが現実的な解決策です◎。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。