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2025.01.17

「前門の虎、後門の狼」とは? 意味・由来・使い方を徹底解説!

「前門の虎、後門の狼」とは、逃げ場のない状況を表す慣用句です。この記事では、「前門の虎、後門の狼」の意味や使い方、類語や英語表現を紹介します。

「前門の虎、後門の狼」という言葉を耳にしたことがありますか? この言葉は、一つの危険を避けても別の危険に直面するような厳しい状況を表す表現です。この記事では、「前門の虎、後門の狼」の意味や由来、具体的な使い方を中心に、実際の会話やビジネスシーンで活用できる内容を紹介します。

ユーモアや知性を感じさせる言い回しを身につけ、コミュニケーションをさらに豊かにしましょう。

「前門の虎、後門の狼」とは? 意味と由来を簡単に解説

まずは、「前門の虎、後門の狼」の読み方と意味、由来を確認していきましょう。

追い込まれる
(c) Adobe Stock

「前門の虎、後門の狼」の読み方と意味

「前門の虎、後門の狼」は、逃げ場のない状況を表す慣用句です。読み方とともに、意味を見ていきましょう。

前門(ぜんもん)の虎(とら)後門(こうもん)の狼(おおかみ)
《趙弼「評史」から》一つの災いを逃れても別の災いにあうたとえ。

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

なお、「門前の虎」と誤って使うケースがよくあります。「前門」ですので、注意しましょう。

「前門の虎、後門の狼」の由来は?

「前門の虎、後門の狼」の由来は、趙弼の『評史』にある「前門拒虎、後門進狼」という言葉に基づいています。この表現は、「城門を出れば虎に襲われ、裏門を出れば狼に襲われる」という状況を描写したものです。ここから、一つの災難を逃れても別の災難に直面する、逃げ場のない厳しい状況を表す慣用句として広まりました。

前門の虎、後門の狼の正しい使い方と例文集

慣用句は意味を知っていても、適切な使い方を理解していないと誤解を招きます。「前門の虎、後門の狼」は特にネガティブな状況を表現するため、使う場面に注意が必要です。

「上司の厳しい指摘を何とか切り抜けたけど、今度は顧客からのクレーム対応…。まさに前門の虎、後門の狼だ」

一つの厳しい状況を乗り越えたものの、別の厳しい状況に直面するという職場での典型的なシーンを描いています。

クレーム対応
(c) Adobe Stock

「経費削減に成功したと思ったら、人手不足が深刻化した。これは前門の虎、後門の狼の状態だよ」

経費削減という問題を解決したものの、新たな問題である人手不足が発生し、さらなる困難に直面する場面です。

「台風を避けて移動したら、今度はその先で地震が起きてしまった。まさに前門の虎、後門の狼だね」

自然災害に関する例です。一つの災難を回避したにもかかわらず、別の災難に遭遇した状況を表しています。

「前門の虎、後門の狼」の類語と関連表現

類語や関連表現を知っておくと、言葉選びに幅が生まれ、表現力が高まります。「前門の虎、後門の狼」に近い意味を持つ言葉を、場面に応じて使い分けてみましょう。

一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)

一つの困難を解決したかと思えば、次の困難に直面すること。次々と問題が起こる際に使われます。

板挟み(いたばさみ)

両方から異なる圧力を受け、どちらにも対応できず身動きが取れない状態を表します。対立する立場に挟まれて苦しい状況を指す際に便利です。

進退維谷まる(しんたいきわまる)

進むことも退くこともできず、完全に行き詰まる状態を意味します。選択肢がなく、どうにもならない状況にぴったりの表現です。

「前門の虎、後門の狼」を英語で言うと?

「前門の虎、後門の狼」を英語で表現できれば、国際的な場でも困難な状況を的確に伝えられます。直訳は難しいですが、似たニュアンスを持つ英語の慣用句を覚えておくと役立ちます。

英語 ボード
(c) Adobe Stock

“Misfortunes never come singly.”

この表現は「不幸は単独ではやって来ない」という意味です。一つの災難が終わらないうちに、次の災難がやって来る状況を指します。「前門の虎、後門の狼」と同様に、連続する不運を表現する際に使えます。

例文:“First, I lost my wallet, and then I missed my flight. Misfortunes never come singly.”
(まず財布を失くして、その後フライトにも乗り遅れた。不幸は続くものだ。)

“between Scylla and Charybdis”

この表現は「シラとカリュブディスの間で」というギリシャ神話に由来する言葉です。シラ(Scylla)は海の怪物、カリュブディス(Charybdis)は渦潮を起こす怪物で、どちらに進んでも危険がある状況を指します。

「前門の虎、後門の狼」と同様に、避けられない二つの難題の間に挟まれている状況を表現します。

例文:“In the negotiation, we were caught between Scylla and Charybdis—neither option was ideal.”
(交渉では、どちらの選択肢も理想的ではなく、まさに板挟み状態だった。)

最後に

言葉の意味や使い方を理解すると、適切な場面で活用でき、会話に深みが増します。「前門の虎、後門の狼」は、困難な状況を的確に表す便利な慣用句です。ぜひ、日常やビジネスシーンで使いこなし、あなたらしいコミュニケーションを楽しんでください。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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