親戚が集まる場面などで「うちの曾孫がね~」なんて、目を細めて話している光景に出くわしたことはありませんか? この「曾孫」という言葉は、世代を超えてつながる命を表した言葉です。
読み方や意味をしっかりおさえた上で、どういう立ち位置なのかを確認しましょう。この記事では、さらに下の世代の呼び名や、英語表現も解説します。
「曾孫」とは? 読み方と意味をおさえよう
まずは、読み方と意味を確認しましょう。
「曾孫」とは
「曾孫」は、「そうそん」もしくは「ひまご」と読みます。一般的には「ひまご」と言うことが多いですが、「そうそん」の読み方は文章で使われることが多いでしょう。辞書には次のように記されていますよ。
ひ‐まご【▽曽孫】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
孫の子。ひいまご。そうそん。
「曾孫」とは、自分の孫の子どもを指します。

漢字「曾」について
「曾孫」に使われている漢字「曾」について、詳しく見ていきましょう。
「曾」は「曽」の旧字体
「曾」は、「曽」の旧字体です。どちらも意味は共通しており、「かつて」や「世代が重なること」を表す意味を持っています。
辞書では次のように記されています。
そう【曽〔曾〕】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[常用漢字] [音]ソウ(漢) ゾ(呉) [訓]かつて すなわち
一〈ソウ〉
1 かつて。以前に。「曽遊」
2 世代が重なること。「曽孫(そうそん)・曽祖父(そうそふ)・曽祖母(そうそぼ)」
二〈ゾ〉かつて。以前に。「未曽有(みぞう)」
[名のり]なり・ます
[難読]曽祖父(ひいじじ)・曽祖母(ひいばば)・曽孫(ひまご)
「ひ」と読むときの使い方
「曽」は、接頭語として「ひいおじいさん」や「ひまご」のように、「ひ」と読まれることがあります。この「ひ」は、血縁関係で“さらに1代前・後”を示すときに使われます。
辞書の記述は次の通りです。
ひ【▽曽】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[接頭]血縁関係を示す語に付いて、それよりさらに1代離れた関係にある意を表す。ひい。「―じじ」「―まご」
「曾孫」の次は? 「玄孫」との違い
曾孫よりもさらに下の世代についても知っておくと、家系図を見たときに迷わず理解できるようになります。呼び方をしっかり押さえておきましょう。

「曾孫」の次にあたるのは?
「曾孫」の次にあたるのは「玄孫」です。読み方は「げんそん」または「やしゃご」。曾孫の子どものことを指します。
辞書では次のように記されていますよ。
やしゃ‐ご【玄=孫】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「やしわご」の音変化》孫の孫。ひまごの子。げんそん。
「曾孫」と「玄孫」の違い
「曾孫」と「玄孫」の関係について、あらためて整理してみましょう。
曾孫(ひまご):孫の子ども
玄孫(やしゃご):曾孫の子ども
言葉のみでの説明だと少しややこしく感じるかもしれませんが、関係性をたどるとイメージしやすくなります。あなたを基準にすると…
あなた
↓
子ども
↓
孫
↓
曾孫(ひまご)
↓
玄孫(やしゃご)
このような順番になります。
「曾孫」の英語表現
「曾孫」は、英語でどのように表現するのでしょうか? 確認しましょう。

a great-grandchild
英語で「孫」は“a grandchild” と言いますが、「曾孫」は“a great-grandchild” です。この “great-” は、孫より一世代下を示し、玄孫はさらにもう一つ増えるので、“a great-great-grandchild” となります。
孫:a grandchild
曾孫:a great-grandchild
玄孫:a great-great-grandchild
このように、“great-”の数を増やすことで、世代の深さを表現します。
例えば家族の話をするときに、相手が“My great-grandchild is so cute!” と言えば、「私の曾孫はとてもかわいいです。」という意味になりますよ。
“a great-grandson” 、“a great-granddaughter”
英語で「孫」を、“a grandchild” と表現することは、先に解説しました。性別を示す場合は、男の孫であれば“a grandson” 、女の孫であれば“a granddaughter” となります。
同じく、男の曾孫であれば“a great-grandson” 、女の曾孫であれば“a great-granddaughter” と表現します。
参考:『ビジネス技術実用英語』、『プログレッシブ和英』(小学館)
最後に
「曾孫」という言葉には、家族のつながりや時間の流れがぎゅっと詰まっているようです。普段あまり使わない言葉かもしれませんが、慶弔の挨拶や家系図など、ふとした場面で出会うこともあるかもしれません。
この記事をきっかけに、世代を超えた家族の関係や呼び名に少しでも親しみを持っていただけたらうれしいです。
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