「御御御付け」という漢字を見て、「御」の多さに驚かれた人も多いかもしれません。「御」が3つ重なるこの表現には、日本語特有の丁寧さや文化的背景が込められています。
この記事では、御御御付けの読み方や意味、成り立ちまで、日々の言葉に少し興味がわくような視点で紹介します。
「御御御付け」とは? 読み方と意味、成り立ちを解説
「御御御付け」は格式の高さを感じさせる言葉ですが、実際にはどのような意味があるのでしょうか? まずは読み方と意味から見ていきましょう。

御御御付けの読み方
「御御御付け」は、「おみおつけ」と読みます。難読漢字ではありますが、昔から使われてきた言葉のひとつです。
御御御付けの意味と成り立ち
「御御御付け」は、「御味御汁」、「御味御付」とも書きます。意味を辞書で確認しましょう。
おみ‐おつけ【▽御味▽御▽汁】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「おみ」は味噌の意の、「おつけ」は吸い物の汁の意の女性語》味噌汁をいう美化語。
「御御御付け」とは、味噌汁(みそしる)の丁寧語です。辞書では、「おみ」は味噌の丁寧語で、「おつけ」は汁物を意味する女性語と説明しており、これらをあわせた形が「おみおつけ」と説明されています。
御御御付けと味噌汁の違いは?
「御御御付け」は「味噌汁」の丁寧語ですが、この2つに違いはあるのでしょうか? ここでは2つの違いについて、整理してみます。

「丁寧な言い方」と「庶民の呼び方」
「御御御付け」は、もともと宮中で使われていた丁寧な表現です。一方で「味噌汁」は、江戸時代以降に広く庶民の間で使われるようになった呼び方。「味噌を溶かした汁」だから「味噌汁」になったといいます。
同じものを指してはいますが、表現の成り立ちに違いがあります。
御御御付けの使い方を例文で確認しよう
言葉としての意味や成り立ちを理解すると、実際にどう使えばいいか気になる人も多いのではないでしょうか? ここでは、「御御御付け」という言葉を使った例文を紹介します。

「御御御付けを温めておきました」
「御御御付け」という言葉を使うことで、どこか落ち着いた品のある雰囲気が感じられる言い回しとなっています。
「朝食には、必ず御御御付けをいただいています」
「味噌汁」ではなく、あえて「御御御付け」と呼ぶことで、日常の中にも丁寧さがにじみ出るようです。
最後に
「御御御付け」は、日常ではあまり耳にしない表現かもしれません。しかし、ふとした瞬間に思い出してみると、文化や日本語の美しさが感じられるのではないでしょうか。
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