「旋風」という言葉は、日常の中でもよく耳にすることがあります。強い風を指すこともありますが、それだけではありません。流行や社会現象を表すこともあり、さまざまな分野で使われています。
そこで、この記事では「旋風」について深掘りしていきましょう。
「旋風」とは? 読み方と意味を確認
「旋風」という言葉は、単に風の一種を指すだけではありません。比喩的な使い方も多く、流行や社会現象を表すこともあります。言葉の持つニュアンスを知ることで、適切な場面で活用しやすくなるでしょう。まずは読み方と意味を確認していきます。
「旋風」の読み方と意味
「旋風」の読み方には、主に「せんぷう」と「つむじかぜ」の2つがあります。それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。
せん‐ぷう【旋風】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 渦巻き状の風。直径50メートル以下で、竜巻より小規模のものをいう。つむじ風。つじ風。
2 社会の反響を呼ぶような突発的な出来事。また、それによる反響。「文壇に―を巻き起こす」
つむじ‐かぜ【▽旋風】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
渦を巻いて吹き上がる風。局地的な空気の渦巻き。辻風。つむじ。せんぷう。
どちらの読み方でも、渦を巻く風を意味しますが、「せんぷう」と読む場合には比喩的な使い方をすることが一般的です。特に「旋風を巻き起こす」という表現では、流行や影響力の強い出来事を指します。
この記事では、「旋風(せんぷう)」を中心に、解説していきます。

「旋風を巻き起こす」の類語や使い方は?
「旋風(せんぷう)を巻き起こす」という表現は、ある出来事や人物が急激に注目を集め、社会や業界に大きな影響を与える状況を指します。ビジネスやエンターテインメント、スポーツなど、多くの分野で用いられる表現です。
「旋風を巻き起こす」の類語・言い換え表現
「旋風を巻き起こす」という表現には、いくつかの言い換えが可能です。「社会現象になる」「ブームを呼ぶ」「一世を風靡する」などが、似た意味の言葉として挙げられます。
例えば、映画や音楽が大ヒットし、広く話題になるときには「社会現象になる」が適しています。また、新しいファッションブランドや製品が爆発的に売れた場合には、「ブームを呼ぶ」がよく使われますよ。
状況に応じて、適切な表現を選ぶことが大切です。
「旋風を巻き起こす」を使った例文
以下に、具体的な例文と使い方を紹介していきましょう。
「この映画は公開と同時に旋風を巻き起こし、国内外で話題になった」
この例文では、映画が公開されると同時に多くの人々の関心を集め、各メディアやSNSで取り上げられた様子を表しています。「旋風を巻き起こす」とすることで、その影響の大きさや広がりの速さが強調されますよ。
「新しいブランドが旋風を巻き起こし、瞬く間に人気となった」
この例文では、新しく登場したブランドが短期間で大きな注目を集め、多くの人に受け入れられた様子を表しています。「旋風を巻き起こす」を用いることで、そのブランドが急速に認知され、市場に影響を与えたことを強調。
ファッションやテクノロジー業界などで、新しいトレンドが生まれる際にも使われる表現です。

韓国ドラマ『旋風』や「旋風脚」、『旋風の用心棒』とは?
「旋風」という言葉は、さまざまな作品や技の名称に使われています。韓国ドラマ『旋風』、格闘技の技「旋風脚」、アニメ『旋風の用心棒』などがその例です。それぞれの概要を以下に紹介します。
韓国ドラマ「旋風」とは?
『旋風』(原題:돌풍、英題:The Whirlwind)は、2024年6月からNetflixで配信が開始された韓国の政治ドラマシリーズです。監督はキム・ヨンワン、脚本はパク・ギョンスが手掛け、主演はソル・ギョングとキム・ヒエが務めています。
物語は、財閥と癒着する大統領に制裁を加え、政治の世界を変えようとする首相と、それを阻止しようとする経済副首相という二大巨頭の対立を描いています。視聴者からは、緻密なストーリー展開と俳優陣の迫真の演技が高く評価されていますよ。
「旋風脚」とは? 格闘技・アニメ・ゲームでの使われ方
「旋風脚」は、回転しながら繰り出す蹴り技の一種で、格闘技やゲーム、アニメなどで広く使われています。特に、対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズでは、キャラクターのリュウやケンが使用する必殺技として有名です。
『旋風の用心棒』とは?
『旋風の用心棒』は、黒澤明監督の映画『用心棒』を原案とし、現代風にアレンジされたテレビアニメ作品です。2001年10月から2002年3月まで日本テレビで放送されました。
物語は、東京から北へ数百キロに位置する小さな町「鬼無宿」を舞台に、主人公の谺丈二(こだま・じょうじ)がある人物の消息を追い求める中で、町の二大勢力の抗争に巻き込まれていくという内容です。独特の世界観と緻密なストーリー展開が特徴で、多くのファンに支持されています。
「旋風」の英語表現
「旋風」を英語で表現する場合、文脈によって適した単語が異なります。気象現象としての「旋風」と、比喩的な意味で使われる「旋風を巻き起こす」には、それぞれ適した表現がありますよ。

a whirlwind
“a whirlwind” は「つむじ風」や「激しく回転する風」を意味します。気象現象としての「旋風」を表す場合に適しています。また、比喩的に「目まぐるしい出来事」や「急激な変化」を指すこともありますよ。
例:A whirlwind swept through the town.
(旋風が町を吹き抜けた。)
例:It was a whirlwind romance.
(それは目まぐるしい恋愛だった。)
sensation
“sensation” は「大評判」「センセーション」といった意味を持ちます。「旋風を巻き起こす」を英語で表現する際は、 “cause a sensation” というフレーズがよく使われますよ。
例文:The new movie caused a sensation worldwide.
(その新作映画は世界中で旋風を巻き起こした。)
最後に
「旋風」という言葉は、風を表すだけではなく、さまざまな場面で使われています。「旋風」のように、広がりのある言葉の魅力を感じながら、使い方を工夫するのも楽しいですね。
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