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2025.04.16

卓袱(しっぽく)とは中国風のテーブルのこと|意味や関連語をわかりやすく解説

卓袱(しっぽく)とは中国風の4脚のテーブルです。元々はテーブルクロスを意味しましたが、そこから転じて高さ1メートルほどのテーブルを指すことが多くなりました。また、卓袱料理は長崎の郷土料理です。楽しみ方も紹介するので、ぜひ長崎に訪れたときは食べてみてください。

卓袱とは?

卓袱は「しっぽく」と読みます。「卓(たく)」はテーブルや机、「袱(ふく)」は物を包む布を意味する漢字のため、卓袱は本来テーブルを包む布、つまりテーブルクロスを指す言葉です。

しかし現代の日本においては、おもに次の3つを指すことが一般的といえるでしょう。

  • 中国風のテーブル
  • うどんやそばの料理名
  • 長崎の郷土料理

それぞれの意味について解説します。

意味1. 中国風のテーブル

卓袱は、中国風のテーブルを意味することがあります。中華料理店に置かれているような高さが1メートル程度で4脚、朱塗り、周囲に紅白の紗綾をかけたものを指すことがほとんどです。

意味2. うどんやそばの料理名

卓袱は、関西や信州ではうどんやそばの料理名を指すことも。おもにキノコや野菜、かまぼこなどを入れて煮込んだものを指し、「しっぽく」ではなく「しっぽくうどん」や「しっぽこ」と呼ばれることもあります。

意味3. 長崎の郷土料理

鎖国政策を実施していた江戸時代において、長崎は海外諸国とのつながりがある街として知られていました。オランダ人とは出島で、中国とは長崎郊外の唐人屋敷で貿易を行ったといわれています。

中国は新教国のオランダやキリスト教と関係がないため、中国の文化だけでなく食も、長崎に多く根付いたようです。テーブルと椅子を使って食事をするスタイルは卓袱料理と呼ばれ、室内も中国風に飾り付けて、異国情緒を楽しんだのだとか。

また、当時は銘々膳で食べるスタイルが一般的でしたが、卓袱では大皿を囲み、それぞれが小皿で取り分けて食べます。取り分ける楽しみがあるだけでなく、各自が料理を選べる、量を調整できるといった点も珍しく感じたのかもしれません。

しっ‐ぽく
1 《卓の覆いの意》中国風の食卓。4脚で高さ1メートル弱。多くは朱塗りで周囲に紅白の紗綾 (さや) を垂れる。しっぽく台。
2 関西や信州で、そば・うどんにキノコ・かまぼこ・野菜などを入れて煮る料理。しっぽくうどん。しっぽこ。
3 「卓袱料理」の略。

引用:デジタル大辞泉(小学館)

しっぽく‐りょうり
中国料理に日本料理の手法を加えた長崎特有の料理。大きな器に料理を盛って食卓の中央に置く。

引用:デジタル大辞泉(小学館)

卓袱を使った言葉

卓袱(しっぽく)を使った言葉は、そう多くはありません。よく使われる言葉としては、卓袱台(しっぽくだい、ちゃぶだい)と卓袱料理(しっぽくりょうり)の2つが挙げられます。

ちゃぶ台
(c)Adobe Stock

卓袱台(しっぽくだい、ちゃぶだい)

卓袱台と表記して「しっぽくだい」と発音するときは、卓袱と同じく、中国風の高さ1メートル程度の4脚の円卓を指します。「しっぽく」と発音すると料理名なのか郷土料理なのか混乱することもあるため、「台」をつけてテーブルであると明記します。

一方、卓袱台と表記して「ちゃぶだい」と発音するときは、脚が短く、椅子を使わないで使用するテーブルのことです。日本家具の一つで、4脚かつ円形という点は「しっぽくだい」と同じですが、椅子を使わない点や脚部を折りたためる点が異なります。

「ちゃぶだい」は、昭和初期は居間に置かれていることが多く、家族団らんの場として活用されました。地域によっては卓袱台ではなく「茶袱台」の当て字が用いられることもあります。

卓袱料理(しっぽくりょうり)

長崎の郷土料理「卓袱(しっぽく)」は、卓袱料理(しっぽくりょうり)とも呼ばれることがあります。日本料理と中国料理、オランダ料理などがミックスしているため、異国情緒がありつつも、どこか懐かしく食べやすい点が魅力です。

卓袱料理
(c)Adobe Stock

卓袱料理の由来

卓袱料理は、中国風の精進料理の一つ、普茶料理に影響を受けているのではと考えられています。普茶料理の配膳形式に、長崎の人々によってつくられた日本・中国・オランダの味付けや調理法の献立が盛り付けられたようです。

卓袱料理の楽しみ方

卓袱料理は円卓を囲んで食べるスタイルのため、参加者の顔がしっかり見えて楽しめる点が魅力といえるでしょう。誰もが同じ料理を分け合うことから、銘々膳で食べるより親睦を深めやすいともいえるかもしれません。

また、大皿に数人分の料理を盛り付けるため、人数が多少増減しても対応しやすい点も特徴です。

卓袱料理のメニュー

メニューは提供するお店などによって異なるケースもありますが、よく見られる料理を紹介します。

最初は「お鰭(ひれ)」と呼ばれる椀物が出されることが一般的のようです。鯛やはんぺん、しいたけ、野菜、餅といった海の幸・山の幸が入った料理で、昔はひれつきの鯛の身を入れ、一人に魚を一尾使ったというもてなしの意を表したとか。お酒を楽しむ場合は、乾杯するよりも先にお鰭をいただきます。

次に、小菜とされる小皿料理が提供されます。たとえば「ばら煮」や「十六寸豆」と呼ばれる煮豆は冷めても味が変わらないため、お酒のおつまみとして少しずつ味わうのもよいでしょう。

また、海と里、山の珍味の盛り合わせ、からすみやサザエ、砂糖をふんだんに使った卵料理なども。新鮮な鱧(はも)やあらなどの魚を使った酢の物や、芝エビにパンの衣をつけた天ぷら、近海の魚でつくるお刺身などの季節に合わせた多種多様な魚料理が続くようです。

長崎ならではの料理の一つが「長崎天ぷら」。アマダイなどの白身魚に下味をつけ、卵の黄身を使った衣で揚げます。独特の軽さ、天つゆや塩なしで食べられる気軽さがくせになる味わいです。

また、卓袱料理には対馬の伝統料理である「石焼き」が含まれることもあります。熱く焼けた石の上に鮮魚や魚をのせて焼き、素材のおいしさを楽しむ料理です。焼き石には、対馬産の梅花石が使われることが多いです。

最後は「梅椀」と呼ばれる汁粉などの甘味でコースが終了となります。

始まりのお鰭を除いては、食べる順番や食べ方などの決まりはなく、円卓に並んだ料理を好きなように小皿に取り分けていただきます。

郷土料理を楽しもう

郷土料理は、その土地ならではの海の幸や山の幸、里の幸がふんだんに詰まった料理です。旅行や出張などで出かけたときは、普段慣れ親しんだ食べ物だけでなく、郷土料理も楽しんでみましょう。

また、卓袱料理のように、郷土料理には歴史的・地理的な由来があることも多いです。旅の思い出として、由来を探ってみるのも面白いかもしれません。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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