「根掘り葉掘り」とは?
しつこく詮索されて、嫌な気持ちになったことはありませんか? 噂話が好きな人は、特にこまかく聞いてきますよね。しつこく、こまごまと聞かれることを「根掘り葉掘り聞かれる」と表現しますが、この「根掘り葉掘り」の意味や由来を見ていきましょう。後半では「根掘り葉掘り聞かれた時の対処法」にも触れます。チェックしてくださいね。
意味
【根掘り葉掘り】
読み方:ねほりはほり
[副]《「葉掘り」は「根掘り」に語調を合わせたもの》徹底的に。しつこくこまごまと。「わけを—尋ねる」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「根掘り葉掘り」を辞書で調べてみたところ、上記の意味があるとわかりました。隅から隅までじっくりと詮索するさまを表す言葉と言えるでしょう。
由来は
「根掘り葉掘り」の「根掘り」とは、植物の根を掘ることの意。土の中にある根っこはあらゆる方向に深く広がり、植物全体を動かしにくくしますが、その分、掘るのは大変。広がっている根を徹底的に掘り起こさなければなりません。これが転じたのが「根掘り葉掘り」とされていますが、「葉を掘る」とは言いませんよね。
実は「葉掘り」は、「根掘り」に言葉の調子を合わせて生まれたそう。「葉掘り」自体に意味はないとされています。
「根掘り葉掘り」はどう使う?
「根掘り葉掘り」という言葉は、会話でよく使うかもしれません。ここからは、使い方を見ていきましょう。
特徴
「根掘り葉掘り」は、「聞く」「尋ねる」「質問する」などの言葉をつけて使います。基本的には何かを質問されたり、事情を尋ねられたりしたあとに登場することが多いでしょう。
シチュエーションとしては、しつこくこまごまと質問されたり、徹底して細部まで聞かれたりしたさまを表現する際にこの言葉を使います。基本的には「こまごまと質問されて不快だった」「しつこく尋ねられて嫌だ」といった状況を表すことが多いでしょう。
例文
「根掘り葉掘り」の具体的な使い方を例文で見ていきましょう。
《例文》
・先輩と食事に行っただけなのに、それを見た人から根掘り葉掘り聞かれてうんざりした
・今回の不祥事について根掘り葉掘り尋ねるのは私も嫌だが、原因は追及しないといけない
・彼女が誰かに根掘り葉掘り質問するのを見るたび、彼女とは距離をおこうと思う
例文はいずれも、「しつこくこまごまと聞く」「徹底的に質問される」ことを表します。プラスの意味合いで使われることはあまりないことがわかりますね。
会話例
会話で「根掘り葉掘り」を使う場合をチェックしましょう。オフィスでAさんがしたミスについて、Bさんと話しています。
B「Aさんがミスするなんて、めずらしいね」
A「言い訳になるけど、病み上がりで頭がボーッとしてたんだよね…」
B「無理していたんだね。部長には報告したの?」
A「課長が報告したはずだけど、私はまだ何も話してない」
B「部長はこまかいから、根掘り葉掘り聞かれる前に自分から謝りに行く方がいいかもよ」
A「そうだよね。課長に相談して、OKが出たら部長に謝るよ。それにしても気が重いなぁ…」
ミスをした時、上長に「根掘り葉掘り聞かれる」のはよくあることですよね。原因追及をしなければならないため、避けられないことではあるものの、報告する側の気持ちは沈んでしまうでしょう。
ミス発生時の状況を自らまとめて説明できるレベルにしておく、可能であれば自ら謝罪に行くなどすると、「根掘り葉掘り聞かれて困る」ことにはならないかもしれません。
「根掘り葉掘り」に似た言葉
「根掘り葉掘り」と似た言葉を紹介します。シチュエーションによっては、「根掘り葉掘り」を言い換える際に使えるかもしれません。それぞれの意味をチェックしていきましょう。
「質問攻め」
「質問攻め」とは、相手に対して続けざまに質問することを意味します。読み方は「しつもんぜめ」。質問→回答→さらに質問という具合に、次々と質問される状況を表すと言えるでしょう。「質問攻めにする」「質問攻めにあう」のように使います。
《例文》論文発表会で質問攻めにされ、とても疲れました
「詰問」
相手を責めて厳しく問いただすのが「詰問」です。読み方は「きつもん」。相手を責めるというニュアンスを含みますので、その点が「根掘り葉掘り」とは異なります。「根掘り葉掘り」を「詰問」に言い換える場合には、シチュエーションに注意してください。「詰問する」と表します。
《例文》パートナーに詰問してしまい、大喧嘩になった
「根掘り葉掘り」聞かれた時の対処法
日常やビジネスシーンで「根掘り葉掘り」聞かれるのはよくあることかもしれません。そのような場合に使える対処法を紹介します。参考にしてくださいね。
話題を変える
「根掘り葉掘り聞かれて嫌だな」と感じたら、さりげなく話題を変えてみてください。「話は変わるけど、この間のニュース見ました?」「そういえば話題の映画、ご覧になりました?」などのように切り出すといいですね。
また、「話を変えていいですか?」「思い出したことがあるので聞いてもいいですか?」のように、一言断るのも一つ。意外とスムーズに話題を変えられるかもしれません。
相手に同じ質問をしてみる
答えにくいことを質問されたら、その質問を相手にしてみるのもいいでしょう。「◯◯さんは、どうですか?」「あなたはどうなの?」のようにそのまま聞き返すのです。しつこく聞いてくる人は、自分のことを話したがらないことが多いもの。こちらが質問することで相手の方が話を変える、あるいは話を打ち切ることもあるでしょう。
素直に「言いたくない」と言ってみる
やんわりと答えないようにしているのに、まだしつこく聞いてくるなら、素直に「言いたくない」と伝えてみるのも一つです。言わない理由を聞かれるかもしれませんが、もちろん答えなくてOK。無理に答える必要はないのです。
その場から離れる
「言いたくない」と伝えているのにまだ聞いてくるなら、その場から離れるといいでしょう。「ちょっと用事を思い出したので」「◯時に電話がかかってくる予定なので」と端的に伝え、サッと立ち去ります。あまりにしつこいようなら、その人とは適度に距離をおき、近づきすぎないようにするといいですね。
最後に
「根掘り葉掘り」という言葉の意味や使い方、「根掘り葉掘り」聞かれた時の対処法をまとめました。悪意がないとしても、しつこく聞かれるのは疲れますよね。無理に答える必要はないと割り切り、うまく相手を交わすようにしてください。
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