「意志薄弱」の意味とは?
意志薄弱(いしはくじゃく)とは、マイナスの意味合いが含まれる四字熟語です。そもそも「意志」とはどのような力なのでしょうか。
この章では、意志がどのような力を指すのかにも触れつつ、「意志薄弱」という四字熟語の意味を解説します。また、語句の由来や「意志」と「意思」の違い、語句の対義語も解説するため、前提知識として参考にしてください。
語句の意味
意志薄弱(いしはくじゃく)とは、文字通り「意志」が弱いことを示す四字熟語です。物事を最後までやり通す力が欠けていることを表します。ここでいう「意志」とは、物事を決定したり継続したりする、心の力のことです。
つまり意志薄弱な人は、自分で物事を決定する力が乏しく、他人の言動に影響されやすいといった特徴があるといえるかもしれません。
いし‐はくじゃく【意志薄弱】
出典:小学館 デジタル大辞泉
[名・形動]物事をやりとげようとする気持ちや、自分で決断を下す強い判断力に欠けること。「—な人」
語句の由来
意志薄弱という四字熟語の由来・語源は、2つの熟語それぞれの意味を理解するとわかりやすくなります。「意志」とは、物事をやり遂げようとする力です。そして「薄弱」とは、弱くて頼りないことを表す熟語です。
2つの熟語を組み合わせることで、意志薄弱が「物事をやり遂げる力が弱く、頼りない」という意味で用いる四字熟語になります。
「意志」と「意思」の違いは?
「イシ」という言葉は「意志」や「意思」といった2つの表現が用いられ、同様の読み方であっても使われる漢字が異なることで、熟語の意味も異なります。「意志」は、何かの物事をしようとする際、元となる心持ちのことです。一方で「意思」は、何かの物事をやりたいと思う気持ちのこと。
両者の違いとして、「意志」は物事への意欲、「意思」は気持ちと覚えておくと、わかりやすいでしょう。
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語句の対義語
意志薄弱という四字熟語の対義語は「意志堅固(いしけんご)」です。意志が弱いことを表した意志薄弱とは異なり、「堅固」は物事をやり遂げようとする心が強い様を表した言葉です。また、困難な状況に置かれた場合でも、我慢強く継続できることを表した四字熟語でもあります。
意志堅固な人は、強い意志をもって、物事を最後までやり遂げられます。せっかくならば、意志堅固な人を目指したいですね。
「意志薄弱」の使い方
意志薄弱を文章や会話の中で用いる際、気をつけたいことが「言葉の誤用」です。意志薄弱はネガティブな意味で用いられることの多い言葉であるため、熟語を用いる際は十分に注意したいところです。
知らずに誤用してしまうことのないよう、この章では文章の中で用いる際の例文と、日常の中で用いる際の会話例を紹介します。「意志薄弱」を使用する際のシチュエーションを、イメージしてみましょう。
例文
「意志薄弱」を文章の中で用いる際は、以下の例文を参考にしてください。
- 自分は幼い頃から意志薄弱で、グループでリーダーシップを発揮できない
- 彼は意志薄弱なので、自分の意見をすぐに変えてしまって、一貫性がないところが欠点だ
- 意志薄弱な人は、いざという時の実行力がないので頼りにならない
- 彼女とはいい関係であったのに、ぐずぐずしているうちに友人の恋人になってしまった。 意志薄弱な自分が情けないと感じた
会話例
日常会話の中で「意志薄弱」を用いる際は、以下で紹介するAさんとBさんの会話例を参考にしてください。
Aさん「先輩の指示がコロコロ変わって、本当に困っている」
Bさん「そうだね、あの先輩は上司から何かいわれるたびに指示を変えてしまうところがあるよね」
Aさん「そうなの、意志薄弱で自分の意見を通さないから、後輩たちはいつも混乱しているの」
「意志薄弱」の言い換え表現
意志が弱く、物事を最後までやり遂げられないことを「意志薄弱」といいますが、似た状態・状況を表す熟語は複数挙げられます。ここでは意志薄弱の言い換え表現として、弱気・優柔不断・弱腰・薄志弱行・及び腰といった、5つの熟語について解説。それぞれの熟語がどのような点で意志薄弱と共通しているのか、1つずつチェックしましょう。
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弱気
「弱気」とは、物事を行うにあたって、気力が乏しいことを表した言葉です。また、気が弱いことやその様を表す際にも用いられます。他にも何らかの取引において、相場が先行き下がると予想することを「弱気」と表すこともあります。
優柔不断
優柔不断(ゆうじゅうふだん)とは、気弱な性格でありいつまで経っても決定が下せず、悩んでいる様を表した言葉です。それに伴って、ぐずぐずしていたりはっきりしなかったりする性格を表すこともあります。
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弱腰
弱腰とは、相手に対して向かっていく態度が弱気である様を表した言葉です。また、意気地のない、消極的な態度を指して「弱腰」と表現することもあります。消極的な様子は、意志薄弱と共通している点といえます。
他にも「弱腰」は、腰で細くなっている部分であり、帯を締めるところを指す言葉としても用いられます。
薄志弱行
薄志弱行(はくしじゃっこう)とは、意志が弱く実行力に乏しいことを表した言葉です。意志薄弱とほとんど同様の意味で用いられる四字熟語といえます。
及び腰
及び腰とは、自信がなさそうな様子を表した言葉です。遠慮したり恐れたりしているような中途半端な態度を表すこともあります。他にも、中腰で手を伸ばして物を取ろうとする様子を表す言葉としても用いられます。不安定な腰つきであることから「へっぴり腰」と表現することもあります。
「意志薄弱」を正しく使おう!
意志薄弱とは、意志が弱いことを示した四字熟語です。また、物事を最後までやり遂げる力が欠けていることも表しています。意志薄弱と似た意味をもつ言葉には、弱気・優柔不断・弱腰・薄志弱行・及び腰などがあるため、あわせて覚えておくとより一層、ボキャブラリーが向上するでしょう。
意志薄弱はネガティブな意味で用いられる言葉であるため、会話や文章で用いる際は、ぜひ本記事の内容を参考にして適切な使い方を心がけましょう。
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