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2024.09.11

「漱石枕流」は負け惜しみの強さを表す言葉|似た意味の四字熟語も紹介

「漱石枕流」は、中国の故事から生まれた四字熟語のひとつです。へりくつを並べて言い逃れをする様子を表します。今回は「漱石枕流」の意味をわかりやすく紹介。似た意味をもつ語句も参考に、言葉への理解を深めていきましょう。

漱石枕流(そうせきちんりゅう)とは

「漱石枕流」とは、負け惜しみが強いことを意味する言葉です。自分の失敗を認めず、へりくつを並べて言い逃れする様子を表します。

語源となっているのは、中国で古くから伝わる故事の一節です。かつて中国の政治家であり武将であった孫楚(そんそ)は、本来であれば「石に枕し流れに漱(くちすす)ぐ」と言うべきところを、「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまいました。

誤りを指摘された孫楚は素直に誤りを認めず「石に漱ぐのは歯を磨くため、流れに枕するのは耳を洗うためだ」とごまかします。

このことから、素直に失敗を認めなかったり、負け惜しみでこじつけをしたりすることは「漱石枕流」といわれるようになりました。

石に漱ぎ流れに枕す
負け惜しみの強いことのたとえ。また、屁 (へ) 理屈をつけて言い逃れることのたとえ。晋 (しん) の孫楚 (そんそ) が「石に枕し流れに漱ぐ」というべきところを「石に漱ぎ流れに枕す」と誤り、「石に漱ぐ」とは歯を磨くこと、「流れに枕す」とは耳を洗うことだとこじつけたという、「晋書」孫楚伝の故事による。漱石枕流 (そうせきちんりゅう) 。

出典:小学館 デジタル大辞泉
(c)Adobe Stock

夏目漱石のペンネームの由来になった「漱石枕流」

「漱石」という言葉に、かつて千円札の肖像画でもあった文豪「夏目漱石」を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。

夏目漱石の本名は金之助(きんのすけ)であり、漱石というペンネームは「漱石枕流」に由来するといわれています。簡単には失敗を認めない頑固者で負け惜しみが強い一面に、漱石は惹かれたのかもしれません。

夏目漱石が著した作品は数多く、「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「こころ」など海外でも高い評価を得ています。

漱石枕流を使った例文

「漱石枕流」は日常生活で以下のように用いられます。「失敗を認めない負け惜しみの強い人」という意味合いをもつため、使用時はシーンに応じた表現を心がけましょう。

・自己主張が強いのは結構だが、漱石枕流で我を押し通してばかりでは周囲からの信頼を失ってしまうよ
・私は真実を述べているだけであり、漱石枕流と言われるのは心外です
・口が達者なうえに漱石枕流なのだから、まったく困ったものだよ
・都合が悪い場面ですぐ漱石枕流になるのは、いかがなものか

漱石枕流と似た意味をもつ四字熟語

漱石枕流には、以下のような似た意味をもつ四字熟語があります。

・牽強付会(けんきょうふかい)
・三百代言(さんびゃくだいげん)
・堅白同異(けんぱくどうい)
・断章取義(だんしょうしゅぎ)
・郢書燕説(えいしょえんせつ)

漱石枕流の意味が適さないシーンでも、似た言葉を知っておけば表現の幅が広がります。ここからはそれぞれの意味と使用例をみていきましょう。

説明する男性
(c) Adobe Stock

牽強付会(けんきょうふかい)

「牽強付会」とは、自分の都合のいいように理屈をこじつけることです。へりくつという点では「漱石枕流」と共通しています。

異なるのは、失敗をごまかすためでなく、自分の得のために理屈をこじつけることといえるでしょう。

「牽強」は道理に合わなくても無理にこじつけて言うこと、「付会」はばらばらなものを1つにすることを意味し、以下のように用いられます。

・すでに決められた社内規則があるにも関わらず、自己のルールを通そうとするとは牽強付会も甚だしい

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三百代言(さんびゃくだいげん)

「三百代言」とは、詭弁で相手を巧みに言いくるめる様子を指す言葉です。「三百」はお金の三百文を意味し、わずかな金額や価値が低いことを表します。「代言」は、代言人という弁護士の古い呼び名のことです。

2つの言葉を合わせた「三百代言」は、明治初期に代言人の資格がないにも関わらず、訴訟や談判などを取り扱う者を指す言葉として用いられていました。

現代はその意味が転じ、いい加減なこと言い、人をだますことを指す言葉として使用されます。相手を価値の低く見る言葉でもあるため使用時は気を付けましょう。

・高い依頼費を支払って弁護士を雇ったにもかかわらず、とんだ三百代言に当たったものだ
・彼の三百代言ぶりには腹が立つよ

堅白同異(けんぱくどうい)

「堅白同異」は「漱石枕流」と同様に中国の故事から生まれた言葉です。詭弁をもてあそび、こじつけの論理を展開することを意味します。

言葉巧みに相手を言いくるめる様は、「漱石枕流」や「三百代言」と同じだといえるでしょう。以下のように、ネガティブな意味合いで用いることが多い四字熟語です。

・口先だけで他者をまるめこもうなど、堅白同異もいいところだ

ビジネスマン
(c) Adobe Stock

断章取義(だんしょうしゅぎ)

書物や詩を引用する際、その一部のみを取り出し自分の都合のいいように解釈することは「断章取義」と表現します。「断章」は文章の一部を取り出すこと、「取義」はその意味をとることです。

「章を断ちて義を取る」と読み下すこともあります。自分の都合のいいように解釈するという点から、ネガティブな要素が強い言葉といえるでしょう。

・彼の書いた文章は断章取義された記録で意味が通らない点が多い

郢書燕説(えいしょえんせつ)

「郢書燕説」も中国の故事がもとになった言葉です。物事をいいようにこじつけ、もっともらしい説明をすることを意味します。

「郢」は、春秋戦国時代の国「楚」(そ)の都の名前です。「郢書燕説」という言葉は、郢の君が燕(えん)の国へ送った手紙の書き間違いから生まれました。

郢の君は、手紙の内容を口述で書記に書かせていた際、夜の暗さから「燭(しょく)を挙げよ」と告げます。すると書記は、そのまま「挙燭」と手紙に書きこんでしまいました。

手紙を受け取った燕の大臣は、それを書き間違いと思わず「明(めい)を尊べ、賢人を登用せよという意味だな」と捉えてしまいます。都合のよい解釈だったにも関わらず、結果的に国はよく治まりました。

現在は以下のように、無理になにかをこじつけようとする際に用いられます。

・いろいろな説を目にするものの根拠がはっきりとせず、どれも郢書燕説にしか思えない

漱石枕流の意味を知り活用しよう

「漱石枕流」は中国の故事から生まれた言葉で、失敗を認めず、へりくつを並べて言い逃れすることを意味します。文豪・夏目漱石のペンネームの由来にもなったとされる言葉です。

「漱石枕流」のようにへりくつを並べること、こじつけの理論を展開することなどは、さまざまな四字熟語で表現されます。それぞれの正しい意味や細かな違いを押さえましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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