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2025.03.26

「桐一葉」は情景を表す言葉|意味や読み方、秋の季語についてわかりやすく解説

「桐一葉」とは、桐の葉が落ちる様子を表す言葉です。俳句では、秋の季語として用いられています。本記事では、「桐一葉」の意味について紹介。古くから知られる俳句や、「晩秋」や「月」といった秋の季語に関する情報も、ぜひ参考にしてください。

「桐一葉」の意味や読み方

「桐一葉」とは、桐の葉が落ちる様子で秋の訪れを知ることです。転じて、物事が衰え、滅びる兆しを知ることも意味します。

そもそも桐は、箪笥(たんす)の材料として使われたり、葉や実を薬用にしたりと日本人になじみ深い植物です。葉や花は、桐紋という家紋にもなっています。

まずは、「桐一葉」の具体的な意味や読み方について確認していきましょう。

きり‐ひとは
《「淮南子 (えなんじ) 」説山訓から》桐の葉が落ちるのを見て秋を知ること。衰亡の兆しを感じることのたとえ。《季 秋》「—日当りながら落ちにけり/虚子」→一葉 (いちよう) 落ちて天下の秋を知る

出典:小学館 デジタル大辞泉

「桐一葉」は「きりひとは」と読む

「桐一葉」の読み方は、「きりひとは」です。桐は秋に葉を落とす木で、高さ10mほどまで成長します。

桐の葉は大きなものでは幅25cmになるほど、大きな葉をもつことも特徴です。葉の根元には長さ6〜20cmの柄があり、「桐一葉」は、大きく存在感のある桐の葉が落ちる姿を表す言葉といえるでしょう。

大きな葉のイラスト
(c)AdobeStock

「一葉」(ひとは)と「一葉」(いちよう)の違い

「桐一葉」の「一葉」(ひとは)には、「いちよう」という読み方もあります。以下のように、「ひとは」も「いちよう」も一枚の葉を表す言葉です。

ひと‐は
1 1枚の葉。いちよう。俳諧では、特に桐の葉をいう。《 季秋 》「今朝見れば淋しかりし夜の間の—かな/古白」→桐一葉
2 1艘 (そう) の小舟。

出典:小学館 デジタル大辞泉

いち‐よう
1 1枚の葉。ひとは。
2 平らで薄いもの、または小さいものを数える語。
ア 紙などの1枚。「—の写真」
イ 《1の形に似ているところから》小舟などの一そう。「—の軽舟」
3 桜の一品種。サトザクラの仲間で、花は淡紅色の八重咲き。葉化した雌しべが突き出ている。

出典:小学館 デジタル大辞泉

異なる点は、「ひとは」は特に桐の葉を意味することといえるでしょう。また、俳句では秋の季語として用いられます。

「いちよう」とした場合は、桜の品種を意味する場合もあります。平らで薄いものや、小さなものを数える語句である点も「ひとは」との違いです。

上記をふまえ、「桐一葉」は「きりいちよう」ではなく「きりひとは」と読むことがわかります。

俳句「桐一葉日当りながら落ちにけり」の意味

秋の季語である「桐一葉」は、俳句に登場する機会の多い言葉です。季語とは季節を表す言葉のことで、俳句には季語を取り入れるというルールがあります。

以下は、俳人であり小説家でもあった高浜虚子(たかはまきょし)が詠んだ句です。

・桐一葉日当りながら落ちにけり/高浜虚子

こちらの句は、一枚の桐の葉が日に照らされながら落ちる様子を表しています。

「日に当たりながら」とすることで大きな葉にクローズアップし、ゆっくりと舞い落ちる情景を、まるでスローモーションのようにイメージさせる句です。

また、語尾の「けり」は「切れ字」と呼ばれ、読者の注目を集める働きも。「落ちにけり」とあえて切れ字で終わらせることで、大きな桐の葉がぱさりと地面に落ちたあとの余韻を感じさせてくれています。

紅葉のイラスト
(c)AdobeStock

「一葉落ちて天下の秋を知る」の意味

「一葉落ちて天下の秋を知る」(いちようおちててんかのあきをしる)は、「桐一葉」と似たような意味をもつことわざです。

一枚の葉が落ちるのを見て、秋の訪れを知ることを意味します。また、わずかな前触れからでも、将来を予兆できることを表す言葉です。

「いちよう」と読む場合、植物はサクラを示すと前述しました。ただし、こちらのことわざの「一葉」が指すのは青桐(あおぎり)です。

もともとは、淮南子(えなんじ)という中国の哲学書にある「一葉の落つるを見て、歳のまさに暮れなんとするを知る」の一節に由来しています。

「桐一葉」は物事の衰退を感じさせる言葉ですが、「一葉落ちて天下の秋を知る」の場合は、良いことも悪いことも含めて予兆することを意味します。ビジネスシーンでは、以下のように活用できることわざです。

・ビジネスで成功するためには、一葉落ちて天下の秋を知るように、社会の些細な変化を見逃さない意識が必要だ

一葉落ちて天下の秋を知る
《「淮南子 (えなんじ) 」説山訓の「一葉の落つるを見て、歳のまさに暮れなんとするを知る」から》落葉が早い青桐 (あおぎり) の葉が1枚落ちるのを見て、秋の来たことを知る。わずかな前触れから将来の大きな動きを予知できることのたとえ。

出典:小学館 デジタル大辞泉

「桐一葉」のような秋の季語

「桐一葉」と同じ秋の季語には、以下の語句が挙げられます。

・晩秋(ばんしゅう)
・月
・身に染みる
・爽やか

なかでも「晩秋」は、メールや手紙のなかで時候のあいさつとして使用できます。ここからは、それぞれの正しい意味について確認しましょう。

紅葉
(c)Adobe Stock

晩秋(ばんしゅう)

「晩秋」は、秋の終わりを表す言葉です。また、旧暦9月の別名でもあります。

「晩秋」は11月ごろの時候のあいさつとして、「晩秋の候」の形で用いられます。時候のあいさつとは、あいさつ文や手紙などの冒頭に記す礼儀文のことです。以下のように、頭語と呼ばれる「拝啓」や「謹啓」の後に記します。

・拝啓 晩秋の候 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます

また、11月は秋から冬へと季節が進み、冷え込みが厳しくなる時期です。「晩秋の候」のほかにも、時候のあいさつには寒さを感じさせる語句が並びます。

・深冷の候
・向寒の候
・初霜の候

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「月」は、古くから和歌や俳句の素材として用いられてきました。旧暦8月15日にあたる「中秋の名月」の風習は、お月見として今でも親しまれています。

旧暦では、7〜9月を秋、10〜12月を冬としていました。7〜9月のちょうど真ん中にあたる8月15日が中秋です。

現代の中秋は、9月中旬〜10月初旬にあたります。また、中秋の名月というと満月をイメージしがちですが、実際には満月にあたらない日のほうが大半のようです。

身に染みる

「身に染みる」は「人の優しさが身に染みる」のように、何かを深く感じるときに適した言葉です。季語の場合は、「秋の冷気が強く感じられる」という意味になります。

和歌や俳句などでは、「身に染む」の形でも用いられる言葉です。平安時代、紫式部によって書かれた源氏物語にも「身に染む」という言葉が登場しています。

・山里の 松の蔭にも かくばかり 身にしむ秋の 風はなかりき

こちらは、物語の登場人物である「中の君」が詠んだ歌です。「宇治の山里の秋の陰の住まいにも、これほど身に染みる秋風が吹くことはなかった」と、愛しい人が去ったあとの胸中を綴っています。

爽やか

気分が晴れ晴れとした様子を表す「爽やか」も、秋の季語です。季節関係なく使える言葉ですが、「秋の爽やかな天気」のように特に秋のシーズンに適しています。

同じように季節の気候を表す言葉には、「うららか」や「のどか」などが挙げられます。どちらも春の季語で、よく晴れた穏やかな天候を表す言葉です。

秋の季語「桐一葉」を日常生活で活用しよう

「桐一葉」は、夏から秋への季節の移り変わりを感じさせる言葉です。秋の季語でもあり、古くから和歌や俳句に用いられてきました。

また、秋の季語には「晩秋」のように時候のあいさつとして使える言葉も。それぞれの語句の意味や違いを知り、日常生活で活用していきましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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