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この記事のサマリー
・「鯉の滝登り」は、勢いよく伸びることや立身出世をたとえる言い回しです。
・語源は中国の故事にあり、急流を上る鯉の姿が、努力の末の飛躍と重ねられています。
・使い方は人の出世だけでなく、企業や成績などが目覚ましく伸びる場面にもなじみます。
「鯉の滝登り」という言葉を見聞きしたとき、なんとなく縁起のいい表現だと感じても、意味や由来までははっきり説明しにくいかもしれません。
似た言い回しもあり、どこまで同じように使えるのか迷うこともありますね。言葉の輪郭を落ち着いてたどっていくと、見えてくるものがありますよ。この記事では、「鯉の滝登り」について見ていきます。
「鯉の滝登り」とは?
まずは読み方と意味から確認しましょう。
読み方と意味
「鯉の滝登り」の読み方は、「こいのたきのぼり」。意味を辞書で確認してみると、
1 鯉が滝をのぼること。また、勢いのよいことのたとえ。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
2 《黄河の上流にある滝、竜門を登ることのできた鯉は竜になるという「後漢書」党錮伝の故事から》立身出世することのたとえ。
と記載されています。「勢いがいいこと」と「立身出世すること」という2つの意味があるようですね。
事業に成功して出世を果たした人や、学業で良い成績を残した時などに、「鯉の滝登りのようだ」と表現することができます。

由来
「鯉の滝登り」の由来は、中国の故事にあります。黄河の急流にある竜門を多くの魚が上ろうとしたものの、上り切れたものだけが龍になるとされたことから、「鯉の滝登り」は勢いよく伸びることや、立身出世することのたとえとして使われるようになりました。
この言い回しを理解する上で押さえたいのは、苦難を乗り越えて上へ進むイメージです。単に上昇する様子を表すだけでなく、努力の末に道を切り開くような場面にも重ねて用いられます。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
使い方を例文でチェック!
「鯉の滝登り」は、立身出世を表す場合だけでなく、勢いよく伸びていく様子をたとえる場合にも使われます。学業や仕事の場面で、人や組織が目覚ましく成長していることを表したいときに使いやすい言葉です。代表的な例を見ていきましょう。

優秀だと評判の鈴木さんは、まるで鯉の滝登りのように出世している。
「鯉の滝登り」は、この例文のように、目覚ましい勢いで出世していく人をたとえるときに使えます。困難を乗り越えながら昇進していく様子に、鯉が急流を上るイメージを重ねた表現といえるでしょう。前向きな成長や飛躍を表す言い回しとして用いられます。
そのベンチャー企業は、鯉の滝登りのごとく急成長している。
この例文では、企業が勢いよく成長している様子を「鯉の滝登り」にたとえています。人の出世だけでなく、組織や事業が目覚ましく伸びていく場面にも使えるため、仕事の文脈でも取り入れやすい表現です。
兄は、全国模試でどんどん成績が上がっている。まるで鯉の滝登りみたいだ。
学業の場面でも、「鯉の滝登り」は成績や評価が目に見えて伸びている様子を表すのに使えます。試験のたびに結果が上向いていくような場面では、努力が実を結びながら前進している印象を、端的に伝えやすい言い回しです。
「及ばぬ鯉の滝登り」とは?
「及ばぬ鯉の滝登り」は、「鯉」に「恋」を掛けたしゃれを含む言い回しです。身分などがつり合わず、かなう見込みのない恋を指して使われることで知られています。
ただし、この表現は恋愛に限らず、到底かなわない望みや、実現がきわめて難しいことをたとえる場合にも用いられます。
江戸時代の川柳の句集『柳多留(やなぎだる)』に見られることからも、古くから使われてきた言い回しであることがわかります。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
類語や言い換え表現は?
「鯉の滝登り」と近い表現としては、「うなぎのぼり」や「登竜門」が挙げられます。ただし、まったく同じ意味ではないため、それぞれの違いもあわせて押さえておくと使い分けがしやすくなりますよ。

うなぎのぼり
「うなぎのぼり」は、立身出世や売上、人気のように好ましい上昇だけでなく、気温や物価のように幅広い対象の急上昇を表せる言葉です。
(例文)
・W杯でゴールを決めたA選手の人気はうなぎのぼりだ。
・最近物価がうなぎのぼりで、スーパーでは主婦が悲鳴を上げている。
登竜門
「登竜門」も、中国の故事に由来する言葉です。立身出世につながる重要な関門を指し、成功そのものよりも、成功へ向かうための難しい入り口に重点があります。
オーディションや新人賞、難関試験などを指して使われることが多く、「鯉の滝登り」と背景は近くても、使う場面には違いがあります。
(例文)
・歌手になるという夢を持っている弟は、人気オーディション番組への出演が決まった。
・その大学の法学部に入ることは、エリート弁護士になるための登竜門だ。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「鯉の滝登り」に関するFAQ
ここでは、「鯉の滝登り」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「鯉の滝登り」とはどんな意味ですか?
A. 「鯉の滝登り」は、勢いよく伸びること、また立身出世することをたとえる言葉です。
Q2. 「鯉の滝登り」の由来は何ですか?
A. 中国の故事に由来します。急流にある竜門を上り切った魚は龍になるとされたことから、困難を越えて上へ進むことのたとえとして用いられるようになりました。
Q3. 「鯉の滝登り」はどんな場面で使えますか?
A. 昇進や出世を語る場面のほか、会社の成長、成績の上昇、活躍の広がりなど、物事が勢いよく伸びている場面でも使えます。
最後に
「鯉の滝登り」は、上へ向かって進む姿が目に浮かぶ、晴れやかな言葉です。意味や由来、近い表現との違いを知ると、言葉の景色がやわらかく広がります。
何気なく使っていた言い回しも、背景を知ることで、ぐっと親しみのあるものに感じられますね。
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