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2026.01.03

「守株」は褒め言葉じゃない? 意味・由来・誤用しやすい使い方を解説

「守株(しゅしゅ)」とは、「古い習慣を固守し、進歩のないこと」を意味します。この記事では、「守株」の意味や由来、使い方と注意点、類義語、よくある疑問と回答を紹介します。

この記事のサマリー

・「守株(しゅしゅ)」とは、古い習慣や過去の成功体験に固執し、状況の変化に対応できない姿勢を戒める言葉です。
・語源は中国古典『韓非子』五蠹篇で、偶然兎を得た農夫が同じ幸運を待ち続けた故事に由来します。
・「守株」は戒めの表現であり、褒め言葉として使うのは誤用です。

「守株」という熟語を見て、すぐに読めたでしょうか? 言葉としてはあまり見慣れない… そんな人も多いかもしれません。実はこの言葉、中国古典に由来する故事成語で、「昔のやり方に固執してしまう姿勢」を戒める意味を持ちます。知らずに使うと、誤解を招いてしまうことも…。

本記事では辞書に基づく正確な意味と背景を押さえながら、現代でどう理解し、どう使えばいいのかを丁寧に見ていきます。

「守株」とは? 意味と背景

まずは読み方と意味を確認し、次に故事成語としての由来を整理します。

「守株」の読み方と意味

「守株」の読み方は、「しゅしゅ」。「古い習慣を固守し、進歩のないこと」を意味します。いずれも状況の変化に対応できない姿勢を指す言葉です。

なお、「株」という字から株式や投資を連想する人もいますが、ここでの「株」は木の切り株のこと。意味の取り違えが起きやすい点として、最初に押さえておきたいポイントです。

辞書では次のように説明されています。

しゅ‐しゅ【守▽株/▽株守】
[名](スル)いたずらに古い習慣を守って、時に応じた物事の処理ができないこと。兎(うさぎ)が走って来て木の切り株に当たって死んだのを見た宋の農民が、仕事を投げ捨てて毎日切り株を見張ったものの、ついに兎は捕れなかったという「韓非子」の故事による。株(くいぜ)を守る。
「一主義一学説を―するは」〈魯庵・社会百面相〉

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

故事成語としての由来

「守株」は、中国の古典『韓非子』五蠹篇に由来します。

宋の国の農夫が、走ってきた兎が偶然木の切り株にぶつかって死んだのを見て、苦労せずに獲物を得ました。そこで農作業をやめ、再び兎が来ることを期待して、毎日その切り株を見張り続けます。しかし兎は二度と現れず、農夫は人々の笑い者になりました。

この故事から、「株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)」、すなわち過去の偶然に頼り、同じ結果を待ち続ける愚かさを表す言葉として「守株」が生まれました。

参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

(c) Adobe Stock

「守株」の使い方と注意点

意味や由来を知ると、「守株」は使いどころを選ぶ言葉だと分かります。実際、職場や日常会話でこの言葉を耳にして、「少しきつい言い方かも?」と感じた経験がある人もいるかもしれません。

ここでは使い方を具体的な場面に落とし込みながら、誤解を招きやすいポイントや注意点を整理します。

使い方とシーン別の例文

「守株」は、主に考え方や姿勢を批判的に指摘する場面で使われます。例えばビジネスの場では、「昔の成功体験だけに頼って、新しい方法を試そうとしない態度」を表すときに用いられます。

・「過去のやり方にこだわり続けるのは、やや守株に見えてしまう」
・「時代が変わっているのに、守株する発想から抜け出せていない」

日常会話でも、「昔はうまくいったから今回も大丈夫だろう」と状況を考えずに期待する様子を、控えめに批評する表現として使われます。いずれの例文も相手の姿勢をたしなめるニュアンスがある点が共通しています。

SNSでの使い方と注意ポイント

SNSでは、短い言葉ほど意味が強く伝わります。「守株」は否定的なニュアンスを持つため、投稿では自分自身の姿勢を振り返る文脈で使うのが無難です。

・「成功体験に頼りすぎて、守株になっていないか反省中」
・「同じやり方を続ける安心感と、守株の危うさは紙一重」

他人や組織を名指しで評する使い方は、意図以上に攻撃的に受け取られることがあります。内省的な使い方を意識すると、誤解を招きにくくなりますよ。

誤用しやすいケースとその回避法

注意したいのは、肯定的な文脈では「守株」を用いないということです。「一途」「信念を貫く」といった評価とは異なりますので、注意しましょう。

また、人に向けて直接使うと、相手を批判する響きが強くなるため、「守株になりかねない」といったやや距離を取った言い方にすると、角が立ちにくくなります。

(c) Adobe Stock

類義語を知り理解を深める

「守株」と近い意味を持つ言葉を紹介します。いずれも、「変化に対応せず、同じやり方に執着する姿勢」を戒める表現です。

「株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)」

「守株」と同じ故事に基づく表現です。過去の偶然や成功体験に頼り、新しい行動を起こさないまま結果を待つ姿勢をたとえた言葉です。

「琴柱に膠す(ことじににかわす)」

琴柱を接着して動かなくすることから、物事に固執して融通が利かない様子を表します。状況に応じた調整ができない点で、「守株」と共通します。

「剣を落として舟を刻む(けんをおとしてふねをきざむ)」

舟から落とした剣の位置を、舟べりに刻んで探そうとした故事に由来。状況の変化を考えず、過去の判断に縛られる愚かさを表す言葉です。

(c) Adobe Stock

「守株」に関するFAQ

ここでは、「守株」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1.「守株」はどんな意味の言葉ですか?

A. 「守株(しゅしゅ)」とは、古い習慣や過去のやり方に固執し、状況の変化に応じた対応ができないことを指す言葉です。

Q2.「守株」は褒め言葉として使えますか?

A. いいえ、使えません。「守株」は進歩がなく柔軟性に欠ける姿勢を戒める表現です。

Q3.「株」という字が入っていますが、株式投資と関係ありますか?

A. 関係ありません。ここでの「株」は、木の切り株を意味します。

最後に

「守株」は、昔の中国の故事から生まれた言葉で、「一度の成功体験に固執し、状況の変化に対応できないこと」を戒めています。努力や工夫を手放し、偶然に期待し続ける姿は、時代や立場を問わず、私たちの日常にも重なるものです。過去に頼るのではなく、今の状況を見つめ直すこと… 「守株」という言葉は、その大切さを静かに教えてくれます。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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