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「三度目の正直」の意味とは?
「三度目の正直」は、みなさんもよく使う言葉ですよね。慣用句の中でも、意味を知っている方が多い表現なのではないでしょうか? ここでは今一度、意味を確認していきましょう。
「三度目の正直」とはその文字通り、「一度や二度上手くいかなかったことも、三度目には確かな結果が得られる」という意味です。時に占いや賭け事、勝負事に使うことが多いでしょう。例えば、アタリかハズレが書かれたくじを引く時、一回目や二回目でハズレが出ても、私たちは「三度目の正直! 」と言って三回目を引いたりします。
これは一種の運任せのようなもので、「三回目には期待している結果が出るだろう」という願望を込めた慣用句とも言えるでしょう。また、最初の二回とも思うような結果が出なかった時、自分を励ますために「三度目の正直だ」と使ったりもします。
「三度目の正直」は、元々「三度目の神正直」または「三度目の神は正直」ということわざだったそう。これは、「物事は三回目で、神や運の本来の力が発揮される」という意味を表します。つまり、一回目や二回目ではあてにならないことも、三回続いてその結果が出れば確かであるということ。昔から、とにかく「三回目」が最も重要視されていたことが分かりますね。
使い方を例文でチェックしよう!
「三度目の正直」以外にも、「三」を使った慣用句はいくつかありますよね。それらの表現と使い方を混同してしまわないよう、気をつけましょう。以下では、例文を用いて使い方を解説していきます。
1:三度目の正直と言うし、ここで終わるのはもったいないよ。
「三度目の正直」は、誰かを励ます時に使うことが多いでしょう。実際に、このような励ましを受けた方もいるかもしれませんね。最初のうちに思うような結果が出ず、落ち込んでいる人に向けて「まだダメだと決まったわけじゃないから、諦めないで」というようなニュアンスを込めて使います。
2:二回落ちた試験に、三度目の正直でやっと受かった。
これは自分に対して使う場合ですね。一回目と二回目は上手くいかなかったが、三回目に期待通りの結果が得られるという状況です。この場合は、「二度失敗しているから、三回目では絶対に成功させよう」というような意気込みも含まれているでしょう。
3:そろそろ推しのサイン入りCDを引きたい。三度目の正直でもう一度だけ買ってみよう。
物事の三回目というのは、神や運が力を発揮すると考えられているため、やはり特別なものです。そのためもし三回目でダメならば、もう諦めようと考える人もいるでしょう。特に、この例文のような運勝負の場面では、三回という数字で区切りをつけようとする人も多いのです。
4:あの子はもう既に二回遅刻している。三度目の正直でなおさなければ愛想を尽かされるだろう。
「三度目の正直」には、結果が良くても悪くても、三回目に起こったことが正しいというニュアンスが含まれています。そのため、ビジネスの場でもし三回同じミスをしてしまったとしたら、あなたの評価がそこで決まってしまう可能性もあるでしょう。反対に、一度や二度ミスをしてしまっても、三度目で正しく修正できれば、ミスを取り返せるかもしれないということです。
似ていることわざには何がある?
「三度目の正直」と似た意味を持つことわざには、「三度目は定の目(さんどめはじょうのめ)」や「二度目の見直し三度目の正直」が挙げられます。それぞれの意味について見ていきましょう。
1:三度目は定の目(さんどめはじょうのめ)
「三度目の正直」と同義で使うことができるでしょう。「定(じょう)」という漢字には、「決まっていること・確かなこと」というような意味があります。「さだめ」とも読める漢字ですが、読み方を間違えないようにしましょう。
2:二度目の見直し三度目の正直
一度見ただけでは不確実なために、二度目でも見直す必要があり、三度目でやっと正確に観察したと言える。言葉通りの意味ですね。物事を正確に捉えようとすると、三回の確認が必要ということです。「三度目の正直」とは少しニュアンスが違いますが、何かを決断する際に、一回目と二回目がダメでも、三回目を吟味してから判断すべきだという点では共通していると言えるでしょう。
「三度目の正直」の反対の意味を持つ言葉は?
では「三度目の正直」とは、反対の意味をもつ表現にはどのようなものがあるのでしょうか? 代表的なことわざとして、「二度あることは三度ある」を取り上げて解説していきます。
二度あることは三度ある
同じようなことが二回あれば、三回目も同じように繰り返されるということです。良い意味で使うというよりは、不幸なことや好ましくないことについて使うのが一般的でしょう。二回起こったことは、次もまた起こるかもしれないと警戒するべきであるという教訓です。一回目と二回目が思うようにならなくても、三回目で期待する結果が得られるという「三度目の正直」とは対義語として使えるでしょう。
「三度目の正直」を英語で言うと…?
最後に、「三度目の正直」の英語表現について解説していきます。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
1:Third time’s the charm.
charmとは、日本語で「魔法・おまじない」というような意味を表します。直訳すると、「三回目は魔法の回」となりますね。つまり、「三度目は幸運に恵まれるはず」ということを意味しているのです。「三度目の正直」と同じように、誰かを励ます際に使うことができるでしょう。
2:Third time lucky.
上記と似ている表現ですが、こちらも「三度目の正直」を表す言い回しです。luckyは皆さんもご存知の通り、「幸運・運良く何かが起こる」というような意味ですよね。よって「Third time lucky」も「三回目は良いことが起こる」という意味で使うことができるでしょう。
最後に
「三度目の正直」は、一回目や二回目には上手くいかないことでも、三回目には思い通りの結果になるという意味の慣用句でした。チャレンジすることを諦めている人に、励ましの言葉として使うこともあれば、「次こそは結果を出そう」と自分を鼓舞する言葉としても使います。意味は1つでも、解釈によって様々な使い方があるというのが面白いですね。
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