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2023.10.03

「石橋を叩いて渡る」の意味って? 例文や似ていることわざ・反対語を紹介!

「石橋を叩いて渡る」とは、用心に用心を重ねること。頑丈な石橋であっても、渡る前に安全かどうか叩いて確認することからこのような意味を表しています。「石橋を叩いて渡る」は用心深い性格を表しますが、時には皮肉として使われることも…。使い方や類語・対義語表現についても見ていきましょう。

「石橋を叩いて渡る」の意味とは?

小学生の頃に、このことわざを習った記憶があるという方も多いのではないでしょうか? 石橋を叩いてから渡る、という言葉からなんとなく意味は予測できそうですね。早速、正確な意味を確認していきましょう。

石橋
(c)Adobe Stock

「石橋を叩いて渡る」とは、用心の上にさらに用心を重ねることを意味しています。どうみても頑丈で安全だと思われる、石橋。しかし、渡る前にもう一度叩いて崩れないかどうか確認することから、用心深い様子が読み取れるでしょう。安全だと分かっていても、確認を怠らない慎重さを表す言葉です。

「石橋を叩いて渡る」は、時に皮肉を込めたニュアンスで使うこともあります。慎重な性格は良いことですが、行動に移すまでに時間がかかったり、臆病であるといったデメリットとして捉えられることもあるでしょう。このように、ポジティブな意味とネガティブな意味のどちらでも解釈できる言葉なので、使い分けに注意する必要があります。

使い方を例文でチェック!

「石橋を叩いて渡る」ということわざは、人の性格を表す時に使うことができます。ビジネスでは、メンバーの気を引き締め、慎重に仕事を進めたい時などに使う場合もあるでしょう。ここでは、いくつか例文を挙げながら、正しい使い方について解説していきますね。

下から覗く猫
(c)Adobe Stock

1:「リーダーが石橋を叩いて渡るような人なので、このチームは忘れ物をしたことがない」

石橋を叩いて渡る性格の人は、忘れ物が少ない傾向にあります。その場を立ち去る際に、なにも置き忘れてないか用心深くチェックしてくれるため、周りにいると安心でしょう。慎重に物事を行う人であるため、ミスも少なく、信頼も得られやすいタイプです。

2:「石橋を叩いて渡る性格をしている彼は、買い物にとても時間がかかる」

上記は良い意味で使われていたのに対して、ここではネガティブな意味で使われています。心配性な人は、1つの服を買うにしても試着を繰り返したり、優柔不断になったりすることがあるでしょう。慎重過ぎるあまり、決断に多くの時間がかかってしまうため、周りをイライラさせてしまうこともあるかもしれません。

3:「重大なプロジェクトなので、皆石橋を叩いて渡る気持ちで臨んで欲しい」

ビジネスでは、慎重に仕事を進めたい時に「石橋を叩いて渡る」という表現を使うことがあります。特に、会社の利益が大きく関係する企画などは、気を引き締めてミスのないよう進めなければなりません。石橋を叩いて渡るように、注意深い行動を心がけましょう。

4:「石橋を叩いて渡るのは良いが、締切に余裕をもって提出していただきたい」

例えば企画書を提出するとなった時、あまりに慎重に作成していても締切に間に合わなければ意味がありませんよね。何度も読み直して修正するのは注意深くて良いことです。しかし、過度な用心深さは仕事の効率化に悪影響を与えるでしょう。何事も度が過ぎては、欠点となってしまうのです。

似ていることわざや類語を紹介!

「石橋を叩いて渡る」と似ていることわざは、意外とたくさんあります。ことわざだけではなく、類語表現についても解説していきますので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

ノートのメモする女性
(c)Adobe Stock

1:念には念を入れよ

「十分注意したと思っても、もう一度注意を重ねなさい」という意味です。大切なことは二重に確認する必要があるということですね。「念には念を押せ」、「念には念をつがえ」のどちらも同じ意味を表します。

2:備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし)

普段から、いざという時のために準備しておけば、万一何かが起こっても心配する必要がないということ。「憂い」は「そなえ」とあわせて「うれえ」と読まれることもあります。「石橋を叩いて渡る」のように、もしもの時のために備えて行動することが大切だということですね。

3:転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)

転ぶ前にあらかじめ杖をついておくことから、事前に注意していれば失敗しないという意味。何かが起こる前に、用心して手を打っておくことの大切さを説いています。

4:抜け目がない

「抜け目がない準備」などと言ったりしますよね。注意深く、欠けているところや手ぬかりがないということです。また、自分の利益になりえそうな機会を逃さないという意味で使うこともあるでしょう。

反対語には何がある?

次に「石橋を叩いて渡る」とは反対の意味をもつ言葉を紹介していきます。3つに絞って見ていきましょう。

1:一か八か(いちかばちか)

結果がどうなるか分からないことを、天に運をまかせて思いっきりやってみること。日常生活でもよく使う言葉ですね。「当たって砕けろ」も似た意味で、成功するしないを気にせずまずは行動に移すべきだということを表しています。

2:軽率(けいそつ)

十分に考えないまま行動したり、決断したりすることです。「軽はずみ」と言ったりもしますね。「石橋を叩いて渡る」とは反対に、慎重さの欠ける発言や行動のことを指します。

3:後先構わず(あとさきかまわず)

「後先無しに」と言ったりもします。物事を行う時に前後の事情を考慮せず、どうなるか考えないまま動くことを意味する言葉。「後先構わず動いていると、いずれ痛い目に合うよ」などという例文が挙げられるでしょう。

最後に

石橋を叩いて渡る性格には、メリットとデメリットがあることがわかりました。行動や考え方が慎重で、軽はずみな行動を取らないため、石橋を叩いて渡るタイプの人は信頼されやすいものです。ただ、決断に時間がかかったり、臆病な性格でもあるため、なかなか行動に移せないというデメリットもあるでしょう。用心深いのは良いことですが、過度なレベルにならないよう気をつけたいですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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