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2024.07.02

「八百長」とはなれあいで事を運ぶこと|正しい意味や類語、例文を紹介

「八百長」とは、事前に勝敗を打ち合わせたうえで勝負事やスポーツなどを進めることです。「やおちょう」という読み方には、言葉の語源が関係しています。本記事では、「八百長」の正しい意味や類語について解説します。例文などもぜひ参考にしてください。

「八百長」の意味と語源

「八百長」は、スポーツやゲームなどの勝負事の場面で用いられることの多い言葉です。「やおちょう」と読み、語源は人の名に関係するといわれています。

ニュースや雑誌などで見聞きすることの多い言葉ですが、正しい意味を問われると分からない部分も多いのではないでしょうか。まずは「八百長」の意味とその語源について深掘りしていきましょう。

「八百長」の意味

「八百長」には「なれあいで事を運ぶ」という意味合いがあります。前もって勝敗の打ち合わせをし、うわべだけ真剣に取り組んでいるかのように見える勝負を表す言葉です。事前に勝敗を決めたうえで進められる試合は「八百長試合」と呼ばれます。

プロスポーツの世界では公正が厳しく要求され、八百長試合はたびたび問題視されています。大相撲の世界では、2011年(平成23年)に八百長問題が発覚し、春場所が中止になる事態となりました。

また、世界ではサッカーやバスケットボールなど、プロスポーツ賭博をめぐる八百長試合も問題となっています。

やお‐ちょう〔やほチヤウ〕
《相撲会所に出入りしていた長兵衛という八百屋(通称八百長)が、ある相撲の年寄と碁ごを打つ際に、いつも1勝1敗になるように手加減していたことからという》
1 勝負事で、前もって勝敗を打ち合わせておいて、うわべだけ真剣に勝負すること。なれあいの勝負。「八百長試合」
2 なれあいで事を運ぶこと。「八百長の質疑応答」

出典:小学館 デジタル大辞泉

「八百長」の語源

「八百長」の語源は、かつて相撲部屋に出入りしていた「八百屋の長兵衛(ちょうべえ)」に由来するといわれています。

碁の名人だった長兵衛は、商売で出入りする相撲部屋の年寄り衆の碁の相手をつとめていました。とはいえ、商売相手である年寄り衆の機嫌を損ねるわけにはいきません。長兵衛は相手が退屈しないよう、1勝1敗程度に手加減しながら勝負したといいます。

長兵衛の通称が八百長だったこともあり、こうしたなれあいの勝負は、いつしか「八百長」と呼ばれるようになったようです。

囲碁
(c)Adobe Stock

「八百長」の類語や言い換え表現

「八百長」には、以下のような類語や言い換え表現があげられます。

・いかさま
・ずる
・横着(おうちゃく)
・チート
・ごまかし

言葉の意味を理解し、適切に使えるようになると語彙力が高まります。ビジネスや日常生活で自分の思いや状況を伝える際に便利です。ここではそれぞれの語句と「八百長」の共通点、違いなどについて確認していきましょう。

ギャンブルでイカサマしているイラスト
(c)Adobe Stock

いかさま

「いかさま」は漢字で「如何様」と書き、物事をいかにも本当らしく見せることを意味します。以下のように、勝負事のずるさや不正を表す言葉です。

・確かにこちらに勝機があったのに、こんな結果になるはずはない。いかさまだ!
・いかさまをして勝ったって、うれしいことなど何もない

また「いかさま」には「確かに」「本当に」という意味合いもあります。この場合は前述した表現と異なり、以下のように自分の考えが間違っていないことを伝えるフレーズになるため注意が必要です。

・いかさま思い返してみれば、当時の選択が今の成功へとつながっていると確信できる

ずる

「ずる」は「八百長」と同様に不正をすることを意味します。また、怠けることも表す言葉です。ずるく立ち回る様子は「ずる賢い」などと呼ばれます。

「八百長」の関係に勝者と敗者がいるのに対し、「ずる」は利益を得るために一個人が行うケースもあります。主な使用例は以下の通りです。

・ずる賢い手を使ってまで成功しようとは思わない
・学校をずる休みをして両親に叱られた

横着(おうちゃく)

「横着」はすべきことを故意に怠け、楽をしようとする様子を表す言葉です。主に「横着を決め込む」、「横着なやり方」のように用いられます。

「八百長」と異なり「わがまま」や「ずうずうしい」といった意味合いもあります。「横着者」のように、横着な人そのものを指すこともあるでしょう。

・仕事で疲れたので、横着をして夕食は宅配で済ませることにした
・初期段階で横着をして手を抜いたのが失敗の大きな要因だ

チート

「チート(cheat)」とは、いかさまや不正行為などを表す言葉です。日本では、主にゲームの世界で用いられます。

プログラムの不正改造や、キャラクターのパラメータ変更などがチート行為の一例です。その多くはプレイヤー自身がゲームを有利に進めるために行われます。

チート行為をするプレイヤーは「チーター」と呼ばれ、チートは法律に触れる恐れもあります。「八百長」と同様に、周囲に悪影響を及ぼす行為のひとつです。

ごまかし

「ごまかし」とは、周囲をだまし欺くことです。「誤魔化し」、「胡麻化し」などと当て字で書くこともあります。

目先や表面だけ取り繕う点では、「八百長」と同じ意味合いをもつ言葉といえます。自分の利益を目的に、都合のよいように話をするケースもあるでしょう。会話のなかでは、主に以下のように用いられます。

・その道に精通している彼には、素人のごまかしがきかないよ
・耳障りのよい表現でごまかすのはやめてください
・調子のいいことを言ったってもうごまかされませんよ

ストップを表すイラスト
(c)Adobe Stock

「八百長」を使った例文

前述したように、「八百長」は八百長試合や八百長問題のように用いられる言葉です。ここからは、それらを使った例文について詳しく紹介します。日常生活で「八百長」という言葉を使う際の参考にしてください。

・ゆうべの国際試合が八百長ではないかとネットニュースで話題になっている
・どんな条件を出されても八百長に関わるつもりはないよ
・感動的な試合だったのに、まさか八百長疑惑が持ち上がるとは
・公平を期するためにも八百長問題について真面目に考えていきたいと思う

「八百長」の意味を知り正しく活用しよう

「八百長」は、なれあいで事を運ぶことや勝負そのものを指す言葉です。日常生活では、八百長試合や八百長疑惑のように用いられます。

類語や言い換え表現も、不正をしたり人を欺いたりといった側面が強く見られるのが特徴です。社会で問題視されることも多く、ネガティブなイメージの強い言葉といえます。

これらの意味を正しく理解したうえで「八百長」という言葉を活用していきましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock

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