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「天地神明に誓って」という表現を耳にしたことは、ありますか? やや古風ながらも、誠実さや覚悟を伝える言葉として、今も多くの場面で用いられています。この記事では、「天地神明」の意味や使い方、関連する言葉まで見ていきましょう。
「天地神明」とは? 読み方と意味を確認しよう
「天地神明」という言葉には、日本人の自然観や信仰が色濃く反映されています。まずは、この言葉が何を指すのか、基本を整理していきましょう。
天地神明の意味と読み方
「天地神明」は「てんちしんめい」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
てんち‐しんめい【天地神明】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
天地の神々。すべての神々。天神地祇(ちぎ)。「―に誓う」
「天地神明」とは、空と大地、そしてそこに宿るすべての神々を指す表現です。「天地神明に誓って」というように使うことが多いでしょう。
なお、「天地天命に誓って」は本来の使い方ではないので、注意が必要です。

「天地神明に誓って」の使い方とは?
「天地神明に誓って」は、単に事実を伝えるだけでは足りないとき、信頼を得たいときに使われることが多いです。具体的な文例から、使いどころを考えてみましょう。
天地神明に誓って嘘はついていません
相手から疑いを向けられたとき、自分の誠実さを強く伝える場面で使われる一文です。日常会話ではやや固い印象があるかもしれませんが、信頼を回復したいときには印象深く響きます。
天地神明に誓って、これは本心です
自分の気持ちに迷いがないことを表すときにも用いられます。恋人との話し合いや、大事な約束ごとの中で口にすることで、相手の心を動かすことがあるかもしれません。

「天地神明」の類語や関連表現は?
言葉の背景を深く理解するうえで、類語や関連表現を知っておくことは役立ちます。「天地神明」と同様に、広く神々を意味する表現を見ていきましょう。
天神地祇(てんじんちぎ)
「天神地祇」とは、天の神々と地の神々すべてを総称する言葉です。天神は高天原(たかまがはら)に生まれた神々、あるいは地上に天降った神々を指し、地祇は日本の国土に根ざす神々を意味します。祝詞や祭祀の文脈でよく見られる、荘重な響きを持つ表現です。
八百万の神(やおよろずのかみ)
「八百万の神」は、神道において自然現象や森羅万象に神が宿るという考え方から生まれた表現です。「八百万」は「数えきれないほど多い」という意味で、山や海、風や石にも神が存在すると捉えられています。日本独自の多神教的な精神をよく表す言葉といえるでしょう。
「天地神明」は信頼を示す言葉として使える?
「天地神明」という言葉には、真剣さや誠実さを伝える力があります。ただし、使いどころを間違えると堅苦しかったり、大袈裟に聞こえることもあるため、場の雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。
ビジネスで使える?
職場でのやりとりには少し重たく響くかもしれません。ただし、謝罪や弁明といった重要な場面では、信頼回復の一助になる可能性もあるでしょう。
SNSでの使用例
SNSでは、「天地神明に誓って〇〇してない!」といった言い回しが見られます。冗談交じりのトーンで使われることも多く、強調やユーモアの要素を含んだ表現として親しまれています。本気の気持ちを少し大げさに伝えることで、読んだ人の印象に残る使い方になっているようです。

「天地神明の誓い」とは?
「天地神明の誓い」という表現は、スマートフォン向けゲーム『あんさんぶるスターズ‼︎ Music』で使われているようです。何を示しているのでしょうか?
あんスタと「天地神明の誓い」との関連
『あんさんぶるスターズ‼︎ Music』では、キャラクターの一人である神崎颯馬(かんざき・そうま)の☆5カードに「[天地神明の誓い]神崎颯馬」という名称が付けられています。
神崎颯馬は、普段から帯刀し、古風で一本気な性格を持つ現代の武士。真面目で世話焼きな一面もあり、ひたむきで柔らかな歌声と溌剌としたパフォーマンスが特徴です。
最後に
「天地神明に誓って」という言葉には、日常とは少し距離のあるような響きがありますが、その中には真剣な思いを伝える力が宿っています。場面に合った使い方を心がけることで、言葉の重みがよりいっそう伝わるのではないでしょうか。誠意を言葉で届けたいときに、そっと使ってみるのもいいかもしれません。
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