目次Contents
「人生行路」という言葉には、どこか詩的で、ゆったりとした余韻があるように感じられます。語感の美しさから、文学や音楽にも取り上げられてきました。ただ、意味を深く理解しているかというと、あいまいなままの人も多いでしょう。
この記事では、「人生行路」の基本から実際の使い方、文化的背景まで、ひもといていきます。
「人生行路」とは? 意味を知って言葉を味方に
「人生行路」という表現は、人生の浮き沈みや分かれ道をしみじみと表現する場面でも使われています。まずは、読み方と意味から見ていきましょう。
「人生行路」の読み方と意味
「人生行路」は「じんせいこうろ」と読みます。辞書には以下のように説明されています。
じんせい‐こうろ〔‐カウロ〕【人生行路】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
人がこの世に生きていく道程。人生を前途の予測のできない旅にたとえていう語。「―難(かた)し」
「人生行路」とは、人間の一生を前途の予測できない旅にたとえた言葉です。

「人生行路難し」とは? 表現の背景を知る
人生という長い道のりには、思いがけない出来事や困難が伴うこともあるかもしれません。「人生行路難し」という表現には、そうした現実に向き合う姿勢が込められているかのようです。
「人生行路難し」の意味は?
「人生行路難し」の意味について、辞書では次のように説明されています。
人生(じんせい)行路(こうろ)難(かた)し
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「人生行路」は、人の一生》人の一生には、さまざまな艱難(かんなん)苦労があって、容易なものではない。
「人生行路難し」は、人生が単純なものではなく、幾度もの困難や迷いがつきまとうことを表していす。短い表現ながらも、人生の重みや深さを感じさせる言い回しです。
「人生行路難し」の使い方とは?
「人生行路難し」は、物語や詩、講話などで用いられることがあります。波乱の多い生涯を振り返るときや、うまく進まない現実に阻まれるときなど、自身の思いを静かに語る言葉として用いられるようです。
「人生行路」を使った例文を確認しよう
ここでは、「人生行路」が日常の中で無理なく馴染む一文を取り上げます。
人生行路をともに歩む人がいるだけで、心が強くなれる気がする。
「人生行路をともに歩む」は、人生の苦楽を共有するパートナーや仲間の存在を示します。支え合う関係の大切さが、さりげなく込められた表現です。

彼の講演は、波乱に満ちた人生行路を淡々と語るもので、とても心に残った。
人生の道のりを「波乱に満ちた人生行路」と描写することで、経験の豊かさと語り手の静かな語調とのコントラストが印象的に映る文です。
人生行路難しとは言うものの、歩みを止めなければ道は続いていくように思います。
「人生行路難し」という言葉に対して、前向きな気持ちを添えた表現です。困難はあるが希望を捨てず進もうとする姿勢がにじみます。
「人生行路」の英語表現は?
「人生行路」という表現を英語で表す場合、“the path of one’s life”がよく使われます。人生の道のりを「path(道)」になぞらえることで、時間の流れやその中にある選択、経験を穏やかに描くことができます。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「人生行路」が登場するエンターテインメントは?
「人生行路」という言葉は、日常で使われるだけでなく、文学や音楽などの創作の中にもたびたび登場します。「人生行路」が用いられている場面に目を向けると、その背後にある感情や物語がより立体的に感じられるようになりますよ。

『ふたりの人生行路』とは?
演歌の分野では、「人生行路」という表現が、人生の喜びや苦労、そして人とのつながりを描くうえで効果的に用いられることがあります。
島津亜矢さんの『ふたりの人生行路』では、ふたりの歩んできた道を静かに振り返るような歌詞が印象的で、人生の機微をしみじみと感じさせる仕上がりになっています。こうした作品に触れることで、「人生行路」という言葉が持つ余韻や深みが、より実感として伝わってくるのではないでしょうか。
最後に
「人生行路」という言葉を使う機会は多くないかもしれませんが、心のどこかで支えになるような響きがあります。文章や対話の中でふと使いたくなったときに、ふと思い出していただければ幸いです。
TOP画像/(c) Adobe Stock