「莫大小」という熟語をすぐに読むことはできますか? 特に布地や繊維業界に関連する言葉ですが、普段目にすることは少ないかもしれませんね。
この記事では、「莫大小」の読み方や意味、歴史、関連する企業や施設についてわかりやすく解説していきます。
「莫大小」とは? 読み方と意味をわかりやすく解説
まずは、「莫大小」の読み方や意味、由来について見ていきましょう。

「莫大小」の読み方と意味
「莫大小」は「メリヤス」と読みます。辞書で定義を確認しましょう。
メリヤス【スペインmedias/ポルトガルmeias】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《靴下の意》編み物用機械によって編んだ布地。織物が縦・横2本の直線の糸でつくられるのに対し、メリヤスは1本の糸による編み輪のからみ合いでつくられる。
[補説]「莫大小」「目利安」とも書く。
「莫大小」は「メリヤス」と読みます。この言葉はスペイン語「medias」またはポルトガル語「meias」に由来し、もともとは「靴下」を意味する言葉です。
「メリヤス」とは、編み物用の機械を使って編まれた布地のことを指します。通常の織物は縦糸と横糸を交差させて作られるのに対し、「メリヤス」は1本の糸を輪状に絡ませながら編むことで生地を作り出します。そのため、柔軟性が高く伸縮性にも優れている点が特徴です。
「莫大小」という名称の由来
「莫大小(メリヤス)」は、スペイン語「Medias」やポルトガル語「Meias」という靴下を意味する言葉が由来とされています。近世初頭にヨーロッパから日本へ伝わり、当初は靴下が編み物であったことから使用されていました。
「莫大小」という当て字は、江戸時代の文献『三養雑記』(1840年)などに記述が見られ、「大小を問わずよく合う」という意味から付けられたとされています。
メリヤスは当初、手編みの技術で作られ、靴下や手袋として武士や庶民に広まっていきました。明治時代には機械化され、東京築地に製造場が設立されるなど産業として発展を遂げます。その後、肌着や靴下として日常生活に定着し、現代でも幅広く使用される布地となりました。
参考:『国史大辞典』(吉川弘文館)
「莫大小」の現在の使われ方
「莫大小」という言葉は現在ではあまり一般的ではありませんが、歴史的な建物や企業名などに残されています。具体的に見ていきましょう。

莫大小会館とは?
「莫大小会館」は、大阪市福島区にかつて存在した建物で、1929年に大阪輸出莫大小工業組合の事務所ビルとして建設されました。設計を担当したのは建築家の宗兵蔵氏で、モダンな特徴を持つ建築物として評価されていました。
戦後はテナントビルとしても利用され、地域のランドマーク的な存在でしたが、老朽化と耐震性の問題から2022年7月末に閉館しました。
「莫大小」を冠する企業の例
現在でも「莫大小」を社名に含む企業はいくつか存在します。主にニット製品の製造や販売を行っており、伝統的な技術と現代的なデザインを融合させた製品を提供している会社が多いようです。
「莫大小」の関連用語
「莫大小」に関連する言葉として「メリヤス編み」や「メリヤス編機」が挙げられます。これらは、ニット製品の製造や編み物の技法に関する重要な用語です。以下で紹介していきましょう。
メリヤス編み
「メリヤス編み」は、編み物の基本的な編み方です。1本の糸で輪を作り、それを次々と引き出して連続させることで編み地を形成します。この方法により、表と裏の編み目が異なり、伸縮性に優れた柔らかい布地が作られます。特に「天竺編み」や「平編み」とも呼ばれ、肌着などに使われることが多い編み方です。

メリヤス編機(あみき)
「メリヤス編機」は、ニット製品を編むための機械を指します。主に「緯(よこ)編機」と「経(たて)編機」の2種類に分かれます。
緯編機は、編み糸を針に対して直角に供給し、横方向に編目を作りながら縦方向に繋げていく方法です。家庭用の編機や多くのニット製品は、この方法で編まれています。
経編機は、縦方向に連続して編目を作る方式で、編目の幅分の糸を使用するため、編み地の強度や伸縮性が異なる特徴を持ちます。
メリヤス編機の発明は1589年、イギリスの牧師ウィリアム・リーによる足踏み式の靴下編機から始まりました。その後、19世紀にイギリスのマシュー・タウンゼンドによって「べら針(ラッチニードル)」が発明され、工業的な編機技術が大きく進歩しました。
現在では、コンピュータ制御によってデザインを自動的に編み上げる電子制御編機も登場しており、様々な用途に対応できるようになっています。
参考:『世界大百科事典』(平凡社)
最後に
「莫大小」という言葉は、古くから使われてきたメリヤス生地を指す表現です。現在ではあまりこの漢字を目にすることはありませんが、歴史や由来を知ることで言葉への理解が深まるかもしれませんね。
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