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2023.10.05

藪から棒とは突然に物事をおこなう様子!意味や使い方、似たことわざを解説

藪から棒とは、突然に物事をおこなう様子を意味する言葉です。使い方や似たことわざを、例文を使ってご紹介します。また、藪蛇(やぶへび)との違いや、言葉の由来についても見ていきましょう。

藪から棒とは突然に物事をおこなう様子

「藪から棒(やぶからぼう)」とは、突然に物事をおこなう様子を指す言葉です。なんの前触れもなく、いきなり起こった出来事に対して使われます。

たとえば、友人と2人で子どもの教育事情について話していたとしましょう。話の脈絡とは関係なく友人がいきなり「次の連休どこかに行くの?」と尋ねたら、「藪から棒の話だね。まだどこに行くか決めていないけれど……」と返答できます。

「藪から棒」と「藪から棒に」の使い方

「藪から棒」は、名詞として使うことがあります。突然の出来事に対して「藪から棒だね」と、驚いたことを表現できます。

また、「藪から棒な」と形容詞的に使うことも少なくありません。たとえば、話が急に変わったことに対して、「藪から棒な話だね」と反応することもあります。

「藪から棒に」と副詞的に使うこともあります。急な話で驚いたときには、「藪から棒に変な話をしないで」のように表現できるでしょう。文脈にあわせて、「藪から棒」「藪から棒な」「藪から棒に」を使い分けてください。

驚く女性

藪から棒の由来とは?

藪(やぶ)とは低い草木や竹などが生い茂る場所のことで、見通しが悪く、足元などもはっきりとは見えないことが多いです。そのような場所を歩いているときに、いきなり棒が突き出てきたら、誰もが驚くのではないでしょうか。

「藪から棒」とは、予想もできないときに唐突に物事が起こったことを比喩的に表現した言葉です。とくに由来などはありませんが、一般的な言い回しとして覚えておきましょう。

藪蛇(やぶへび)との違いは?

「藪蛇(やぶへび)」とは、余計なことをして災難を招くことです。なかの様子がよくわからない藪を棒などでつついたところ、蛇が出てきてしまったということわざ「藪をつついて蛇を出す」に由来するとされています。また、「藪から蛇」と表現することもあります。

藪から蛇イラスト

藪から棒と似ている表現ですが、意味が異なるため注意してください。いくつか例文をご紹介します。

・友人に「恋人はいるの?」と聞いたら、私の事情を探ってきた。言いたくもないことを言わされて、とんだ藪蛇だ。
・アドバイスをしたつもりが、なぜか怒られてしまった。藪から蛇とはこのことだ。

藪から棒と似たことわざ・表現を例文でご紹介

藪から棒と同じく、突然の出来事などで驚いたときに使う表現は多数あります。たとえば、次の表現は驚いたときに使われることがあります。

・寝耳に水
・青天の霹靂(せいてんのへきれき)
・出し抜けに
・思いがけず
・図らずも

驚いたときに使う点はどの表現も同じですが、ニュアンスが異なる点に注意しましょう。それぞれのことわざや表現を例文を使ってご紹介します。

寝耳に水

「寝耳に水(ねみみにみず)」とは、不意の出来事や知らせに驚くことを比喩的に表現した言葉です。「寝耳に水の入るごとし」を略した言葉とされています。

寝ているとき、耳のなかに水を入れられたら、誰しも驚くのではないでしょうか。また、驚くだけでなく不快に感じるかもしれません。寝耳に水は、どちらかといえばよくない知らせで驚くときに使われます。

・明日から社員食堂の定食が値上げだなんて、寝耳に水の話だ。
・妹はすでに先月離婚していたらしい。まったく知らなかった。寝耳に水だ。

なお、藪から棒は相手の言動だけでなく、自分の言動に対して使うこともありますが、寝耳に水は相手からの言動にのみ使う言葉です。そのため、状況によっては「藪から棒」と「寝耳に水」を置き換えられないことがあります。

青天の霹靂(せいてんのへきれき)

「青天の霹靂(せいてんのへきれき)」とは、急に起こった変動や大事件、あるいは突然受けた衝撃のことです。晴れ渡った空に、突然雷が起こる様子を指しています。たとえば、次のように使います。

・両親が別居することになった。仲がいいと思っていたので驚いた。まさに青天の霹靂だ。
・まさか主演に抜擢されるなんて、青天の霹靂だ。

「寝耳に水」や「藪から棒」とは異なり、「青天の霹靂」はよいことで驚いたときにも使われます。なお、晴天の霹靂と書くのは誤りです。注意しましょう。

出し抜けに

「出し抜けに」とは、予期しないことが起こることや突然を指す言葉です。たとえば、次のように使います。

・旅行先で出し抜けに声をかけられ、振り向くと、会社の同僚がいた。
・出し抜けに「結婚してほしい」といわれた。あまり話したこともない彼の突然の申し出に、正直なところ面食らっている。

出し抜けにも、よいことでも悪いことでも使う言葉です。

思いがけず

「思いがけず」とは、「予期しなかったのに」、あるいは「思いがけなく」の意味で使われる言葉です。たとえば、次のように使います。

・社内のプレゼンに、とりあえず参加した。思いがけず会長賞をもらい、コメントを求められて困っている。
・日焼け止めクリームを忘れて、コンビニで適当なものを買った。思いがけず塗り心地がよく、嬉しい驚きだった。

思いがけずも、よいことでも悪いことでも使います。

図らずも

「図らずも」とは、「思いもかけず」や「意外にも」の意味で使われる言葉です。いくつか例文をご紹介します。

・別々に出かけたはずだが、図らずも同じ列車に乗り合わせた。
・散財しようと宝くじを買ったつもりが、図らずも特賞を取り、逆に儲かってしまった。

図らずもも、よいことでも悪いことでも使う表現です。予想したことと異なることが起こったときに使いましょう。

藪から棒を使いこなそう

藪から棒は、日常会話でも使える表現です。また、カジュアルすぎる表現ではないため、ビジネスの場で使っても不自然ではありません。

適切な言葉で驚いた気持ちを表現してみましょう。また、青天の霹靂や寝耳に水などの表現も活用できます。ただし、藪から棒と寝耳に水は、よいことではあまり使わない点に注意してください。

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