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2024.04.13

「粒粒辛苦」の意味と読み方は? 例文を用いた言葉の使い方や似た言葉も紹介

「粒粒辛苦」は、地道な努力を重ねることの意。頻繁に使う言葉ではないため、意味や使い方、由来などを知る人は少ないかもしれません。本記事では、「粒粒辛苦」について紹介します。似た言葉などもチェックしてください。

「粒粒辛苦」って何のこと?

「粒粒辛苦」は、地道な努力を重ねていくことを意味する四字熟語ですが、この言葉をはじめて見たという人もいるでしょう。日常ではあまり見かけない言葉ですので、知らない人の方が多いかもしれませんね。スピーチや挨拶で使えますので、読み方や意味を一緒に見ていきましょう。まずは辞書の意味を紹介します。

辞書の意味は

【粒粒辛苦】
読み方:りゅうりゅうしんく

[名](スル)穀物の一粒一粒は農民の辛苦の結晶であるということ。米を作る農民の苦労をいう。転じて、物事を成し遂げるために、こつこつと苦労を重ね、努力を積むこと。「—したすえに学者となる」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「粒粒」とは、一つの粒の意。「辛苦」は、つらく苦しい思いをすることや、その苦しみ自体を指す言葉です。穀物とは、人間がその種子などを常食とする農作物のことで、米や麦、粟(あわ)、稗(ひえ)、豆などが該当します。物事を成し遂げるために、地道な努力を重ねることを表す言葉です。

(c) Adobe Stock

由来をもう少し紹介

「粒粒辛苦」の由来について、もう少し見ていきましょう。たとえばお米。土地を耕し、田植えをして、自然と戦いながらこつこつと稲を育てた結果、おいしいお米を収穫することができますよね。

無事に収穫できることもあれば、台風などで稲がダメになってしまうケースもあるでしょう。また、不作が続く時期もあるはずです。農業はそれが普通であり、さまざまな困難を乗り越えて収穫に至ります。

しかし、何かあるたびに人は学び、諦めずに新たな試みをしてきました。実るかどうかわからずとも、こつこつと努力を積み重ねて、農作物をつくり上げてきたのです。逆を言えば、その努力なしで穀物を収穫することはできません。これが転じたのが「粒粒辛苦」だと言われています。

「粒粒辛苦」を使ってみよう

「粒粒辛苦」という言葉の使い方を紹介します。スピーチや挨拶に用いることができますし、会話で使うのもいいですね。例文と会話例を紹介しますので、参考にしてください。

《例文1》粒粒辛苦の結果、彼は念願の司法試験に合格した

司法試験とは、裁判官や検察官、弁護士になるために取得する国家資格のことです。取得が難しい国家資格の一つであり、並大抵の努力では合格できないでしょう。例文は、苦労しながらこつこつと努力を積み重ねて、司法試験に合格したことを表しています。

《例文2》社長は粒粒辛苦の末にようやく成功した、かなりの苦労人である

社長などの経営者には、苦労に苦労を重ねながら地道に努力した人が多いです。順風満帆とは言い難い道のりを必死で進み続け、諦めずに努力し続けたからこそ成功をつかむことができるのでしょう。例文の社長もまさしくそのような人物と言えます。

《例文3》先代が粒粒辛苦して築き上げた財産を、二代目が一気に食いつぶしてしまった

こつこつと地道に努力を重ねて築いた財産を、後継者があっという間に使ってしまうのは、よくある話かもしれませんね。例文は、先代の努力を後継者が水の泡にしたことを表しています。二代目は、先代の思いを引き継ぐことができなかったのでしょう。

シニア
(c) Adobe Stock

会話でも使える?

「粒粒辛苦」は会話でも使うことができます。ここからは会話例を見ていきましょう。母親と子どもが、祖父について話していると考えてください。

子ども「おじいちゃん、今度バイオリンの発表会に出るんだってね」
母親「すごいよね。70歳から独学ではじめて、とうとう一曲弾けるようになるなんて」
子ども「毎日練習していたものね。楽譜を読みたいって言って、子ども向けの教本で勉強していた」
母親「途中から先生に教えてもらって、粒粒辛苦の末、今は楽譜を読めるらしいよ」
子ども「その努力がすごいよね! 発表会が楽しみだ」

物事をはじめるのに遅すぎることはないと言いますが、年齢を重ねてから新たなことにチャレンジするのは、大変なことが多いでしょう。会話例は、バイオリンを弾くために地道に努力した祖父について話しています。地道に練習を重ねる祖父の姿を見て、母親と子どもは多くのことを学んだのではないでしょうか?

「粒粒辛苦」に似た言葉

「粒粒辛苦」と似た言葉を見ていきましょう。苦労して努力を積み重ねることを表す言葉を紹介します。

(c) Adobe Stock

「苦心」

物事を成し遂げようといろいろ試みたり考えたりして、苦労することを表す「苦心」。「くしん」と読みます。「苦心に苦心を重ねる」「苦心が実る」「苦心して作る」のように使うことが多いでしょう。一生懸命に考え、いろいろな方法を試すなど大変な努力をした場合に用いられる言葉です。

《例文》苦心して生み出した作品なので、強い思い入れがあります

「労作」

「労作」は苦心してつくり上げた作品という意味を持ちます。読み方は「ろうさく」。

《例文》この小説は10年を費やした労作なので、多くの人に読んでもらいたい

「力作」

力をこめてつくった作品という意味の「力作」。読み方は「りきさく」。

《例文》これは彼女の力作だったが、入賞には至らず残念だ

努力を意味する四字熟語5選

「粒粒辛苦」のように、「努力」を意味する四字熟語は他にもたくさんあります。いくつかピックアップして紹介しますので、チェックしてください。

「試行錯誤」

さまざまな方法を繰り返し試みて、失敗を重ねながら解決方法を追求していくという意味の「試行錯誤」。「しこうさくご」と読みます。この言葉は会話などでよく使われていますよね。「試行錯誤を重ねる」のように使うことが多いでしょう。

「切磋琢磨」

学び、徳を修めるために努力に努力を重ねることや、友人同士で励まし合い、競い合って向上することを表す「切磋琢磨」。この言葉もよく知られていますよね。「せっさたくま」と読み、「互いに切磋琢磨して〜」のように使われている言葉です

「粉骨砕身」

「粉骨砕身」は、力の限り懸命に働くことを表します。読み方は「ふんこつさいしん」。スピーチや挨拶で登場することが多いでしょう。「粉骨砕心」と書くのは誤りですので、注意してください。

最後に

「粒粒辛苦」について、言葉の意味や使い方、似ている言葉などを紹介しました。農作物から派生したこの言葉は、地道に努力することを示します。デジタル化が進む現代においても、「粒粒辛苦」は欠かせないことと言えるでしょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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