漢字には、一目では読み方が分からないものがありますよね。「捩子」という言葉を見たとき、「これ、どう読むんだろう?」と首をかしげたことはありませんか? なんとなく見たことがある気がするものの、いざ読もうとすると自信がなくなる… そんな不思議な漢字の一つかもしれません。
「捩子」は、実は私たちの身近なものです。さて、「捩子」はなんと読み、どのような意味があるのでしょうか? この記事で詳しく解説していきます。
「捩子」とは? 読み方・意味・使い方を解説
まずは、読み方と意味から確認していきましょう。

「捩子」の読み方と意味
「捩子」は「ねじ」と読みます。カタカナ表記の「ネジ」が使われることが多いため、漢字表記を見ると戸惑うかもしれません。辞書での定義を見てみましょう。
ねじ〔ねぢ〕【螺=子/捻=子/捩=子/螺=旋】
引用:『デジタル大辞泉(小学館)』
《動詞「ね(捩)づ」の連用形から》
1 円筒や円錐の面に沿って螺旋(らせん)状の溝を切ったもの。溝を外面に切ったものを雄ねじ、それにはまり合うように内面に切ったものを雌ねじという。物を締めつけるのに用いる。
2 ぜんまいを巻く装置。また、ぜんまい。
「捩子」は、物を固定したり組み合わせたりする際に使われる金属部品を指します。
「捩花」とは? 植物・俳句・『BLEACH』での使われ方
「捩花(ねじばな)」という言葉は、植物の名前として知られていますが、文学や漫画の世界でも使われることがあります。ここでは、その多様な使い方について紹介していきましょう。
「捩花」の植物としての特徴
「捩花(ねじばな)」は、ラン科の多年草で、日本各地に自生しています。その特徴的な花姿は、茎に沿って小さな花がらせん状に咲くことから、「捩花」と呼ばれていますよ。この独特の形状は、見る人に自然の不思議さや美しさを感じさせます。

「捩花」と俳句
俳句の世界では、捩花は夏の季語として親しまれています。その繊細で可憐な姿は、夏の情景や風情を詠む際にしばしば登場しますよ。例えば、「ねぢばなの まことねぢれて ゐたるかな(時彦)」といった句が詠まれ、自然の様子を巧みに表現しています。
「捩花」と漫画『BLEACH』
漫画『BLEACH』(久保帯人著/集英社)に登場する「捩花」は、志波海燕(しば・かいえん)が所持していた斬魄刀(ざんぱくとう)の名前です。海燕は護廷十三隊・十三番隊の副隊長を務めており、物語の中で重要な役割を果たしました。
「捩花」の解号は「水天逆巻け(すいてんさかまけ)」で、発動時には刀が水流をまとい、自在に攻撃できる特性を持っています。水を操る能力を持つ斬魄刀のひとつであり、戦闘時にはその流動的な攻撃が特徴です。
しかし、海燕は虚との戦いで命を落としました。作中での登場機会が少ないものの、彼の死は護廷十三隊のメンバーに大きな影響を与えました。その後の展開においても、海燕の存在は重要な要素として語られています。
「捩率」とは? 物理学・工学での概念
「捩率(れいりつ)」は、力学や数学で使われる言葉です。ここでは、基本的な意味について紹介していきましょう。

「捩率」の基本概念
「捩率」とは、単位長さあたりのねじれの度合いを示す指標です。分野ごとに次のような意味で用いられます。
力学
単位長さあたりに発生するねじれの角度の変化を指し、物体が外力を受けた際のねじれや変形を評価する際に用いられます。
数学
空間曲線について、単位長さあたりに接触平面が回転する割合を意味します。曲線がどのようにねじれているのかを定量的に表す際に使われますよ。
最後に
「捩」という漢字は、「ねじる」「ひねる」といった意味を持ち、物理的なねじれだけでなく、言葉や概念の広がりを感じさせます。言葉の成り立ちや使われ方を知ることで、より豊かな表現ができるようになるでしょう。
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