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2024.06.28

狐の嫁入りとは?意味は2つある?言葉の由来や言葉にまつわる地域の行事を解説

狐の嫁入りとは、天気雨のことです。狐火という、闇夜に山野などで光って見える現象を指す場合もあります。本記事では、狐の嫁入りの意味や言葉の由来、各地に伝わる伝統行事などを紹介。天気雨のその他の呼び方も解説するため、参考にしてください。

狐の嫁入りとは?

狐の嫁入り(きつねのよめいり)とは、晴れているのに降る天気雨のことです。このほか、夜、山野でみられる狐火を指す場合もあります。

ここでは、狐の嫁入りの意味や言葉の由来を解説します。

天気雨のこと

狐の嫁入りは、空が晴れているのに突然雨が降ってくる天気雨を指します。狐の嫁入りというときは、一般的に天気雨を指すことが多いでしょう。

晴れているのに雨が降るという現象は不思議なことであり、まだ天気雨の科学的な理由が解明されていない時代には、まるで狐に化かされている怪奇現象のようだと捉えられていました。

天気雨の仕組み

天気雨は、当然ながら狐に化かされているわけではなく、科学的な理由があります。

天気雨が降る理由はいくつかあり、そのひとつは、雨を降らせた雲が消えたことによるものです。雲の中で作られた雨が地上に落ちるまでには時間がかかり、小さな雨粒の場合は10分以上かかるとされています。その間に雲が消え、雨が降ってきたころには青空になっているという状況が考えられます。

雨を降らせた雲が小さいために、雨が降っても空は晴れているように見えることもあるようです。

また、離れた場所にある雲の中で作られた雨が上空の強い風によって流され、もともと天気だった場所で雨が降ることも天気雨が降る理由のひとつとされています。

きつね‐の‐よめいり
1 日が照っているのに、急に雨がぱらつくこと。日照り雨。
2 夜、山野で狐火が連なって、嫁入り行列の提灯ちょうちんのように見えるもの。

引用:小学館 デジタル大辞泉
青空と傘
(c)Adobestock

言葉の由来

天気雨を狐の嫁入りと呼ぶのは、いくつかの説があります。そのひとつが、狐は人間を化かす動物であるという民間伝承です。

古くから狐は、変身して人間を騙したりいたずらをしたりする動物と考えられていました。日中に行われる狐の嫁入り行列を人間に見られないよう、偽りの雨を降らせて家から出られないようにしたというのが言葉の由来とされています。

天気雨を狐の嫁入りと呼ぶ地域は、関東よりも関西が多いという調査結果もあるようです。その理由は、関西から中国地方にかけて、「狐の寒施行(かんせぎょう)」という古くからの行事に由来すると考えられています。狐の寒施行は、狐の餌が少なくなる寒い時期に、赤飯や油揚げなどを田畑や山野に置き、施しをする行事です。

狐火という意味もある

狐の嫁入りは、狐火(きつねび)が山野で連なっている様子という意味もあります。狐火とは、闇夜に山野などで光って見える青白い火のことです。

光の異常屈折によるものとされていますが、近くに寄ろうとすると、途中で火が消えてしまいます。狐の口から吐き出された火のように見えることから、狐火と呼ばれているようです。

この狐火は、提灯行列のように連なって見えることから狐の嫁入りとも呼ばれることがあります。

各地に残る狐の嫁入りの言い伝え・行事

日本の各地には、狐の嫁入りの言い伝えが今でも残されています。特に狐火がみられていた地域では、現代でも狐の嫁入りの行事が行われています。

ここでは、代表的な京都と新潟の言い伝え・行事をみていきましょう。

曇り空
(c)Adobestock

【京都府】高台寺周辺の狐火

京都市東山区の高台寺周辺では、毎年春の夜に狐の嫁入り行列が催されてきました。狐の面をかぶった白無垢姿の女性が人力車に乗り、行列を組んでライトアップされた夜道を練り歩く行事です。

高台寺周辺はかつて鳥辺野(とりべの)と呼ばれ、平安時代に三大葬送地とされていた場所。鳥辺野では、狐火がよくみられたとされています。花嫁が夜に嫁ぎ先まで歩いて行く提灯行列が狐火に似ていることから、その行列を「狐の嫁入り」と呼ぶようになりました。

行列は高台寺や地元の業者などで構成する実行委員会により、約20年前から実施されています。5日前後の日程で開催され、花嫁役は毎年公募で決定していたようです。

催しは20年間続きましたが、運営するボランティアの負担が大きいなどの理由で、20回目の節目となる2024年4月を最後に終了となっています。

【新潟県】つがわ狐の嫁入り行列

つがわ狐の嫁入り行列は、新潟県阿賀町の津川地域で続く恒例行事です。狐メイクを施した白無垢姿の花嫁が、お供を連れて街道を練り歩きます。

阿賀町にある麒麟山には狐がいて、毎晩のように狐の声が聞こえ、狐火がみられたというのが行事の由来のようです。昔の嫁入りは夜にかけて行われ、暗くなってからは提灯を掲げて歩いていました。この提灯の灯りと狐火が、並行してみえていたとされています。

開催の第1回は1990年。それ以前も小規模の行事が行われていましたが、狐火の言い伝えをもとに地域を盛り上げようと、津川商工会などが中心になって開催を決めたのだそうです。花嫁・花婿役は毎年公募が行われ、公開オーディションで決定されています。

行列は夕方から夜にかけて行われ、町では灯りを消し、たいまつや提灯で幻想的な雰囲気を演出しているそうです。

天気雨のその他の呼び方

天気雨は、狐の嫁入り以外にもさまざまな呼び方があります。

・狐雨
・狐のご祝儀
・日向(ひなた)雨
・日和(ひより)雨
・ひでり雨(日照雨)
・戯(そばえ)雨

傘と雨
(c) Adobe Stock

また、天気雨は動物に例えられることが多く、イタリアやイギリスの一部の地方でも日本と同じく狐の名前が、ブルガリアの一部の地域では熊、韓国では虎にたとえられているようです。

狐の嫁入りの意味を覚えておこう

狐の嫁入りとは、天気雨という意味で使われます。天気雨はさまざまな理由で発生しますが、古い時代には晴れた日に降る雨を怪奇現象と捉えられていました。狐に化かされているのではないかと考えられていたことが、言葉の由来とされています。

また、狐の嫁入りは狐火という意味でも使われ、よく狐火がみられていた地域では狐の嫁入りの民間伝承が現代にも続いており、行事も行われています。

メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock

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