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太ももがなかなか痩せない理由
脚の付け根より下~ひざ上までの広範囲にわたる部位・太もも。ここには、体を支える、歩く、走る、ジャンプするなどの動作に関わる大きな筋肉がついています。
そのため、太ももは体の中でも存在感がある部位。ゆえに、「あれ、太くなった…?」とちょっとしたサイズアップにも敏感になりやすいところ―。
では、太ももがサイズアップするのはなぜなのか? 部位別に原因をチェックしていきましょう。
内・外・前…サイズアップの主な原因を部位別にチェック
太もも痩せを目指すためには、まず太もものなかでもどの部位が気になっているのかを把握するのが大切です。部位別にサイズアップの主な原因をチェックしていきましょう。
内もも
内ももにある股関節内転筋群は、日常生活においてあまり使われない筋肉です。さらに、電車やバス、エスカレーター、エレベーターをよく使うため歩く機会が少ない、小股で歩く、脚を組んで座るなどの生活習慣によっても、筋肉はさらに衰えやすくなります。
筋肉へのアプローチ法:左右の太ももを引き寄せ、脚を閉じるときに強く働く。
外もも
太ももの外側がパンと張り出しているのなら、猫背によって骨盤が後傾している可能性が。この姿勢は脚の付け根が外側に開きやすくなるので、内ももの筋肉が緩み、外ももの筋肉がよく使われるようになって発達してしまうのです。
筋肉へのアプローチ法:姿勢の改善+使いすぎている筋肉をストレッチ・マッサージ等でほぐす。
前もも
太ももの前側にあるのが、脚を動かす原動力となる大きな筋肉・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)。大腿四頭筋はもともとよく使われるのですが、スクワットのようなトレーニングや、かかとの高い靴を履き重心が前に偏ることで、より筋肉が発達して存在感が増します。
筋肉へのアプローチ法:筋肉を使いすぎている場合は運動方法を見直す+ストレッチ・マッサージ等で筋肉をほぐす。
また、大腿四頭筋と対になるもも裏の筋肉・ハムストリングは、デスクワークや座りっぱなしの姿勢でいるあいだ緊張状態が続きます。そのうえ自分の体重によって筋肉が圧迫され、血流が悪化して硬くなりがち。ハムストリングが硬いと骨盤まわりの筋肉を引っ張って後傾させるため、外ももの筋肉の張りにもつながります。
ここからは、気になる部位別にストレッチやトレーニングのやり方をご紹介。ぜひ参考にしてみてください。
【内もも】仰向けに寝ながらおこなうストレッチ
STEP 1:仰向けになる。
▲恥骨を軽く突き上げて骨盤を後傾させ、腰を床に近づけます。それでも腰が反りやすい場合、下に丸めたバスタオルやブランケットを置いてみましょう。
STEP 2:左ひざを立てる。
▲左ひざを立てたら、ひざの下にかかとがくるように姿勢を整えます。
STEP 3:左脚を外に倒す。
▲左手を左太ももの上に添えます。ひざは床につかなくてもOK。左太ももの内側に適度な伸びを感じましょう。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
寝る前にベッドの上でおこなえば、股関節まわりの緊張が緩んでリラックスできます。
【外もも】座っておこなうストレッチ
STEP 1:ひざを立てて座り、両手を体のうしろにつく。
▲左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)で床をとらえたら、お尻~頭頂までスッと斜め一直線に保ちます。
STEP 2:左足首を右太ももに乗せる。
▲左脚を床から持ち上げます。ひざを外に倒したら、左足首を右太ももの上に乗せましょう。
STEP 3:両脚を左に倒す。
▲左脚の重みを使い、両脚を左に倒します。ヘソはできるだけ正面に向けたまま、右のお尻~太ももの外側に伸びを感じるところで姿勢をキープ。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
【前もも】寝ながらおこなうストレッチ
STEP 1:右体側を下に横向きになる。右足の先を左手でつかむ。
▲右体側を下に横向きになったら、右ひじを肩の下にセット。右ひざを曲げ、右足先を左手でつかみます。
STEP 2:右足先を斜め上に引っ張る。
▲左手で右足先をつかんだまま、斜め上に向けて引っ張ります。右の前ももが心地良くストレッチされるところで姿勢を保ち、呼吸を繰り返しましょう。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
【もも裏】座っておこなうストレッチ
STEP 1:あぐらで座り、右脚を斜め前に伸ばす。
▲右脚だけ開脚します。脚の背面の伸びがツラい場合、ひざを軽く曲げて姿勢を緩めましょう。反対に姿勢に余裕がある場合、かかとをグッと突き出してストレッチを深めても〇。
STEP 2:上体を前に倒し、右手で右足先をつかむ。
▲上体を右脚のほうに向けたら、軽く前屈をします。右手で右足先をつかみましょう。
STEP 3:右足先を内側~外側にゆっくり揺らす。
▲手で右足先をしっかりつかんだまま、内側~外側にゆらゆらと揺らします。脚背面の筋肉の強張りを優しく緩めていきましょう。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各10~20回〉
【骨盤まわり】筋肉の緊張をほぐすストレッチ
長時間デスクワークをしたあとや同じ姿勢が続き、骨盤まわりの筋肉の緊張が気になるときは、次のストレッチを参考にしてみてください。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲脚は腰幅に開き、腕は体側に下ろします。ひざの下にかかとがくるように、姿勢を整えましょう。
STEP 2:息を吸いながら、骨盤を前傾させる。
▲動きはゆっくりと! 吸う息に合わせて、滑らかに背中を反らせます。
STEP 3:息を吐きながら、骨盤を後傾させる。
▲今度は腰を丸めて骨盤を後傾させます。背中~腰を床につけ、お尻の下のほうが床から持ち上がるイメージです。ただし、骨盤の前傾・後傾のどちらも腰に痛みがある場合は無理におこなわないこと。
〈回数:呼吸に合わせて5回〉
【内もも】プヨプヨが気になる人におすすめの筋トレ
最後は、日頃あまり使われない内ももの筋肉をトレーニングしていきます。
STEP 1:右体側を下にして横向きになる。
▲右腕は頭の下、左手は腰に添えましょう。脚を重ね、ひざは軽く曲げておきます。
STEP 2:ひざ下を床から持ち上げる。
▲脚を重ねたまま、ひざ下を床から持ち上げます。
STEP 3:脚をひし形に開く~閉じる動きを繰り返す。
▲ポイントは、上の脚をパカパカと上げ下げすること。閉じる動きをゆっくりおこなうことで、内ももの筋肉により効果的にアプローチできます。
反対側も同様におこないましょう。〈回数:左右各20回〉
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。