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2026.05.21

「前者・後者」の意味と使い方を整理|3つ以上を指す場合は何と言う?

「前者」とは二つあるもののうち前のものを、「後者」は後のものを示す言葉。「者」という漢字が使われていますが、対象は人でなくても使えます。この記事では「前者後者」について、意味や使い方、言い換えや英語表現、よくある疑問と回答まで解説します。

この記事のサマリー

・「前者・後者」は、二つ挙げたものの前と後を指す文章語です。
・「前述・後述」、「前記・後記」は文章参照の語で、前者・後者と同じ場面では基本的に使いません。
・英語は“the former”(前者)と“” the latter(後者)が対応します。

メールで「前者」「後者」と書いた瞬間、「読み手にきちんと伝わるだろうか?」と不安になることがあります。そこでこの記事では、「前者」と「後者」について詳しく見ていきます。

「前者」「後者」とは?

「者」は人を表すことが多い漢字ですが、「前者・後者」の場合はどうでしょうか? まずは、改めて言葉の意味をおさらいしておきましょう。

意味

「前者後者」は「ぜんしゃこうしゃ」と読み、「前者」とは2つあるもののうち「前のもの」、「後者」は「後のもの」という意味です。「者」という漢字が使われていますが、対象は人以外にも使えます。

辞書では次のように説明されていますよ。

ぜん‐しゃ【前者】
二つ示したもののうち、前のもの。⇔後者。

こう‐しゃ【後者】
1 二つ挙げたうちのあとのもの。⇔前者。
2 あとに続く者。後世の人。

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

使う際の注意点

ビジネスで使われることから、「前者・後者」という言葉にはかしこまったイメージがありませんか? 使う際の注意点もチェックしておきましょう。

3つ以上のものには使わない

「前者後者」は、比較するものが2つある時、先に説明したものを「前者」、後に説明したものを「後者」と言い表します。比較対象が3つ以上になると、読み手が「前者・後者」がどれを指すのかわかりにくくなるため、「一つ目・二つ目・三つ目」など別の示し方に切り替えるのが無難です。

セットで使う

「前者」と「後者」は、2つの事柄を並べた上で指し示すときに便利な組み合わせです。先に説明したものを「前者」と書いたなら、対応するもう一方は「後者」とそろえて示すと、読み手が理解しやすくなります。

また、「前述・後述」「前記・後記」は、文章内の参照に使われる近い働きの語ですが、「前者・後者」と同じ場面でいつでも置き換えられるわけではありません。意味の軸(「二つのうち前/後」なのか、「前に述べた/後で述べる」なのか)をそろえて使い分けましょう。

会話よりも書面がベター

「前者・後者」は、2つのものの説明が長くなったときに、同じ説明を繰り返さずに済む便利な言葉です。主に書面やメールで使われる文章語になります。

参考:『角川類語新辞典』(角川書店)

パソコンを見ながらメモをとる女性
(c)Shutterstock.com

何を示しているのか明確に

長い説明を繰り返さなくてすむため、非常に便利な言葉ですが、その分、「前者」と「後者」がそれぞれ何を示しているのか、明確に書き記す必要があります。

比較される2つのものを対象としていることが多いため、前者は「人」の説明なのに、後者は「状況」の説明など、比較できないちぐはぐな内容にならないように気をつけたいですね。

使い方を例文でチェック!

「前者・後者」の意味や使い方の注意点を確認したところで、さっそく具体的な例文を見てみましょう!

「人は2つのタイプに分けることができる。ひとりで過ごすことを好み、じっくりと物事に取り組み、外に刺激を求めないタイプと、人と交流することを好み、飽きっぽく、外に刺激を求めるタイプだ。前者を内向型と呼び、後者を外向型と呼ぶ。」

この例文では、人は「内向型」と「外向型」の2つのタイプに分けられると説明しています。内向型と外向型の説明が長いため、次の文で「前者後者」を使うことで、全体の文章がスッキリしますね。

類語や言い換え表現は?

「使う際の注意点」でも軽く触れましたが「前者後者」には、同じような意味を持つ類語がいくつかあります。この機会にチェックしておきましょう。

前述と後述

「前述(ぜんじゅつ)」は前に述べたこと、「後述(こうじゅつ)」は後で述べることを指します。どちらも「文章のどこを参照しているか」を示す語です。

また「前出(ぜんしゅつ)」は「前に出てきた(すでに登場した)」という意味で使われることが多く、文章の中で人物・話題・件名などを受けて指す際に便利です。

書類を読む
(c)Shutterstock.com

前記と後記

「前記(ぜんき)」はその文章より前に記したこと、「後記(こうき)」はその文章より後に記すことを指します。これも「文章内参照」の語です。「二つのうち前/後」を示す「前者/後者」とは、使われる場面が異なります。

「上記・下記・右記・左記」は、文章の配置(上・下、右・左)を手がかりに参照先を示す言い方です。文書の体裁に合わせて使い分けると親切ですが、「前者・後者」と同じ感覚で置き換えると、指定が曖昧になることがあるので注意しましょう。

参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

英語表現は?

「前者」は英語で “the former”、「後者」は “the latter” と表現します。「前者より後者の方がいい。」と言いたいときは、“The latter is better than the former.” としますよ。

参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

虫眼鏡でみる
(c)Shutterstock.com

「前者・後者」に関するFAQ

ここでは、「前者・後者」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1. 「前者・後者」は何を指しますか?

A. 二つ挙げたもののうち、先に述べたほうが「前者」、あとに述べたほうが「後者」です。文章の中で、同じ説明を繰り返さずに指し示したいときに役立ちます。

Q2. 人以外にも使えますか?

A. 使えます。「者」が入っていても、人に限らず、物事・選択肢・意見など二つを並べた対象に広く使われます。

Q3. 三つ以上の対象があるときはどう書けばいい?

A. 「前者・後者」は二つを前提にした指し方なので、三つ以上だと混乱が起きやすくなります。「一つ目・二つ目・三つ目」など、数で示す言い方に切り替えるほうが安全です。

最後に

「前者・後者」という言葉について、言葉の意味や使い方、言い換えや英語表現まで紹介しました。「なんとなく」知っている言葉は、改めて意味や使い方を調べる機会がないもの。 「前者・後者」への理解を深めてみてください。

TOP・アイキャッチ画像/(c)Shutterstock.com

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