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2025.03.18

「群雄割拠」とはどんな意味? ビジネスで役立つ例文と正しい意味や言い換え表現

「群雄割拠」とは、同じような実力をもつ者同士が対立することです。もともとは中国や日本の戦国時代を指す言葉で、現代ではビジネスや選挙などのシーンで用いられます。本記事では「群雄割拠」の正しい意味について解説。類語や使用例なども、ぜひ参考にしてください。

「群雄割拠」の意味とは?

「群雄割拠」とは、多くの実力者が各地で勢力をふるい、互いに対立することです。「ぐんゆうかっきょ」と読みます。

「群雄」には、多くの英雄や実力者、という意味があります。「割拠」は、各々が自分の領地で勢力をふるうことです。

中国や日本の戦国時代を表す言葉として「群雄割拠」は用いられてきました。時代が移り変わった現在では、おもに実力者が台頭し、切磋琢磨するような場面で活用される傾向にあります。

ぐんゆう‐かっきょ【群雄割拠】
[名](スル)多くの英雄が各地で勢力を振るい、互いに対立し合うこと。「—の世」

出典:小学館 デジタル大辞泉

「群雄割拠」を使った例文

正しい意味をふまえ、ここからは「群雄割拠」の具体的な使い方を確認していきましょう。前述したように「群雄割拠」は古くから用いられてきた言葉です。

現代社会では、日常生活やビジネスシーンで以下のように活用してください。

  • この業界は〇社の製品がシェアの大半を占めていたが、各企業で研究開発が進み、今や群雄割拠の時代に突入している
  • AI生成分野は画期的な進歩を遂げ、国内でも開発企業が数多く誕生するなど、群雄割拠の様相を呈している
  • 群雄割拠のマーケットでは、顧客に選ばれるための経営戦略が求められる
  • 今回の選挙は、多くの実力者が参加する群雄割拠の乱戦模様となりそうだ
  • 今年ヒットを遂げた書籍には、群雄割拠の乱世を駆け抜けた英雄たちの姿が描かれている
  • 地元のサッカークラブはAチームの独壇場だったが、各チームで優秀な選手が育ち、群雄割拠の時代を迎えた

「群雄割拠」の類語や言い換え表現

類語や言い換え表現を知っていると、その場の状況をより正確に伝えられるようになります。ここでは、「群雄割拠」の類語などについてみていきましょう。

  • 治乱興亡(ちらんこうぼう)
  • 狂瀾怒濤(きょうらんどとう)
  • 団栗の背比べ(どんぐりのせいくらべ)

いずれも「群雄割拠」によく似ている部分もあれば、異なる意味も含まれます。具体的な使用例も、ぜひ参考にしてください。

戦国時代のイメージイラスト
(c)AdobeStock

「治乱興亡(ちらんこうぼう)」

「治乱興亡」とは、世の中が治まることや、乱れることを表した四字熟語です。「興亡」は、国が栄えることや滅びることを意味します。

多くの実力者の対立により、世が治まることもあれば、戦で乱れることもあるという点では「群雄割拠」と「治乱興亡」は共通しています。

また、「群雄割拠」のように古い歴史に対して用いられることも多い四字熟語です。

・春に上映される映画は、治乱興亡の歴史を背景にさまざまな人間ドラマを描いた作品になりそうだ

「狂瀾怒濤(きょうらんどとう)」

「狂瀾怒濤」は、荒れ狂う大波を表す「狂瀾」と「怒濤」という2つの語句を組み合わせた言葉です。おもに、秩序がひどく乱れた世の中を表します。

注意したいのは、「狂瀾」と「狂乱」の書き間違いです。「狂乱」には心の乱れのほか、物事の状態が異常になるという意味があります。

乱れるという意味では「狂瀾」と共通していますが、「狂瀾」は「瀾」という字に「波」という意味が込められている点がポイントです。

「狂乱」を使うと、「荒れ狂う大波」という「狂瀾怒濤」本来の意味が変わってしまうため気を付けましょう。

・政権が度々変わり、狂瀾怒濤の状態に誰もが混乱している

「団栗の背比べ(どんぐりのせいくらべ)」

「団栗の背比べ」は、代わり映えのしない者同士が競い合う様子を表します。複数の人が争うという意味は「群雄割拠」と同様といえるでしょう。違いは、対立する人が実力者とは限らないという点にあります。

団栗の大きさには大差がなく、特に優れたものが存在するわけでもありません。日常生活では、どれも平凡で特に代わり映えがしないというニュアンスで用いられます。

・周囲から団栗の背比べといわれても、彼をライバルだと思う気持ちは変わらない

「群雄割拠」と反対の意味をもつ言葉

「群雄割拠」には、反対の意味をもつ言葉がいくつかあります。

  • 寡占(かせん)
  • 共存共栄(きょうぞんきょうえい)
  • 四海兄弟(しかいけいてい)

対象表現について知ると、もとの語句への理解がより深まるでしょう。ここでは、それぞれの意味について紹介します。

読書
(c) Adobe Stock

「寡占(かせん)」

「寡占」とは、少数のものが市場を占めることです。似た言葉に「独占」がありますが、「独占」の場合は「ひとりじめ」というニュアンスが強くなります。

また、買い手の数が少ない市場は「買手寡占」と呼ばれます。多くの実力者が台頭する「群雄割拠」とは、反対の意味をもつ言葉といえるでしょう。

「共存共栄(きょうぞんきょうえい)」

「共存共栄」は、ともに存在し、ともに栄えることです。実力者同士で対立する「群雄割拠」とは、意味が全く異なります。

「共存共栄」の場合は、意見が対立しても、互いに助け合い支える関係を指します。さらに、その先で一緒に成功するという前向きなイメージをもつ四字熟語です。

「四海兄弟(しかいけいてい)」

「四海兄弟」は、世界中の人が兄弟のように仲良くなることを表します。「四海」とは四方の海のことで、世界中という意味をもつ言葉です。

中国の思想書に記された「論語」のひとつであり、すべての人が手を取り合い仲良くすべきという教えが込められています。

「群雄割拠」をビジネスで正しく活用しよう

「群雄割拠」は、多くの実力者が各々に活躍し、対立するさまを意味する言葉です。似た意味の言葉には「治乱興亡」や「団栗の背比べ」などが挙げられます。

また、全く反対の意味をもつ言葉は「共存共栄」や「四海兄弟」などです。

ひとつの語句をきっかけに、関係する言葉について調べれば表現の幅がさらに広がります。「群雄割拠」に関する言葉を正しく理解し、ビジネスシーンで活用していきましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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