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2024.08.07

バリューチェーンはフレームワークのこと! やり方や目的などを紹介

「バリューチェーン」は、企業活動で用いられているフレームワークです。自社の活動を可視化し、それぞれの活動が生み出す価値を把握するものです。今回の記事では、バリューチェーンのやり方や目的などを紹介します。

バリューチェーンとは?

ビジネスの現場では、いかにして競争優位を築き上げるかが重要な課題です。そんな中で注目されるのが「バリューチェーン」という考え方。

この記事では、バリューチェーンの基本から、分析方法までを分かりやすく紹介していきます。あなたのビジネスに新たな視点をもたらすこのフレームワーク、ぜひ理解を深めてみませんか?

(c) Adobe Stock

バリューチェーンって何?

バリューチェーンは、企業が取り組む各事業を鎖(チェーン)のように捉え、それぞれの活動がどのような価値を生み出し、全体の価値にどのように貢献しているかを分析するフレームワークです。この分析を通じて、企業は事業活動を俯瞰し、顧客満足度を高め、利益を生み出すために何が必要かを大局的に検討することができます。

アメリカで提唱された

バリューチェーンの概念は、アメリカにあるハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター教授(Michael E. Porter)が提唱しました。

もともとは企業内部の「機能の価値連鎖」を分析するためのツールとして導入されましたが、後にサプライチェーンの概念とそれを支援する情報システムの発展に伴い、現在のような広範な意味で使われるようになりました。

サプライチェーンとの違いは?

バリューチェーンに関連する「サプライチェーン」についても確認しておきましょう。この2つは混同されがちですが、目的や焦点に大きな違いがあります。

サプライチェーンとは

サプライチェーンは、物やサービスの流れを鎖(チェーン)のように捉え、顧客に届くまでのプロセス全体を指します。企業が調達した原材料が商品として顧客に届くまでの一連の流れに着目する考え方です。

バリューチェーンとサプライチェーンの違い

バリューチェーンとサプライチェーンの違いは、目的です。バリューチェーンは、企業の事業活動と価値の連鎖に着目。サプライチェーンは、物やサービスの流れのプロセスにおいて、誰が何を担うべきかを焦点としています。

バリューチェーンは事業を2つに分ける

バリューチェーンを分析する際、事業活動を大きく2つに分けます。それぞれの活動に利益を紐づけてフレームワークに落とし込むことで、自社の事業を可視化し、全体像を把握することが可能です。それでは、分類する内容を見ていきましょう。

(c) Adobe Stock

主活動

主活動とは、物やサービスを生み出して、顧客に届けるまでの直接的な活動を指します。該当するのは、以下の活動です。

・原材料や部品などの調達
・製造
・出荷
・配送
・販売やマーケティング
・保守などのアフターサービスや顧客サポート

支援活動

支援活動とは、主活動がスムーズに行われるために支援する間接的な活動を指します。具体的には次の活動が該当します。

・経営企画や経理、総務などの管理全般
・人材採用や育成、人事評価
・労務管理
・新しい製品やサービスの開発
・工場やオフィス、倉庫、情報システムなどのインフラ整備

この2つの活動について理解し、適切に管理することで、より効果的な価値の創造につなげることができます。なお、企業によって、活動の重要度や順番は異なります。

バリューチェーンの目的とは?

ここからはバリューチェーン分析を行う目的について見ていきましょう。主に3つの目的があります。

自社の強みや弱みを把握する

企業は、競合他社よりも優位に立つことを目指さなければなりません。そのためには、自社の強みや弱みを深く理解することが必要です。

バリューチェーン分析は、自社の強みや弱み、優位性などを明確にしてくれます。それをもとに戦略を策定することで、競争力を高めることが可能になります。

価値を生み出していない活動を洗い出す

バリューチェーン分析を行うと、価値を生み出していない活動を特定することができます。また、コストが過剰にかかっている活動を見つけ出すことも可能です。この情報を基に、無駄な工程の改善やコストカットを行い、業務の効率化を図ることができます。

競合他社の戦略を予測できる

バリューチェーン分析は、自社だけでなく他社についても行うことができます。他社の強みや弱みを分析することで、今後の戦略を予測することが可能です。

他社を深く理解することで、自社の差別化ポイントを見つける手助けとなります。また、次の戦略を立案する際に役立てることができるでしょう。

新たな事業の創出

バリューチェーン分析を通じて、顧客のニーズを満たす新しい事業の開発が可能になります。さらに、既存の事業と連携した新事業の創出にもつながることがあります。

バリューチェーンの分析方法は

ここからはバリューチェーンの分析方法を紹介します。

(c) Adobe Stock

主活動と支援活動を洗い出す

最初に行うのは、自社の主活動と支援活動を洗い出すことです。すべての活動を分類したら、図式などで視覚化します。視覚化することで、事業全体を把握しやすくなりますね。

この段階ではそれぞれの活動がどのように連携し、企業の価値創造にどのように貢献しているのかを理解することが重要です。また、競争上の優位性や劣位性についても把握しておきたいですね。

コストの把握

次に行うのは、各活動にかかるコストの把握です。各活動のコストを明確にし、収益性を分析します。活動ごとのコストを一覧にし、年間コストも含めて記入します。各活動の担当部署を明記することで、より分かりやすくなりますよ。

自社の強みや弱みを把握する

コストの把握ができたら、次は各活動の強みと弱みを分析します。主活動と支援活動ごとに強みと弱みをリストアップし、一覧表にまとめましょう。

自社の強みを理解することで、競争力の強化や競争優位性の維持が可能になります。また、弱みを把握することで、改善策を考えることができますね。

VRIO分析を実施する

VRIO(ブリオ)分析は、自社が持つ経営資源の強みを評価するためのフレームワークです。以下の4つの視点から分析を行います。

Value(価値): その強みは自社に経済的な価値をもたらしているか。
Rareness(希少性): その強みは他社が容易に入手できないものか。
Imitability(模倣可能性): 他社が模倣しやすい、または模倣できる強みか。
Organization(組織): その強みを効果的に活用できる組織体制や環境が整っているか。

VRIO分析を行うことで、自社の持続可能な競争優位性を特定し、提供できる価値を明確にすることができます。

最後に

バリューチェーンについて、目的ややり方、サプライチェーンとの違いなどを紹介しました。バリューチェーンを活用し、他社との差別化戦略に成功している事例はたくさんあります。自社の強みや弱みの把握に有効なフレームワークとして、活用する企業はさらに増えていくことでしょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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