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2024.08.07

リーダー育成に必要な「PM理論」とは|リーダーシップを伸ばす方法も紹介

リーダーシップ行動理論の代名詞とされるのが「PM理論」です。リーダーに必要な能力を2つの機能に分類し、リーダーシップ力向上を目指します。今回は「PM理論」の内容や、リーダーシップを伸ばす方法を紹介します。

PM理論って何?

優れたリーダーを育成するために用いられている「PM理論」を活用している企業は多いでしょう。しかし、一般的にはあまり知られていない理論のため、内容を知らない人もいるかもしれません。

今回は「PM理論」について紹介します。後半ではリーダーシップを伸ばす方法に触れますので、リーダーを目指したい人や、リーダーシップに興味のある人はぜひチェックしてくださいね。

(c) Adobe Stock

PM理論は、リーダーシップについての理論

PM理論は、社会心理学者である三隅二不二(みすみ・じゅうじ)氏によって提唱された、リーダーシップ理論です。リーダーがとるべき行動を、目標達成機能(performance function:P機能)と集団維持機能(maintenance function:M機能)の二次元で捉えるというものです。

PM理論:それぞれの機能をチェック

「P」と「M」の機能について、くわしく見ていきましょう。

P機能:目標達成機能

P機能は、集団で目標を達成するために必要なリーダー行動を指します。具体的な行動を紹介しましょう。

・目標の設定や計画立案
・戦略の策定
・業務の進捗管理
・メンバーへの指示や命令の実施
・メンバーへの指導や動機付け

P機能は、「リーダーシップ」というワードから連想しやすい行動といえるでしょう。

M機能:集団維持機能

M機能は、集団内での人間関係を強化し、維持するためにリーダーが取るべき行動を指します。具体的な行動は次の通りです。

・メンバーへの信頼の表明
・各メンバーを公平に取り扱うこと
・メンバーの労を労い、承認すること
・メンバーへの積極的な声掛けやヒアリング
・メンバー間で対立や衝突への適切な対応
・メンバーとの円滑なコミュニケーションの促進

チーム内の士気を高め、良好な関係性を築くためには、M機能が欠かせないといえます。

PM理論:リーダーのタイプは4つに分けられる

PM理論では、上述したP機能とM機能におけるそれぞれの強さや弱さを2段階で表し、「PM型」「Pm型」「pM型」「pm型」の4タイプに分類します。P機能とM機能の強弱は、リーダーシップにどのように影響するのでしょうか?

(c) Adobe Stock

PM型は優れたリーダー

PM型:P機能とM機能ともに強いリーダータイプ

目標達成力があり、チームビルディングもできるリーダーがPM型です。このタイプのリーダーは、メンバーに成果をつかむ達成感や働きやすさを感じさせることができるでしょう。

チーム内の人間関係を良好に保ちながら、着実に成果を出すことができるリーダーシップ力は、企業からもっとも求められるものです。PM型は、理想的なリーダー像といえるでしょう。

Pm型は短期決戦が得意

Pm型:P機能が強く、M機能が弱いリーダータイプ

目標を達成することには長けているが、集団の維持や強化が弱いのがPm型です。目標達成力があるため、短期的な目標には強いですが、長期にわたってチームをまとめるのは苦手としています。

メンバーとの関係を築くことや、良好な関係を維持することが苦手で、メンバーへの配慮が欠けることもあり、チーム内がぎくしゃくすることもあるでしょう。また、後継者育成も不得意な傾向があります。

pM型は良好な関係性をつくることができる

pM型:P機能が弱く、M機能が強いリーダータイプ

pM型は、チームをまとめたり、メンバーのモチベーションを高めることに優れており、チーム内でトラブルが発生することは少ない傾向にあります。チーム内の雰囲気は良く、メンバー同士の関係も良好であることが多いでしょう。

pM型の課題となるのは、目標達成です。戦略立案や進捗管理、メンバーへの指導が苦手であるため、目標達成に困難が生じたり、達成が遅れることもあるでしょう。

pm型はリーダーには不向き?

pm型:P機能もM機能も弱いリーダータイプ

目標達成もチームビルディングも苦手とするのがpm型です。このタイプは、目標達成や業務に対する関心が低く、人望も厚くないことが多いでしょう。リーダーになること自体が難しいかもしれません。

PM理論では、このタイプはリーダーに不向きと考えられます。リーダーとして成果を上げるためには、P機能とM機能のどちらも高める必要があるでしょう。

PM理論:P機能を伸ばす方法は?

ここからはP機能とM機能を伸ばす方法を見ていきましょう。まずはP機能から紹介します。

(c) Adobe Stock

まずは、リーダーが方向性を理解する

P機能が弱い場合、リーダーとなる人物がまず会社の方向性や目標をしっかりと理解することが大切です。その上で、自分のチームがどのような役割を果たすべきか、チームが目指すゴールは何かを考えることが求められます。

目標達成へのプロセスをイメージして伝える

目標達成において、チーム内の認識統一は不可欠です。リーダーは、各メンバーが目標達成に向けた意識を高く持てるように、自チームの役割や目指すゴールを明確に伝える必要があります。

また、メンバーが目標達成のプロセスを具体的にイメージできるように伝えることも重要。チームがやるべきことを噛み砕いて説明し、全員が理解できるようにしましょう。また、定期的にチームの役割や進捗を確認し、共有することも大切です。

目標達成に向けた行動を徹底する

目標についてメンバーと共有できたら、目標達成のための行動を徹底しましょう。定期的にミーティングを行い、全体の進捗管理を行う具体的な取り組みを計画。こうした取り組みにより、メンバーひとりひとりの行動が統一され、目標達成に向けた動きが加速するでしょう。

PM理論:M機能を高める方法は?

M機能を高める方法も見ていきましょう。チームをまとめるにはどのようなアプローチが有効なのでしょうか?

定期的にメンバーと面談する

M機能を高めるには、メンバーとのコミュニケーションが不可欠です。たとえば、定期的にメンバーと面談し、各メンバーの考えや感情を確認したり、意見を聞く機会を設けるといいでしょう。可能であれば、1対1で話すことで、より深い理解が得られることも期待できます。

メンバーが発言する場を設ける

メンバーが発言できる場を設けることも効果的です。ミーティングで全員の意見を聞いたり、各自の考えを発表する機会を作りましょう。ときには、懇親会などのカジュアルな場を設けるのも、メンバー同士の関係を深めるのに有効です。

また、日常的にメンバーと軽い会話を楽しむことも、良好な関係を築くために大切です。あいさつや感謝の言葉を積極的に伝えながら、M機能を高めていきましょう。

最後に

PM理論について紹介しました。企業が目標を達成するには、優秀なリーダーが必要です。人材育成や組織運営に活用されているPM理論を学び、リーダーシップ力を磨いてください。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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