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何かをどうしても見つけたいとき、「血眼になって探す」という表現がふと浮かぶことがあります。この言葉には、真剣さや執念のような感情が込められていますが、少し強い印象を与えることもあるでしょう。
この記事では、「血眼」という言葉が持つ意味や使い方について、例文や言い換え表現を交えながら整理していきます。
「血眼」ってどういう意味? まずは基本から押さえよう
「血眼」という言葉がもともと何を表していたのか、そこに含まれる感情の動きについて見ていきましょう。
血眼の読み方と意味
「血眼」は「ちまなこ」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
ち‐まなこ【血眼】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 逆上して目を真っ赤にしていること。
2 他のすべてを忘れて一つの事に熱中すること。「―になって捜し回る」
「血眼」とは、逆上して目を真っ赤にしたり、集中したりしている様子を表す言葉です。

血眼になるとはどういう状態?
「血眼」の状態とは、感情が激して、血走った目のことを指します。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
「血眼になって探す」ってどんな場面? 使い方を例文で確認
「血眼になって探す」という表現からは、一心不乱に何かを探す姿が思い浮かびます。「血眼になって探す」が使われる場面を例文で取り上げ、どのような感情や状況に合うのかを見ていきましょう。
「朝から晩まで血眼になって探したよ」
大切なものを見失ったときの焦りや必死さが伝わってきます。ただ探しているだけではなく、感情が強く動いている様子がうかがえますね。
「血眼になって書類を探している姿が印象的だった」
仕事中の切迫した空気が伝わってくる表現です。周囲にも焦りや緊張が伝わっていたことが、感じ取れます。
「彼は血眼になって真実を追い求めていた」
この例文では、対象が物理的なものではなく「真実」であることがポイントです。探し求める行動に、信念や強い意志が込められています。

類語や言い換え表現は?
「血眼」という表現には、ひたむきさや切実さが込められています。ここでは、同じような意味合いで使われる類語や言い換え表現を見ていきましょう。
必死
何かに向かって全力を尽くす姿を指します。命がけのような真剣さがにじむ言葉で、「血眼」と似た緊迫感があります。
なりふり構わず
周囲の目や見た目を気にせず行動することを意味します。夢中になるあまり、余裕がなくなっている状態を表す場面で使われることが多いですね。
一心不乱
一つのことに心を集中させ、他のことに気を取られない様子を表します。感情的な激しさよりも、集中の深さや静かな熱意を感じさせる表現です。

「血眼」は働く場面でも使える? ビジネスシーンでの注意点
「血眼になって働く」という言葉は、強い熱意や必死さを表すときに使われることがあります。ただし、受け取られる印象は、人や場面によって異なるようです。ここでは、ビジネスでこの表現を使う際の注意点を考えてみましょう。
「血眼で働く」は褒め言葉? それとも…
ある人にとっては、「血眼で働く」という表現が努力や熱意の象徴に聞こえることもあるでしょう。一方で、極端な追い詰められ方や余裕のなさを想像してしまう人もいます。受け手の感覚によって、少し過剰に響く可能性がある点には注意が必要です。
努力を強調したいときの言葉選び
仕事への真剣な姿勢や粘り強さを表現するなら、「全力で取り組む」や「懸命に努める」といった言い方のほうが、柔らかく伝わるでしょう。「血眼」という言葉はネガティブに受け止められることもあるため、場の空気や相手との関係性をふまえた上で、言葉の選び方を工夫することが大切です。
最後に
「血眼」という表現には、ただの形容ではなく、感情や状況の切迫感が含まれています。その分、使い方によっては強く響き過ぎてしまうこともあるでしょう。だからこそ、状況や相手の受け取り方に配慮しながら選びたい言葉です。ときにはやわらかい言い換え表現を活用してみてください。伝えたいことがよりスムーズに届くかもしれませんよ。
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