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2025.12.27

「本末転倒」の正しい意味と、よくある誤用例を紹介|類語・英語表現も解説

「本末転倒」とは、物事の優先順位を取り違え、本来重視すべきことをおろそかにし、重要でないことにばかり目を向けてしまう状態を表します。本記事では、「本末転倒」の意味や語源、使い方と注意点、言い換え表現、英語表現、よくある疑問と回答を紹介します。

この記事のサマリー

・「本末転倒」の意味は、「根本的な大事なことと、些細なつまらないことを取り違えること」です。
・「本末転倒も甚だしい」は、強い批判を含むため使用には注意しましょう。
・立場の逆転なら「主客転倒」、やりすぎて失敗するなら「角を矯めて牛を殺す」を使うことができます。

よかれと思って始めたことが、気づけば本来の目的を台無しにしてしまっていた…。そんな「本末転倒」な状況は、私たちの日常やビジネスシーンに意外と多く潜んでいます。

この記事では、「本末転倒」の使い方、そして似た意味の言葉を紹介します。言葉本来の意味を正しく理解し、優先順位を見失わない「スマートな思考」を手に入れましょう。

「本末転倒」の意味と語源

最初に「本末転倒」の意味を確認しましょう。正しく理解しておくと、日常会話やビジネスの場面でも説得力のある言い回しとして使えます。

「本末転倒」の意味

「本末転倒」を、辞書では次のように定義しています。

ほんまつ‐てんとう〔‐テンタウ〕【本末転倒】
[名](スル)根本的で重要なこととささいでつまらないことを取り違えること。「―もはなはだしい」「―した考え」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「本末転倒」とは、物事の優先順位を取り違え、本来重視すべきこと(本:根幹)をおろそかにし、重要でないこと(末:枝葉)にばかり目を向けてしまう状態を表します。

参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』(ともに小学館)

顔を隠す女性
(c)Adobe Stock

「本末転倒」の使い方と注意点

「本末転倒」の具体的な使用例とともに、誤用を避けるポイントを整理しましょう。

「データばかり重視して、現場の声が軽視されては本末転倒です」

数字に偏りすぎて、実態に目が向かなくなるという判断ミスを表しています。

「黙っていたほうがいいと思ったけれど、逆に誤解を招いてしまった。本末転倒な結果でした」

沈黙という配慮が、かえって信頼を損なう結果になった例です。善意が裏目に出た場面でも使えます。

「彼女を喜ばせたくて内緒で高価なプレゼントを用意したのに、会ってもらえなかった…。本末転倒だったかもしれません」

「会いたい」という目的よりも、「贈り物」という手段に偏り、意図が伝わらなかったケースです。

このように、「手段に力を注ぎすぎて、本来の目的を果たせなくなった」ときに使うと、自然で的確な表現になります。

「本末転倒も甚だしい」の意味と使い方

「甚だしい」は「程度が極めて大きい」という意味で、「本末転倒」の度合いが著しい場合に使います。ただし、否定の響きが強くなるため、使う際には配慮が必要です。

例文:「企画書の作成に時間をかけすぎて、提出が遅れるとは本末転倒も甚だしい」

誤用しやすいケースと注意点

「本末転倒」は、重要なことと些細なことの優先順位を取り違える場面に対して使います。よくある誤解は、準備不足による「単なる失敗」に対して使うことです。

例えば「勉強しなかったから不合格だった」というのは、本末転倒ではありません。「合格を目指すなら、勉強する」という順序は崩れていないからです。

一方で「合格するために寝る間も惜しんで勉強していたら体調を崩し、本番を欠席した」となれば、「合格する」という目的のために「寝る間を惜しんだ」ことが目的を壊しているため、「本末転倒」といえます。

参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』(ともに小学館)

風邪を引いた女性
(c)Adobe stock

「本末転倒」の言い換え表現と類語

「本末転倒」と同じように、物事の優先順位や重要性を取り違えた状態を表す表現は、他にもいくつかあります。ここでは代表的な四字熟語やことわざを紹介します。

「主客転倒(しゅかくてんとう)」

意味は、主と客、主従・上下関係などが逆になること。また、物事の重要度や本末を取り違えることです。

「本末転倒」と同様に、重要性の判断を誤る点が共通していますが、「主客転倒」は特に人の立場が逆転する場面に対して使います。

例文:「マニュアル遵守を優先するあまり、お客様への配慮が欠けてしまっては主客転倒です」

「角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす)」

小さな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうことの意味です。「過剰な是正が全体を損なう」という意味で、「本末転倒」と近いニュアンスがあります。

例文:「ミスを修正し続けた結果、良かった点も消えてしまった。角を矯めて牛を殺す結果でした」

「葉を截ちて根を枯らす(はをたちてねをからす)」

部分の修正が全体に悪影響を与えた場合に用います。

例文:「部署の効率化を図ろうと人員を削減したが、業務が回らなくなってしまった。これはまさに葉を截ちて根を枯らす判断だった」

「仏を直すとて鼻を欠く(ほとけをなおすとてはなをかく)」

欠点を直そうとして、かえって大事な部分を損なうことを表します。

例文:「細かい表現を直そうと何度も書き直した結果、文章全体の流れが崩れてしまった。まさに、仏を直すとて鼻を欠くような仕上がりだ」

参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』(ともに小学館)

「本末転倒」を英語ではどう表す?

「本末転倒」を英語で表す際に、よく使う表現が “put the cart before the horse” です。

直訳すると「馬の前に荷車を置く」という意味で、物事の順序を誤ったり、優先すべきことを取り違えたりする様子を表します。

例文:
“Proposing a solution before understanding the problem is like putting the cart before the horse.”
(問題を理解する前に解決策を出すのは、本末転倒です。)

参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』、『ビジネス技術実用英語大辞典V6』(ともに小学館)

アルファベット 虫眼鏡
(c)Adobe stock

「本末転倒」に関するFAQ

ここでは、「本末転倒」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1. 「本末転倒」はどんな場面で使うのが自然ですか?

A. 「手段」に熱中するあまり、本来達成したかった「目的」が置き去りになっている状況を指摘する際に機能する言葉です。

Q2. 「本末転倒」と「意味がない」は同じ意味ですか?

A. 似ていますが異なります。「意味がない」は結果が無価値であることを指しますが、「本末転倒」はあくまで「大事なことと枝葉を逆にした」というプロセスの誤りに焦点を当てた言葉です。

Q3. 「NGな使い方」はありますか?

A. 単なる「徒労」や「努力不足」による失敗に使うのは誤りです。例えば「勉強しなかったから不合格だった」は自業自得な失敗であり、本末転倒ではありません。

最後に

私たちは日々の忙しさの中で、つい目の前の作業に追われ、本来の目的を見失ってしまうことがあります。「本末転倒」の意味を深く知ることは、自分の行動が「本」を向いているか「末」に囚われているかを客観的に見つめ直すきっかけにもなるはずです。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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