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2024.09.19

有職故実って読める? 四字熟語の意味や読み方、関連した言葉をまとめて解説

有職故実は、昔から続く行事や法令を指す四字熟語です。また、それらの研究する学問を指します。この記事では「有職故実」という四字熟語について、語句の意味を解説。「学問」や「習俗」に関連したその他の四字熟語も解説すします。

有職故実とは

「有職故実」という四字熟語は、日常で使われることは少ないかもしれません。昔から継続しておこなわれている格式高い行事にまつわる四字熟語です。

学問としての「有職故実」は、鎌倉時代から始まったのだとか。この章では「有職故実」という言葉について、語句の読み方・意味や日本史からみた四字熟語の始まりについて解説します。熟語に関する基本知識として、押さえておきましょう。

有職故実の読み方・意味

有職故実は「ゆうそくこじつ」と読みます。有職故実と表現される行事には、いくつかの種類があります。たとえば朝廷や公家で行われる礼式です。また官職や法令、年中行事などを指すこともあります。

また上記のような先例・典故だけでなく、それらを研究する学問も「有職故実」に含まれます。なお辞書で「有職故実」を調べてみると、以下のように解説されているため、そちらも合わせて参考にしてください。

ゆうそく‐こじつ
朝廷や公家の礼式・官職・法令・年中行事・軍陣などの先例・典故。また、それらを研究する学問。平安中期以後、公家や武家の間で重んじられた。

出典:小学館 デジタル大辞泉

日本史における「有職故実」

学問としての有職故実は、鎌倉時代にはすでに誕生していたといわれています。鎌倉文化にて、朝廷や公家が行う行事・儀式を対象に、研究する学問として生まれたようです。

その後、順徳天皇によって有職故実がまとめられ『禁秘抄(きんぴしょう)』として編纂されました。このことから、有職故実が日本に古くから伝わる学問の1つであることがわかりますね。

学問に関連した5つの四字熟語

有職故実と同様に学問に関する四字熟語には、「文武両道」「下学上達」「学知利行」「苦学力行」「有智高才」などがあげられます。いずれも「学ぶこと」について、さまざまな角度から表現した四字熟語です。

この章では、5つの四字熟語の意味を解説します。有職故実との違いや共通点に注目しながら参考にしてください。

勉強している人
(c)AdobeStock

1.文武両道(ぶんぶりょうどう)

「文武両道(ぶんぶりょうどう)」とは、学問と武道のことを指す四字熟語です。また、どちらの才能にも恵まれている様を表現することもあります。

「文」とは主に、文学や学問、芸術のこと。「武」には剣術や弓道、柔道が該当します。現代においては、単に成績優秀かつスポーツ万能な人を指すことも珍しくありません。文学や剣道など特定の学問やスポーツに限定せずに使われることもあるようです。

2.下学上達(かがくじょうたつ)

「下学上達(かがくじょうたつ)」とは、『論語』に由来した四字熟語です。身近な日常生活の中から学び、次第に高度で深い道理に通じることという意味で用いられます。孔子の言葉として知られており、「下学して上達す」と表すこともある言葉です。

いきなり「上達」を目指すのではなく、まずは身近な物事(下学)に注目してみましょう。下学を積み重ねていくことで「上達」へ到達できるはずです。

3.学知利行(がくちりこう)

「学知利行(がくちりこう)」とは、人倫は先天的に知っているものではなく、後天的に学ぶものという意味の四字熟語です。また、ただ学ぶだけではなく、その正しさを理解して認めることによってこそ実践できるという意味も含まれています。

学知は、文字通り「学んで知ること」という意味をもち、利行は「良いこと・正しいことと認めて実行する」という意味をもちます。

4.苦学力行(くがくりっこう)

「苦学力行(くがくりっこう)」とは、働きながら学業に取り組むことを指す言葉です。「くがくりきこう」や「くがくりょっこう」といった読み方がされる場合もあります。

苦学力行は、単に働きながらという意味だけでなく、苦労しながら学問に励むといったニュアンスを含む四字熟語です。

「苦学」は、文字通り苦しみながらも学ぶという意味をもちます。「力行」は懸命に努力することや、その様を表す言葉です。

5.有智高才(うちこうさい)

「有智高才(うちこうさい)」とは、人並み外れて賢いことことを表した四字熟語。智と才は、どちらも聡明・才能があるといった意味をもつ漢字です。

「習俗」に関連した四字熟語

有職故実における礼式や年中行事とは、一つの「習俗」といえます。有職故実の意味と関連した言葉として、次に「習俗」に関連した四字熟語「守株待兎(しゅしゅたいと)」「良風美俗(りょうふうびぞく)」「風俗習慣(ふうぞくしゅうかん)」といった3つの言葉を解説。有職故実とともに、覚えておきましょう。

見開きの本の上に置かれた虫眼鏡
(c)AdobeStock

守株待兎(しゅしゅたいと)

「守株待兎(しゅしゅたいと)」とは、古い慣習や決まりにとらわれるあまり、融通が利かないことをたとえた四字熟語です。

他にも偶然、幸運が訪れることを期待する愚かさを表しています。その辺にある切り株を見守り、ひたすらうさぎが現れるのを待つ様子から、このような比喩が誕生しました。

中国春秋時代、農夫が切り株にぶつかり死亡したうさぎを目の当たりにし、仕事もせず毎日切り株を見守ってばかりいたことで畑が荒れ果てたという故事が由来とされています。

良風美俗(りょうふうびぞく)

「良風美俗(りょうふうびぞく)」とは、善良で麗しい慣わしのことです。また、「習慣が立派で好ましい」といった意味も含まれています。

風俗習慣(ふうぞくしゅうかん)

「風俗習慣(ふうぞくしゅうかん)」とは、一定の集団における生活の中で、一般的と考えられている風習のことです。「日本では家の中で靴を脱ぐ」「正月にはお年玉をあげる・もらう」といった独自の風習も、風俗習慣といえるかもしれません。

有職故実について理解を深めよう

有職故実という四字熟語は、朝廷・公家の礼式や官職、法令、軍陣、年中行事などの典故を指す言葉です。また、これらを対象に研究する学問を「有職故実」と表すこともあります。有職故実と同様に学問を表現した四字熟語として、文武兼備や下学上達、学知利行なども覚えておきましょう。普段はあまり目にしない四字熟語かもしれません。本記事を参考に、正しく使えるようにしてください。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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