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2024.06.25

「バイアス」ってよく聞くけどどんな意味?ビジネスシーンでの意味や使い方まとめ

「バイアス」は、さまざまな意味を持つ言葉ですが、ビジネスシーンでは「先入観」「偏見」の意味で使われることが多いでしょう。この記事では、バイアスの意味や種類を紹介。バイアスの改善方法なども見ていきましょう。

(c) Adobe Stock

バイアスの意味とは

「それって、バイアスがかかっているよね」のように使う「バイアス」という言葉。何を意味するか、実は知らないという人もいるでしょう。

「バイアス」はさまざまな意味を持つ言葉ですが、今回はビジネスシーンでの使い方を中心に紹介します。後半では、バイアスの種類や、バイアスの改善方法についても触れますのでチェックしてくださいね。

意味

「バイアス」について辞書で調べてみました。

バイアス【bias】
1:織物の布目に対して斜めであること。また、それに沿って裁った布地。バイヤス。「生地を—に使う」
2:「バイアステープ」の略。
3:真空管やトランジスターを適切に作動させるため、その端子間に加える直流電圧。バイヤス。
4:㋐社会調査で、回答に偏りを生じさせる要因となるもの。質問文の用語や質問の態度などについていう。
㋑先入観。偏見。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

バイアスは、ソーイングなどのハンドメイドでも用いられている言葉です。「バイアステープ」とは、布目に対して斜めに裁った布テープのこと。襟ぐりや袖ぐりなどの縫い代の始末や縁どりなどに用いる手芸用品です。

ビジネスシーンでは「先入観」「偏見」「データの偏り」を指す

バイアスをビジネスシーンで使う場合は、「先入観」や「偏見」を指すことが多いでしょう。

ビジネスシーンでよく言われるのは、「バイアスがかからないように(=先入観や思い込みで物事を見ないように)」や、「バイアスがかかっている可能性がある(=先入観で物事を見ている可能性がある)」ということ。バイアスがかかると、認識の偏りが生じたり、誤った意思決定につながったりするため、注意が必要なのです。

また、統計に関連する事柄では、「データの偏り」の意味でバイアスを使うこともあります。

ビジネスシーンにおける「バイアス」のデメリット

ここからはビジネスシーンにおけるバイアスに絞り、デメリットを見ていきましょう。バイアスがもたらす悪影響にはどのようなことがあるのでしょうか?

(c) Adobe Stock

モチベーションやパフォーマンスの低下を招く

ビジネスシーンでもっとも懸念されるのが、バイアスが原因で社員のモチベーション低下や、パフォーマンス低下を招くことです。

たとえば、「バイアスにより正当な評価がされていない」「バイアスがかかっている状態で、プロジェクトから外された」というようなことがあると、社員のモチベーションは一気に低下するでしょう。職場や上司を信頼できなくなり、パフォーマンスが落ちる・生産性の低下を招くといったことも、起こりうるのです。

正確な判断ができなくなる

バイアスがかかると、正確に判断することができにくくなります。たとえば、「権威のある人の言動はすべて正しい」と思い込むと、事実を確認することなく判断してしまうでしょう。

また、「なかなか手に入らないらしい」「希少価値があるらしい」と思い込んで、事実確認を怠る、適正な取引を行わないというケースもあります。バイアスは、人から「正確に判断すること」を奪うことがあるのです。

採用や人事評価の公平性を欠く

採用や人事評価にも、バイアスは影響します。たとえば、「〇〇大学の学生なら活躍するだろう」と大学名で採用・不採用を決めるなどすると、本当に必要な人材を確保できなくなるでしょう。

また、偏った評価ばかりしていると、社員に不満が生じることも。採用や人事評価の公平性を欠いたことで、大量離職につながってしまうということも珍しくありません。

ハラスメントにつながることも

「男性なんだから〇〇」「女性は〇〇すべき」「外国人なら〇〇だろう」といった、根拠のない考えには、必ずと言っていいほどバイアスが潜んでいるもの。これが過度になり、ハラスメントにつながることもあります。

「バイアス」には種類がある

バイアスには、さまざまな種類があります。今回は、ビジネスシーンに影響を及ぼす可能性があるバイアスを2つピックアップしました。

「同調性バイアス」

「同調性バイアス」とは、所属集団に合わせた行動や、判断をする状態を指します。

同調性バイアスが強まると、多数派の意見ばかりが通り、異なる意見や見解を述べにくくなってしまいます。結果として、新しいことが生まれにくい環境となるでしょう。

「正常性バイアス」

明らかに問題のある事態に陥ったり、予想外の問題が発生したりしても、自分たちにとって都合の悪い情報をスルーし、根拠なく「自分たちは大丈夫」と思い込んでしまうのが「正常性バイアス」です。

たとえば、業界全体が危機的状況に陥り、競合他社が次々と倒産しているのに、「うちの会社は倒産をまぬがれるよ」と根拠もなく考えるのは、正常性バイアスによるもの。客観性を持って物事を判断する能力が低下してしまい、事業や経営に大きな影響を与えることがあります。

「バイアス」を改善するには?

バイアスがかかっていると感じたら、どのように改善すればいいでしょうか? その方法を見ていきましょう。

(c) Adobe Stock

まずは、バイアスを正しく知る

上述したように、バイアスにはたくさんの種類があります。まずは、バイアスについて正しく知るのがいいでしょう。バイアスを知ることで、自分や周りにあてはまる可能性があることに気がつくことができます。

自分の考え方や価値観を疑う

自分の考え方や価値観を疑ってみるのも大切です。自分が前提としていることにバイアスがかかっていないかどうか、書き出すなどして考えてみてください。現状と照らし合わせ、データや実績を分析しながら探るのもいいですね。

また、自分と反対の意見や情報を知るのも大切です。自分の意見をいったん横に置き、冷静に傾聴することでわかることがあるでしょう。

客観性のある基準を見つける

第三者の意見を聞くことや、事実に基づきながら検討し、客観性のある基準を見つけるのも大切です。意見と客観的事実は別物と捉えながら、情報収集を行いましょう。

複数の情報と第三者の意見を取り入れながら、自分の考えを調整することができれば、それがおのずとバイアス対策になるでしょう。

最後に

ビジネスシーンでの「バイアス」について、使い方やデメリットなどをまとめました。バイアスは誰もが持っているものです。バイアスを悪者と考えるのではなく、バイアスをよいように生かすことを考えたいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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