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2024.06.08

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は背中を押すことわざ|意味や使い方

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は、成功や目標達成を目指す人に好まれることわざ。座右の銘にする人もいます。この記事では、意味や使い方、由来、類語、英語表現などを紹介。意味を知ると、きっと挑戦したくなりますよ。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とは

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ということわざを聞いたことがあっても、どのような場面で使うのか、知らない人もいるでしょう。日常会話やビジネスシーンで使うこともありますので、意味だけでなく使い方も把握しておきたいですね。

本記事では「虎穴に入らずんば虎子を得ず」について調べてみました。まずは、意味と読み方を確認していきましょう。

意味と読み方

虎穴に入らずんば虎子を得ず
読み方:こけつにいらずんばこじをえず

《「後漢書」班超伝から》危険を冒さなければ、大きな成功は得られないことのたとえ。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

辞書で調べた「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味と読み方です。「虎穴」とは、動物の虎が住んでいる洞穴のこと。きわめて危険な場所のたとえとして用いられています。「虎子」は、動物の虎の子。転じて、非常に得がたいものをたとえる際に使うことがあります。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は、リスクを冒すことなく大きな成功をつかむことはできないことを表すことわざです。

由来は

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の由来とされるのが中国の『後漢書(ごかんしょ)』です。中国・後漢の班超(はんちょう)は、軍を率いる武将でした。

ある出来事が生じて士気が下がってしまった部下たち。彼らに対し、班超は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と語りかけました。この言葉に勇気づけられた班超の部下たちは一念発起。見事に勝利をつかんだのです。

このことがきっかけで知られるようになった「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。時と国を超え、今も語り継がれています。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の類語

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」には類語があります。「危ない橋も一度は渡れ」「危ない所に登らねば熟柿は食えぬ」の2つを紹介しますので、意味をチェックしてみてください。

(c) Adobe Stock

「危ない橋も一度は渡れ」

安全堅実だけでは成功はおぼつかない、一度はあえて冒険をしてみよという意味の「危ない橋も一度は渡れ」。「危ない橋」は冒険を指すと考えてください。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と同じような意味を表す言葉です。

「危ない所に登らねば熟柿は食えぬ」

「危ない所に登らねば熟柿は食えぬ」が表すのは、何事も危険を冒さなくては満足のいく結果や大きな利益は得られないということ。リスクを冒すことをしないと、成功をつかめないことを意味する言葉です。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を言い換えたいときに使えるでしょう。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の対義語

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の対義語についても見ていきましょう。「命あっての物種」「君子危うきに近寄らず」を紹介します。

「命あっての物種」

「命あっての物種」が意味するのは、何事も命があればこそで、死んでしまっては元も子もなくなるということ。ともかく生き延びることが大切で、生きていれば希望が芽生えるが、死んでしまうと花や実は咲かない。生命にかかわる危険はなんとしても回避せよということを示す言葉です。「いのちあってのものだね」と読みます。

「君子危うきに近寄らず」

徳や身分の高い人は、自ら危険を冒すようなことはしないという意味の「君子危うきに近寄らず」。「くんしあやうきにちかよらず」と読みます。慎重に行動すべきであるということのたとえとして用いる言葉。自ら危険に近づくことはするな、という注意喚起の意味で使われています。

(c) Adobe Stock

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の使い方

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の使い方を見ていきましょう。紹介する例文をチェックしてください。

【例1】大きな成功をつかんだ人は、虎穴に入らずんば虎子を得ずと考えて行動することが多い

立派な成功をおさめたり、貢献をしたりした人は、危険を冒さなければ大きな成功は得られないと考えて行動することが多いでしょう。チャンスをつかむには、ピンチを恐れることなくチャレンジすることが大切であることを伝える際に、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を用いることがあります。

【例2】今回は失敗してしまったが、虎穴に入らずんば虎子を得ずというし、次に生かせることがあるはずだ

失敗することは大きなリスクです。しかし、たとえ失敗したとしても、それが経験値になり、次に生かすことができるはず。得るものは必ずあるのです。例文が表すのはまさにそのこと。クオリティやレベルを上げるためには、失敗は欠かせない要素といえるでしょう。

【例3】たとえ勝ち目がなかったとしても、虎穴に入らずんば虎子を得ず。リスクを承知で進めていこう。

成功する確率が低いとしても、そこで諦めずに物事を進めようと決意するさまを表す例文です。土壇場から大逆転して成功をつかむというのは、めずらしい話ではないかもしれません。このことわざを胸に、歩みを進める人もいるでしょう。

【例4】本気で成功したいなら、虎穴に入らずんば虎子を得ずでリスクを取るべきだよ。

成功や目標達成を目指す人に対して、リスクを取ることの大切さを伝える際に「虎穴に入らずんば虎子を得ず」をたとえとして用いることがあります。成功をつかむために行動するのは勇気が要るもの。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は背中を押してくれることわざといえるでしょう。

(c) Adobe Stock

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を英語にすると?

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を英語で表現したい場合は、次の文言を使うといいでしょう。

Nothing ventured, nothing gained.
直訳:冒険しないなら、何も得られない

上記はいずれも意訳になりますが、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味を表現することができます。

最後に

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」について、意味や由来、類語、使い方や英語表現について紹介しました。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を座右の銘にしている人もいますよね。リスクがあったとしても、それに立ち向かい成功をつかもうと考える人に好まれるでしょう。何があっても諦めず、チャレンジし続けることの大切さを説くことわざです。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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